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気の赴くままにつれづれと。
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もしも軽快な、やさしい明るい文体で述べられたら、哲学はその威厳をいく分損ずるだろうと考えたのだろう。だからカントは哲学にしゃちこばった、抽象的な形式をあたえた。それは思想の低い階級には、とうていしたしめない冷たい形式である。カントは、きわめて下世話な、はっきりした表現をねらっていた当時の通俗哲学者とは自分をいばって区別しようとして、自分の思想を宮廷くさい、冷えきったお役所言葉でよそおった。この点にカントの俗物根性が、はっきりあらわれている。けれどもまた一面から見れば、カントは自分の丹念にきめられた精確な考え方をあらわすためには、やはり丹念にきめられた精確な言葉が必要だったろう。カントによってドイツの哲学革命が引き起こされたのは、その著作の内容によるよりも、むしろその著作を支配している批判精神によってであるとハイネはいう。
しかし、カントはそのために紋切り型のお役所言葉よりもすぐれた言葉はつくり出せなかった。
天才だけがあたらしい思想に、あたらしい言葉をあたえる。ところが、イマヌエル・カントはけっして天才ではなかった。カントはあのまじめなロベスピエールとおなじように、自分は天才ではないと感じたからこそ、天才にたいしては一そううたがいぶかかった。カントは「判断力批判」という著書で、こういいきっている。
「天才は学問には用がない。天才の活動は芸術の領域にかぎられている。」
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