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学校側は調査を拒否 女児の両親、教諭「花マル」書き込みに「震え止まらず」
娘へのいじめに対する取材に答える女子児童の両親=12月11日、大阪市(秋山紀浩撮影)
奈良市立小学校で同級生からいじめを受けた女子児童が自殺をほのめかす言葉をノートに記した際に担任教諭が花マルを付けた問題で、いじめの調査の依頼をした児童の両親に対し、学校側が「警察ではないのでできない」と拒否していたことが11日、関係者への取材で分かった。児童の両親は同日取材に応じ、「学校が誠意を持って対応してくれず、娘は2年近くにわたり傷つき、苦しんできた」と批判した。 【写真】担任が花マルを付けて女児に返したノート 問題を巡っては令和3~4年、当時3、4年生だった児童が同級生に足を蹴られてけがをするなどのいじめを受けた。 関係者や両親によると、両親は4年2月に校長や教頭らと面談してけがの調査を依頼したが、学校側からは「(同級生が)蹴ったことを認めていないため謝罪させることはできない」「警察ではないので(調査は)できない」などといわれたという。 父親は「全く調べる気がないのだとあぜんとした。絶望に近い感情だった」と振り返った。その後も学校側とやりとりしてきたが、学校側の説明が二転三転したりと不誠実な対応が続き、不満を募らせたという。 児童は4年6月、日ごろの悩みなどを書く「自学ノート」に「わたしは死ねばいいのに」などと記し提出。当時の担任は花マルを付け「You can do it!!(あなたならできる)」と書き加えていた。これについて母親は「見たときに震えが止まらなかった」と当時の衝撃を話した。父親も「先生がこんなことを書くとは信じられなかった」と述べた。 児童の代理人弁護士が学校側にいじめが続いていることを指摘し、市教育委員会が4年11月にいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定して調査を開始。担任は聞き取りに対し、自学ノートの記述について「児童から花マルを付けてほしいと頼まれ一度は断ったが、児童に頼まれたため花マルを付け、励ます意味を込めて『あなたならできる』と記載した」と説明している。 しかし市教委がこのほどまとめた調査報告書では、児童は一貫してやりとりの存在を否定していたことから、「児童が自ら進んでそのような申し出をするとも考えがたい」と指摘。担任の対応について「仮に一度は断ったというほどの慎重さがあったのであれば、通常であれば理解しがたい文言を付すことなく、適切に保護者に説明し保護者と連携した対応を検討すべきであった」と批判している。 児童の代理人を務める三橋和史弁護士は「再発防止に向け、外部の専門家を入れるなどの対策が必要だ」と訴えた。