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「共和制(republic)の謎」

私はいつも「共和党」という言葉を聞くたびに、「共和」とか「共和制」の定義は何なのだろうと戸惑うのだが、もちろん辞書で何度か調べてはいるがまるで覚えきれないのだ。
アメリカでは「民主党」と「共和党」の二大政党があるが、その違いも分からない。単に、民主党はリベラル的・進歩的(改革主義的)で、共和党は保守的な印象がある程度だ。前者は無神論的で後者はキリスト教を護持している印象もあったが、それも今は怪しい。前者の支持層は文化人が多く、後者は経済界に支持者が多いという印象もあるが、最近のIT産業では民主党支持層が多い気もする。まあ、要するに、さほど明確な区別はないということだ。それでいて「二大政党制」を標榜しているのもおかしいと言えばおかしい。
で、改めて辞書(三省堂「新明解百科語辞典」)で調べてみて、なぜ「共和(共和制)」という言葉がこんなに毎度毎度頭を悩ませるのかという疑問が解決した。下の赤字部分に注意。

共和制:(republic)世襲による君主制に対し、主権が複数者にある政治形態。国家元首や人民の代表者を間接・直接に選出し、主権が人民にある民主的共和制と、少数特権階級にある貴族的共和制・寡頭的共和制などがある

つまり、アメリカや日本、いや、ほとんどの「民主主義」を標榜する国は「偽装民主主義」であり、実は「主権が少数特権階級にある貴族的共和制・寡頭的共和制」だったのだ。その少数特権階級とは「財界人」である。彼らは政治だけでなくマスコミも手中にしている。

「共和制」という訳語もダメダメだと思うが、republicという言葉もかなり怪しいもので、 reは「後に、戻す」意味の接頭辞だが、publicを後に戻すとはどういう意味か。いったん「公(public)になったもの」を後に戻せば、王侯貴族の手に権力が戻るわけだwww (もちろん、「公」の手に権力を戻すとも解釈できるが、民主主義思想以前に民衆が権力を持っていたことはないのだから、民衆は主権を「取り戻した」わけではなく、「奪取した」のである。まあ、王侯貴族と民衆とどちらが「公」かと言えば、当然、民衆の側だろう。)確か北朝鮮も「共和制」で、今や一種の王朝である。
結論を言えば、アメリカの共和党は「民主主義を心の中では否定している」人たちが作った政党だろう。確か、独立戦争の時にも王党派(英国支配支持者)がいたが、その後裔が共和党ではないか。つまり、何としてでも「民主主義」を思わせる党名にしたくなかったから「共和党」という変な名前にしたのだと思う。もちろん、共和党も表向きは民主主義である。しかし、「一般大衆による支配(人民による政府)」という民主主義を信じている上級国民はいないだろう。
一般民衆ですらそれ(人民による支配)を「社会主義だ」「共産主義だ」と否定するのが常である。つまり、奴隷自体が奴隷制(上級国民による支配の階級社会)を支持しているww まあ、豚自体が肉屋(権力者)になることはほぼ不可能だ、とは言えるが、何も肉屋を支持することはない。
要するに、哲人統治以外にまともな政治は不可能だろう。政治家や官僚に下種や無能しかいない社会で民主主義が機能するはずがない。



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