In Deepさんのサイトより
https://indeep.jp/the-impact-of-antarctic-ssw-on-us/
<転載開始>



めったにない異常が南極上空で起きている

「成層圏突然昇温」という現象をご記憶でしょうか。文字通り、成層圏において突然気温が上昇する現象のことなんですが、ここ数年は、北半球でよくこれが起きていました。


そして、この成層圏の気温が突然上昇する現象が「北極」で起きた際には、北半球の広範囲に信じられないほどの寒波をもたらします。


その原因は、通常、北極上空を規則正しく循環している「極渦」という大変に寒冷な大気が、成層圏の気温が突然上昇する現象によって「崩壊」して、その大気が一気に北半球に拡大するのです。



NOAA



以下の記事などでふれたことがあります。


(記事)成層圏の気温が突然上昇する現象により北極の大気循環が崩壊。これにより2月にかけて北半球に超低温がもたらされる可能性が…
In Deep 2021年1月9日


現在は世界中で猛暑猛暑と連呼されていますが、ほんの半年前までは、やはり極渦の崩壊で、アメリカなどにマイナス40℃などの信じがたい寒波をもたらしていました。


 


それでですね。


この「成層圏突然昇温」という現象がですね、


「現在、南極上空で起きている」


のです。


これは大変に珍しいことで、Wikipeida には、


> 突然昇温は南半球では滅多に起こらず、大昇温は観測されている限り2002年9月の一度しか発生していない。


とあります。


ともかく、南極で現在この突然昇温現象が起きているのですけれど、直接的な影響としては、南半球のいくつかの国に一種、壊滅的な低温をもたらしています。以下のような翻訳記事にあります。


(記事)厳しい寒波が南アフリカの農作物に壊滅的な打撃を与えている
BDW 2024年7月18日


(記事)アルゼンチンの一部で過去90年の観測史上での最低気温を記録
BDW 2024年7月11日


おそらく、これらは、南極で現在起きている突然昇温による「極渦の崩壊」の影響だと思うのですが、現在起きている南極での現象の中期的な影響と、そして、


「北半球に対しての影響」


について、気象の専門メディアであるシビア・ウェザー・ヨーロッパが解説していました。


このメディアの解説は常に大変に難解で、そして長いものが多く、今回のものも半分も理解していない状態なんですが、以下のような記述があるところに興味を持ちました。


(かつて起きた南極での成層圏の気温上昇の後)米国上空の電離層では、電子電荷の 40 ~ 80% の強力な異常が観測された。…これらの要因は地球の大気の地磁気活動に影響を与えており、その変化は検出され測定されるほど強力だった


というように、何と南極での突然昇温現象は、「地球の地磁気にも影響を与える」ようなのです。


しかも、遠い北半球にまでです。


さらには、以下のようにあります。


成層圏温暖化のような大規模な現象により、南極上空で長期にわたる高気圧異常が発生する可能性がある。


そして、その後、数週間から数か月の期間を経て、成層圏突然昇温現象の影響が北半球に現れる可能性がある


他の部分を読みますと、南半球の成層圏突然昇温と北半球の成層圏突然昇温は「連動する傾向」があるようです。


南半球の成層圏突然昇温が起きたあと「数か月」などで、「北半球にも成層圏突然昇温が起きる」可能性があるようなのです。


必ずということではないようですが、そうなりますと、今の夏が仮に暑いまま過ぎたとして、その後にやってくる冬などは一転して苛酷な寒波等が発生する可能性もないではないということと、


「地磁気の大きなレベル異常が北半球で発生する可能性がある」


ということのようで、現在の南極での層圏突然昇温は、時間の経過と共に、北半球の私たちの生活にも直結してくる可能性が高いです。地磁気の異常については、影響も複雑になりますが、その点は別の機会にということで、全般的な解説をご紹介します。


いずれにしても、北半球においても、今後、異常気象の傾向がさらに高まる可能性が高いです。