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戦争と正義

山田風太郎の「戦中派不戦日記」の昭和20年10月1日の日記の一部である。つまり、敗戦から1か月半後のものだ。
引用文中の日本と今のロシアと何が違うのか。真珠湾攻撃の報を聞いて、「日本は侵略国家だ」と非難の声を上げた日本人がいたか。戦争における「正義」とは何か。


(以下引用)色字と太字は夢人による。

今、日本は完全なる罪人となれり。悪なるがゆえに敗れたりと全世界から断ぜらる。されば戦争中の宣伝に関して、その荒唐なりしを笑わるれど、明白なる敗戦の一因は、宣伝戦の未熟なりしにあらざるか。敗るる以前すでに日本は世界の敵と目されたり。余は国家間のいわゆる正義を認めず。負け惜しみにもフテクサレにもあらずして、国家間のいわゆる正義なるものは、実に浮雲のごときものと思うなり而して日本は敗戦以前すでに連合国側の膨大なる宣伝機構に圧倒されいたるなり。

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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