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政治家が無知な庶民を味方にする方法

「東洋経済オンライン」から河村たかしに関する記事の一部を転載。この後もなかなか面白い内容だが、ここでは特に重要と思う部分だけ引用する。もっとも、この「戦略」は、かなり恥知らずでないとできない戦略である。
なお、記事筆者自身が「反トランプ」らしいのは措いておく。
ちなみに、野党は地方自治体首長候補に学者を担ぎ出す傾向があるが、庶民は学者など大嫌いである。なぜなら、学者とは「学校の先生の同類」「庶民と無縁なエリート秀才」と見做されるからだ。彼らはだいたい学校の先生にいい印象を持っていない。成績の悪い生徒で教師に好感を持つ子供はいないだろう。せいぜいが部活の教師くらいしか「恩師」とは思わない。

(以下引用)

メダル噛み「お騒がせ市長」がなぜか当選続ける訳

トランプ前大統領も駆使した4つのテクニック


先日、出張で名古屋に行ったとき、知人が、彼のスピーチの口真似をしてくれたのですが、その内容を聞いて、「なるほど」と腑に落ちました。


彼が縦横無尽に駆使していたのが、アメリカのドナルド・トランプ前大統領をはじめ、いわゆるポピュリスト(大衆迎合主義者)の使う王道のコミュニケーション手法だったからです。

【1】徹底的な「オレたちのタカシ」戦略

その第1のテクニックが、徹底的な「オレたちのタカシ」戦略です。


彼の売り文句は「気さくな72歳」。名古屋の名門旭丘高校を卒業し、一橋大学へ進学、と学歴的にはエリートなわけですが、徹底的に「庶民」を気取ります


公用車は黒の軽自動車。選挙活動はわざわざ、ヘルメットを着け、選挙カーの後ろを自転車で回り、その自転車も「28年乗っとるやつですわ~。あそこの〇〇サイクルで買った」というビンテージの代物であることをアピールするのです。


「私みたいな零細企業の息子は~」などと言いながら、「どえりゃー」「また来てチョーよ」といったきつい名古屋弁をまくしたてます


「名古屋弁」は有権者と彼を強く結びつける「共通言語」。一部の人に嫌悪感を与えても、支持者に「彼はわれわれの仲間だ」という意識を覚えてもらえばそれでいいのです。

政治家に投票するのは「2つの理由」?

「俺は庶民の味方」「あなたたちのことを誰よりもわかっている」。そういったアピールは民主主義においては、支持を受けやすく、SNS時代の昨今は、そうした政治家の「親しみやすさ」がますます重要視されるようになってきています。


アメリカの大統領選では「どちらの候補者と一緒にビールが飲みたいか」がひとつの判断材料であり、ジョージ・ブッシュ元大統領は「有能さ」よりもそんな「人の良さ」が当選の理由になったと言われているほど。


では、市民はいったい、どういった理由で政治家を選ぶのでしょうか。人柄? 政策? 品位? 実はそんなものはほとんど重要ではないという研究があります。


政治心理学が専門の米エモリ―大学のドリュー・ウェステン教授いわく、有権者は、

①この候補者、政党は私と同じ価値観を共有しているのかどうか?
②私のような人を理解し、気にかけているのかどうか?

この2点だけで、候補者に投票するかどうかを判断しているのだそうです。つまり、自分と同じ考えで、自分のことを理解してくれているかどうか。これが投票の決め手というのです。


そういった意味で、「私はあなたと同じ出身で、同じ靴を履き、同じ洋服を着ている」と発信し続ける河村氏の戦略が、ある一定の支持を受けるのは当然ということになるでしょう。


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