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「安倍擁護」の方の発言も見てみる

安部晋三を、日本の倫理観を破壊し、政治の論理も倫理も失わせた最悪の政治家だと思っている私だが、「民主主義など最初から存在しない」という前提で見れば、下に引用する「戦闘教師ケン」氏の安倍擁護(主に官僚支配を官邸支配に変えたことの擁護)の発言も(安倍の「国際政治」への関与しか見ておらず、安倍政治の間の国民の貧窮化を無視しているという最大の欠陥を抜きにしたら)許容できないこともないと言えないこともないかもしれないが、しかし、それでは安倍が国際政治で何か実績を上げたかと言えば、何も存在しないのである。あるのはポーズだけだ。「中国と交渉しました」「ロシアと交渉しました」それで終わりだ。そして、日本国民の税金を世界に撒き散らして「国際的知名度」を上げるだけが彼のやったことである。そりゃあ、カネを貰った国々からは「惜しい政治家を無くした」と言われるだろうww その度に日本国民は貧困化していったのである。
官僚支配を官邸支配に変えた結果は、「政治の不正に対して物言わぬ官僚」を作っただけで、伊藤詩織さん事件やモリカケサクラ事件などがその例だ。つまり、官邸支配で「法の支配」そのものが消滅したのである。これは政治の根幹の喪失である。
まあ、「戦闘教師ケン」氏はたまにいいことは言うし、博学だから一定の評価はするが、御自分が思っているより視野が非常に狭く「人間(現実に生きる人間の生活)を見る目」はゼロだ、としておく。安倍など、日本人を不幸にしたという点で、小泉と並ぶ戦後最悪の総理だろう。

(以下引用)

2020年09月01日

安倍政権をどう見るか

結局のところ、日本で健康保険制度と年金制度をつくったのは社会党ではなく自民党で、しかも岸信介だった。岸は本来、国家社会主義者で、最初は社会党に入党を打診していた。歴史のIFが許されるなら、私は「岸の社会党」に入党し、奉仕したかった。

時代を経て、安倍晋三氏は自民党でありながら、不十分ながらも「働き方改革」を進め、実質的効果はともかく首相自らが「賃上げ」の旗振り役を担った。恐らくは、他の自民党内閣では難しかっただろう。自民党政権において、新自由主義以外の視点から労働問題に取り組もうとするものは、恐らく安倍氏以外いなかったであろうし、氏以外のものがやろうとすれば邪魔が入って失敗していたかもしれない。

同様に外交面では、リベラル派からは「対米従属」と非難されつつも、客観的に見れば小泉期よりは距離を置いていたし、安倍氏自身は親台派でありながら、中国との関係改善に力を尽くし、誰もが嫌がる日露外交を進めようともした。
特に日露外交における「四島返還論」からの脱却は、「敵対を目的に、相手が絶対にのまない要求を繰り返す」という日本外交の悪しき伝統を止めた。最終的には、ロシアでプーチン大統領の求心力が低下し、日本では外務省が徹底的なサボタージュを行ったために、交渉が前に進まず、停滞したまま終わってしまったが、これも安倍氏以外にはできなかっただろう。そもそも、サンフランシスコ講和条約や日ソ共同宣言などによって、日本は領土要求を行わない約束をしていただけに、共同宣言に無い択捉と国後の要求は、国連憲章の敵国条項の適用が求められるかもしれない、危険極まりないものだった。

この点、河野氏やリベラル野党が政権に就いた場合、より対米従属が進み、自衛隊の海外派兵が加速、中国・ロシアとは関係悪化が進む蓋然性が高い。リベラル派が要求する「中露との敵対」は、米英への傾斜を深めるか、戦前並の武装自立を進めるほか無いからだ。大アジア主義者の私としては、容認できない事態になるだろう。
連中の要求は、米英と連携を強化して、「中露同盟」と真正面から対峙するというものだが、その場合、日本は地理的に否応なしに最前線に立たされることになり、最も強い圧力と負荷がかかることになる。日本は軍事・外交コストが極限まで上げざるを得なくなるが、そこから得られるものは非常に少ないだろう。中国市場を失って、東シナ海を危険にさらし続ける形は、長く保たない。
もはやイデオロギー外交からは脱却し、権威主義国家と共生する形を求めるべきであり、それは敵対関係になってからでは遅いのだ。安倍氏はその辺を追求し、一定の成果を挙げたものの、完成させるまでには至らなかった。

一方で安倍政権の長期化により腐敗体質が蔓延し、官僚制も形骸化と硬直化が進み、公文書制度も無力化しつつある。腐敗の問題は否定しようがないが、これは自民党とKM党である限り、避けられないもので、長期政権だったが故に腐敗の規模も大きくなった面もある。
だが、内閣人事局の設置は、内閣・国務大臣の指導力を強化し、政策遂行の円滑化を進めることが目的だった。
民主党政権において、様々な政策が霞が関官僚の抵抗によって、あるいは挫折し、あるいは骨抜きにされたことが、直接的な原因だったと考えられる。従来の制度では、大臣が命令しても官僚側でどうにでもできてしまう傾向があったからだ。
この新制度が無かったら、そもそも日露外交の方針転換など不可能であったろうし、習近平主席の訪日(延期)も、外務省のサボタージュによって実現しなかっただろう。
自民党の腐敗体質を問題にするなら、選挙において自民党に投票しなければ良いだけの話だが、現実には有権者の約半分が投票を拒否し、半分の半分が自民党に投票することで、自民党政権が成立している。デモクラシーを至上の価値と言うなら、これをどのように説明するのか、ご教授願いたい。

特定秘密保護法や平和安全法制(集団的自衛権の行使解禁)については、民主党の菅・野田政権下で検討が始まったものであり、消費増税も民主党政権が決めたものだった。その意味で、「民主党政権が存続していたら」という仮定はほぼ成立しない。
以上が、ケン先生の安倍政権に対する評価である。

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