この記事には非常に重要なことが書かれている。それは、
院内での感染者のうち少なくとも2人はコロナの疑いがあったが、いずれも当初のPCR検査で「陰性」に。同病院では感染が疑われる患者を受け入れる際、職員らはフェースシールドなどの防護服を着用して対応するが、「陰性」が2回続くと隔離措置から解除していた。1人は2回、もう1人は転院前の検査も含めて4回「陰性」となり、いずれも一般病棟に移った後に陽性と判明した。
という部分だ。これが真実なら、PCR検査が「当てにならない」は言い過ぎにしても、かなり信頼性は低いと見ていいのではないか。ネット言説に溢れる「PCR万能主義」「検査絶対主義」というのも、或る種の狂信性を帯びていると私には思える。「信頼性が百パーセントでなくても確率的に分かればいい」というのなら、その「検査」の後でどうするのか。陰性と判断された人間が、後で実は感染者だった、とすれば、その人間が感染源となるわけで、いたちごっこだろう。
要するに、新コロに対しては、最低限の注意を国民ひとりひとりが行って、後は運を天に任せるしか解決方法はない、と私は思っている。コロナ疑惑で国民同士が対立し、傷つけあうのが最低だ、と私は思っている。
(以下引用)
感染疑い患者に翻弄された「最後のとりで」の苦悩 35人感染の神戸・中央市民病院
新型コロナウイルスの治療で重要な役割を果たす神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)で院内感染が発覚し、まもなく1カ月を迎える。5日午後5時現在で入院患者と看護師や医師ら職員計35人の感染が明らかになり、新型コロナの重症者を除く新規の外来や入院、3次救急の受け入れを再開する時期はまだ決まっていない。市民の命を守る“最後のとりで”に何が起きたのか。
「無策のまま広がっているということではない。コロナを追い詰める成果が出ている」。4月29日、新たに1人の感染者が判明した際の記者会見で、木原康樹院長はこう述べた。院内感染の全容がおおむね把握できていることを強調した。
これまでの院内感染の広がりは深刻だ。
中央市民病院では感染症病床のあるA病棟で軽症と中等症、B病棟で重症患者を受け入れてきた。もっとも多くの感染者を出したのがA病棟だ。4月8日に初めに感染が分かった70代の女性患者もこの病棟にいた。別の病気で入院し、退院間近に発熱し、PCR検査(遺伝子検査)を実施して陽性と判明。治療で使っていた人工透析室やA病棟に出入りしていた職員や患者を検査したところ、感染の広がりが明らかになった。全18病棟の半数にあたる9病棟と人工透析室、内視鏡センターに関わる人の感染が確認された。
同病院はエボラ出血熱の患者も受け入れ可能な第1種感染症指定医療機関で、「国際的なガイドラインに従った対応をとってきた」(木原院長)という。感染経路は調査中だが、課題の一つとして挙げられるのが「コロナ疑いの患者」の取り扱いだ。
院内での感染者のうち少なくとも2人はコロナの疑いがあったが、いずれも当初のPCR検査で「陰性」に。同病院では感染が疑われる患者を受け入れる際、職員らはフェースシールドなどの防護服を着用して対応するが、「陰性」が2回続くと隔離措置から解除していた。1人は2回、もう1人は転院前の検査も含めて4回「陰性」となり、いずれも一般病棟に移った後に陽性と判明した。
一般病棟に移した判断について、木原院長は「PCR検査に頼り、総合的に臨床で判断しなければ問題が起こる」とPCR検査の限界を認める。その一方で「(一定の基準で)患者を別の棟に移さないと、次の方が入れない。押し寄せてくる新型コロナ患者に対し、どう医療資源を適切に運用するかジレンマにある」と苦渋の表情を見せた。
病院は対策…