【ブリュッセル八田浩輔、ロンドン矢野純一】ランサムウエアによる攻撃が世界的規模で相次いだ問題で、欧州連合(EU)の欧州警察機関(ユーロポール)のウェインライト長官は14日、英テレビ番組のインタビューで、確認されている被害は「少なくとも150カ国で20万件以上」と述べた。
ウェインライト氏は、動機は不明としながらも「かつてない規模」での被害だと強調。大企業を含む経済部門が主な標的となっているとした。また、金融分野などに比べ、対策が遅れている医療分野で個人情報などが漏えいする可能性があると懸念を示した。
英国では、計62の病院がサイバー攻撃を受け、システムがダウン。患者の手術や診察を中止するなどの影響がでた。英内務省によると攻撃を受けた97%の病院が通常の業務に戻ったという。
大阪でトラブル
ランサムウエアによるサイバー攻撃とみられるトラブルは大阪でもあった。世界的な同時攻撃との関連は不明だが、東大阪市の会社事務所で13日夜、防犯カメラの映像が映らなくなり、カメラを管理している男性社長(52)のパソコンに、ウイルス感染を示す画面が表示された。【遠藤浩二】