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ファミマの「こども食堂」のこと

コンビニが「子供食堂」をやることへの懸念はあるかもしれないが、私としては、

「今、目の前で飢えている(死にかけている)子供がいるなら、それを一人でも多く救うことは何より優先される」

という考えなので、ファミマのこの試みに賛意を示した。その考えは変わらないが、下に引用した記事が示している懸念も同意する。要するに、懸念があるなら、その不安が現実化しないように運営側が配慮すればいいというだけのことだ。
下の記事では3つの懸念が長々と書かれているが、特に重要だと私が思う、2番目の懸念の部分だけ転載する。
私が一番良くないことだと思うのは、こうした批判の声によってせっかくのファミマの「善行」が立ち消えとなり、それに続く企業も出て来なくなることである。
私は「大企業性悪説」(大組織性悪説でもある)の思想を持っているが、こういう事は「是々非々」で判断すべきであり、この試みは「是(ぜ)」の部類だろう、と思っている。ただ、いかにも「企業宣伝臭」が強いのは不快だが、貧困家庭の子供の救済に役立つなら「是」とすべきかと思うわけだ。


(以下引用)


ファミマ子ども食堂への3つの懸念と意見

 

子ども食堂の取り組みを発表したファミリーマート(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)


ファミリーマートが子ども食堂!?

2月1日にコンビニエンスストア大手のファミリーマートが子ども食堂の取り組みを始めると以下の通り発表した。 



株式会社ファミリーマート(本社:東京都豊島区/代表取締役社長:澤田貴司)は、地域交流および未来を担うこどもたちを応援する取り組みの一環として、2019年3月より「ファミマこども食堂」の取り組みを開始いたします。


 「ファミマこども食堂」の取り組みにより、全国のファミリーマートの店舗を活用し、地域のこどもたちや近隣の皆さまが、共に食卓を囲みコミュニケーションできる機会を提供することで、地域の活性化につなげてまいります。


 ファミリーマートでは2018年度に東京都、神奈川県、埼玉県の5店舗で「ファミマこども食堂」をトライアル開催いたしました。このトライアルを通じて、「皆と仲良く話せて良かった」「学年を超えた交流を楽しめた」(参加者アンケートより)といった反響を頂き、開催地域を全国に拡大することを決定いたしました。


 「ファミマこども食堂」では、地域のこどもと保護者を対象に、参加者みんなで一緒に楽しく食事をするほか、ファミリーマート店舗のバックヤード探検やレジ打ちなどの体験イベントを通じて、ファミリーマートに関するご理解を深めていただく取り組みもあわせて実施します(店舗により、一部内容が異なります)。


ファミリーマートは、今後とも地域に寄り添い、地域のお客さまのニーズに応じて、全力を尽くして進化し続けてまいります。


■「ファミマこども食堂」の概要


概要:ファミリーマートの店舗スペースを活用し、近隣のこどもや保護者を対象に食事を楽しむ取り組み


対象:店舗近隣にお住まいのこども、及びその保護者


(小学生以上は保護者の同意があれば1人でも参加可能)


参加人数:約10名/回


参加料金:こども(小学生以下)100円、 保護者(中学生以上)400円


プログラム:オリエンテーション/みんなとお食事(約40分)


体験イベント(約20分)


※店舗により一部内容が異なります。


出典:「ファミマこども食堂」を全国で展開

この発表を受けて、これは子ども食堂なのだろうか、単なる企業の商品提供、企業体験の場ではないか、という印象を持った。


これまでTwitterでも疑義を呈してきたが、僕の主張をまとめておきたい。

(中略)

ファミマ子ども食堂への懸念2 低賃金労働を強いたうえでの子ども食堂は何度でも批判する

日本のシングルマザーの貧困、子どもの貧困は深刻である。シングルマザー等の相対的貧困率は50,8%にまでおよび、日夜働いても生活が苦しい。


シングルマザーは80%以上が働いているにもかかわらず、相対的貧困から抜け出せない。なぜかといえば、明らかに賃金が低い労働に従事しているからだ。


ある子ども食堂で2人の小学生と食事をしていた30代のシングルマザーは、コンビニエンスストアで時給900円で働き、週末は深夜に飲食店でアルバイトをしている。週に6日働きながら、一緒に食事をしていた2人の子どもを育てている。日曜日だけ唯一の休みなので、体力を取り戻すために休息する。そのため、子どもと向き合えないともいう。家賃もかかるし、習い事の月謝やスマホ代も高く、家計は常に火の車だ。


彼女はいわゆるダブルワークであり、2つの職場を合わせても収入は手取りで19万円程度にしかならない。


これ以外に児童扶養手当、児童手当が入るが、十分な金額ではない。


本当は子どもと過ごす時間もほしいはずだし、下の子は不登校気味なので時間をかけてあげたいと話すが、その時間を取れば一家が困窮することは明らかだ。


まず彼女はコンビニエンスストアに勤めている。


コンビニエンスストア、小売業の産業自体が貧困やワーキングプアを再生産していることは執拗に指摘しておかなければならない


指摘しなければ彼女たちに申し訳が立たない。小売業、飲食業にはシングルマザーが多く、低賃金で子どもを育てている


子どもの貧困を生み出しているのは誰なのか。もう一度「子ども食堂」を名乗る前に考えていただきたい。


「企業が善意で取り組むことならば何でもやるべきだ。やらない善よりやる偽善。」など様々な声が聞かれるが、まずやるべきことはなんだろうか。僕は子どもに商品提供や企業体験をさせることではないはずだと繰り返し指摘しておく。


さらに、コンビニエンスストアのオーナーは最低賃金を割り込む賃金で働くこともあるし、アルバイトも最低賃金周辺の賃金で働いている。


そのなかには前述したように、子育て世帯の従業員も含まれている。子ども支援に取り組むのであれば、まず自社関連の従業員の処遇改善を業界全体で引き上げていくことこそ、優先すべきであろう。


ワーキングプアを構造的に発生させながら、子ども支援に取り組む姿は、火をつけながら消火活動をするような印象をどうしても持たざるを得ない。


少なくとも小売業からワーキングプアを減らす取り組みや宣言が見られるだけでも印象は違ったはずだ。








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酔生夢人
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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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