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学校という異世界

「東洋経済オンライン」記事の末尾だけ転載。
学校というのはなかなか厳しい異世界で、まともそうな人間も、さほど頼りにはならない。RPGの村人程度で、怪物から守ってはくれない。そして、その世界にうまく適応すれば楽しいこともあるわけだ。しかし、すべては自己責任。死んでも自己責任である。
特に体育の授業や運動部の部活というのは、事故と紙一重である。小学校では休み時間の「遊び」も事故につながりやすい。教師がそれをずっと見張るわけにもいかない。学校側の無責任さもある意味必然的なのである。
まあ、生きることは大なり小なりサバイバルだというのが結論になるだろうか。


(以下引用)

学校行事の大ケガを「自業自得と罵る教員」のなぜ

生徒は周囲からも誹謗中傷を受けてPTSDに


あの事故は、文也君にとって何だったのか。取材に対し、15歳になったばかりの彼はこう言った。


「先生たちに対して怒る部分もあるけど、裏切られたという気持ちもあって、複雑な気持ちのままきました。僕が使っていたトーチは、もともと先生が使っていたんです。先生が使うということは大人用じゃないですか。しっかり対応していれば、リスクは減ったのではないでしょうか」


冷静でしっかりした受け答えだった。そして母の加奈子さんはこう話す。


「未来ある子どもたちのために、学校は健全で偽りのない教育環境をつくってほしいと思います」

学校が市に提出した事故報告書のコピーを見せ、事故の状況を説明する鈴木和也さん(写真:林 和)

全国の学校事故は2019年度で約96万件

日本スポーツ振興センターによると、全国の学校事故は直近の2019年度に95万9714件発生した。このうち児童・生徒がけがをした件数は約88万件。全体の9割にも達する。


小学校では約半数が休憩時間に起きているほか、授業などでの跳び箱の事故が1万5000件を超えた。中学・高校はともに運動系のクラブ活動での事故が5割を占めた。特にバスケットボールやサッカーなどの球技で目立つ。


近年では、兵庫県宝塚市立中学校で2019年6月、2年生の女子生徒が吹奏楽部の活動中に校舎から転落して重傷を負う事故があった。今年4月には、宮城県白石市立小学校で、校庭に設置された防球ネットの木製支柱が根元から折れ、6年の児童2人が死傷する事故もあった。


学校事故は起こり続けている。日本スポーツ振興センターのデータベースで学校の事故例を検索すると、以下のような事例が次々に出てくる。

「障害物を使った折返しリレーの練習中に倒れ、死亡」(小3、女子)
「バスケットボールの練習中に倒れ、1カ月後に死亡」(中1、男子)
「3階の教室で窓が空いていることに気付かず、カーテンに寄り掛かって転落、数カ月後に死亡」(中2、男子)
「体育のマット運動で両眼の奥を骨折」(小6、女子)
「体育の授業中、組体操で左目に大けが」(小6、男子)
「野球部の練習中、首にデッドボールを受け、翌日死亡」(高2、男子)
「学校事故事例検索データベース」ではさまざまな事例が検索できる(画像:日本スポーツ振興センターのホームページをキャプチャ)

「発生場所」や「発生状況」の内容を読むにつれ、「未然に防止できたのではないか」と思えるものも少なからずある。


しかも事故の「その後」に苦しんでいるのは、文也君やその両親だけではない。「けが88万件」という数字の向こうでは、大勢の人が長い苦しさの中にある。次回(6月15日配信予定)はさらに「その後」を報告する。


取材:林 和(はやし・なごみ)=フロントラインプレス(FrontlinePress)所属


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