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「赤」とは何か

3つ目は国民に対する不信感。少数民族や共産主義者の反乱を警戒するあまり、国軍は長年、市井の人々に疑いの目を向けてきた。


これは「徽宗皇帝のブログ」に載せた記事の一節だが、政治支配層にとって共産主義というのは恐怖の対象である。だから全力を振り絞って共産主義弾圧をしてきたわけだ。
そして、「国民敵視」というのも、上層国民の共通性である。なぜなら、彼らの力(財産)は国民からの富の収奪が基盤だから、国民が彼らを敵視するだろうと恐れているからである。つまり、国民への自らの恐怖を転写したのが彼らの「国民敵視」であるわけだ。それを象徴するのが「アカ」という言葉だ。自分たちを倒す恐れのある存在はすべて「アカ」と呼ばれるだけのことで、そこには本来の共産主義とは無縁の人々も含まれるのである。
下に、清沢冽(きよし。本当はサンズイ)の「暗黒日記」の数節を載せる。最後の「右翼化した左翼だ」は笑わせる。いったい、右翼とか左翼とかの定義は何なのか。上級国民の地位を脅かす「革命」を彼らは恐れるだけで、実は右も左も関係ないのである。(右翼は基本的に現体制を守るものであるが、その守るべき対象がそれぞれ異なるわけである。226の反乱将校たちは資本家を倒すことが皇室や国民のためである、と考えていたフシがある。では、太平洋戦争時の国家官僚は左翼だったか。資本家にとって都合の悪い「国家統制」を「赤」と呼んでいたわけだ。)

(以下引用)

同君(夢人注:半沢玉城。外交時報社長)は現在を「赤」と資本家の戦いなりといい、その旨、三菱本社に行って、話したという。資本家の不満は甚大だ。小林一三氏が官僚の赤化をいうに顧みても、彼らは非常な反感を有している。

資本家側が、現時の官僚を赤と呼ぶものが多い。小林一三氏がそうであり、半沢玉城がそうだ。

今朝の新聞では、株式取引所が官営になったことを報ず。国家社会主義ますます進行す。資本家側より共産化云々の批難出でん。

実業家は全体として、現在の統制を「赤」であり、その指令によって動いていると固く信じている。

戦争の深化にしたがって「革命」的徴候を見る。すなわちそれは「赤」である。小山亮という代議士の如きはその典型だ。右翼化した左翼だ。






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