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「目の前の死」2


良く晴れた寒い日で、地上はみぞれに覆われていたが、そのみぞれは既に凍っていたので、葉の落ちた木々や茂みはカットされたブラシのように見え、雑草や裸の地面は氷の中に消えていた。私はアイリッシュセッター種の若犬を連れ、道路や凍った溝沿いに軽い散歩に行くつもりだったが、ガラスのような地表では立っているのも歩くのも困難で、赤い毛色の犬は足を滑らせてつるつる滑っていき、私は二度もしたたかに転び、一度は、手にしていた銃を取り落として、それが氷の上をずいぶん遠くまで滑っていった。
私たちは、ブラシ状の木々の下の粘土の土手にいたつぐみを驚かせ、飛び立ったそれらのうちの2羽が土手の上を飛び去ろうとした間際に私は銃で撃ち落とした。群れのうちの幾らかは木の枝に止まっていたが、多くはブラシの堆積の中に集まっていたので、氷で覆われたブラシの小丘の上でジャンプして彼らを飛び立たせる必要があった。氷のスプリングのようなブラシの中から不定期に飛び立つうずらを撃つのは難しく、私は2羽を撃ち落とし、5羽を撃ち損ね、家の近くでうずらの群れを見つけたこと、そしてまた別の日に見つけることができるうずらがたくさん残っていることを喜びながら帰途についた。
家に入ると、家人たちが、少年が部屋に誰も入れようとしないと口々に言った。
「中に入るな」少年は言っているらしい。「誰にも僕の持っているものを取らせない」
階段を上って部屋に入り、私は彼が、私が最後に見たときとまったく同じ姿勢と位置で、白い顔をし、しかし頬は熱で紅潮して、ベッドの足元の方をじっと見ているのを見た。
私は彼の体温を測った。
「何度なの?」
「100度くらいだ」私は言った。それは102度4分だった。
「102度だよね」彼は言った。
「誰がそう言った?」
「お医者さん」
「君の体温は大丈夫だ」私は言った。「何も心配することはない」
「心配してないよ」彼は言った。「ただ、考えるのをやめられないんだ」
「考えないようにしなさい」私は言った。「気を楽にして」
「僕は気楽にしているよ」彼は言って、真っすぐ前を見た。彼は明らかに、彼自身のことで何か思いつめている。
「この薬を水で飲みなさい」
「これ、何か役に立つと思っている?」
「もちろん役に立つさ」
私は座って海賊の本を開き、読み続けようとしたが、彼が聞いていないことに気づいて読むのをやめた。
「僕はいつ死ぬんだと思う?」
「何だって?」
「あとどれくらい、僕は生きられると思う?」
「お前は死なないよ。いったいどうしたんだ?」
「死ぬよ。僕はあの医者が102度と言うのを聞いたんだ」
「人間は102度の熱では死なないよ。馬鹿馬鹿しい」
「死ぬって、僕は知ってるよ。フランスの学校にいた時、友だちが、人間は44度の熱が出ると死ぬって言っていたんだ。僕は今102度だ」
彼は一日中、死を待っていたのだ。朝の9時から今まで。

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プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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