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脳内世界と現実世界

「つぶやきコミューン」から抜粋転載。
頭の中の世界の方が現実の世界より現実的であるという人間が現実と接触するとこうなる、という例である。
彼のような人間は、コミュニケーション能力絶対主義思想の現代では「人格障害」とされるわけだが、私などは、自分も同じであるだけに、こういうのも個性だと思うし、当人が頭の中で幸福だと思うなら幸福な人生だと思う。

何億円のカネを得ようが、世界を征服しようが、無数の美女と寝ようが、頭の中が俗物ならくだらない人生である。毎度言うが、どんな名家や金持ちの家に生まれようが、安倍や麻生の人格を持ってこの世に生まれることほどの不幸は無い。
二十代で脊椎カリエスにかかり、三十代で死ぬまで病床にあった正岡子規の人生は、アレクサンダーやシーザーやロスチャイルド一族などの人生の数万倍の価値がある。


(以下引用)







トルストイに憧れ、莫大な遺産は若い芸術家らに分与し、田舎でのロハスな生活を送りながら、生徒に聖書を教えて過ごすことを夢見たヴィトゲンシュタインだが、実際の教師生活は思いどおりにならなかった。生徒との距離感がうまくつかめなかったのだ。彼の授業のスタイルは、体罰も当然の古い授業スタイルであった。そのため、結局は体罰問題が表面化し、教師を辞める羽目になる。



 



 学校の外では、子供にも村人にも無関心だった。生徒に道で出会って挨拶されても、知らん顔。そのくせ生徒には挨拶を強要した。挨拶しなかったら、ビンタをくらわせていた。(…)


 えこひいきも激しかった。エンゲルベルトとかビンダーとかレオポールトなど勉強のできる数人には、ギムナジウムに進学させるために、無料で特別に補修していた。お菓子やパンをほうびにして。(…)


 一〇時に終わる授業が一一時や一二時まで延びることもあった。生徒にとっては学校なんて、仕方なしに通う場所だから、とても迷惑だった。


 ヴィトゲンシュタインは勘定をコントロールするのが苦手だった。すぐ興奮して、汗をかき、鼻を鳴らし、ハンカチをギーッと噛んだかと思えば、自分の眉のうえに跡が残るほど強く爪を押しつける。そういう自虐は、まだご愛嬌だった。


 アンナ・ブレナ~は、むずかしい宿題がよくできていたので、黒板で計算問題を解くように言われた。けれどもアンナが解けなくてまごまごしていると、たちまち平手打ちが飛んできた。(解説)



 



ヴィトゲンシュタインの小学校教師への転身は、居場所を求めてだったが、居場所を見つけることができなかった。そんなヴィトゲンシュタインのふるまいを、精神科医の福本修は発達障害の一種であるアスペルガーの視点からとらえようとする。



 



 ヴィトゲンシュタインはアスペルガー者で、「心の理論(theory of mind)」がなかった。相手の意図を理解したり、相手の視点を共有したりすることがなく、自分の心の状態を相手に伝えることをしない。ふるまい(事象の状態)と心理(心の状態)の関係が予測できない。自分の視点を他人の視点に転換できないので、相手の立場に立って意味を理解すrことができない。


 正しい行為に極度の関心をもつのはアスペルガー者の特徴である。ヴィトゲンシュタインは、その時々の「倫理的意思」で動いているが、戦場では他の兵士たちにうんざりし、学校では生徒にうんざりする。兵士になる・教師になるという外的な出来事にこだわったけれど、自分がやろうとしていることの実際を知らず、現場で柔軟に適応・対応できなかった。(「解説」)







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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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