この場合の医者の「呼吸器止めてみますか」は、明らかに脅迫だろう。患者の「止めてみろ」も、売り言葉に買い言葉であり、それに対して呼吸器を2分間止めたのは殺人未遂である。
とにかく、患者が咽喉を切開しての呼吸器装着に同意しなかったのだから、医師がそれを強行しようとしたのは医師の越権行為だと思う。
患者の生命は自分(医者)次第という、医師の全能感のもたらした犯罪行為とみなすべきだろう。もちろん、医師の側から言えば、患者は医学に関して判断能力(資質)が不足しているのだから、患者は医師の判断に従うのが当然だ、という気持ちだろうが、無知だろうが何だろうが、自分の身体や生命に関する決定権はその当人にある、というのが社会のモラルと法律の大前提だろう。ただ、思考力と知識がゼロに近い幼児の場合にそれを大人が保護するだけだ。患者は幼児ではない。
(以下引用)
「止めてみろ」「ほな止めましょ」 医師が患者の人工呼吸器を一時停止 大阪府立病院
大阪府立病院の医師が、人工呼吸器の装着方法の変更に同意が得られなかったことをきっかけに、新型コロナ患者の人工呼吸器を一時的に止めていたことがわかりました。 「(患者の)同意がないままに気管切開をやっている。これって絶対犯罪だと僕は思う」こう話す木野正人さん(71)。 木野さんは、2021年3月新型コロナで重症になり、大阪府立中河内救命救急センターに入院しました。 病院の倫理委員会の報告書などによると、木野さんは口から管を通す人工呼吸器を使っていましたが、男性医師(40代)は、細菌感染を防ぐためにのどを一部切り開いて気管から入れる方法に変えようと提案しました。 木野さんがこの提案を拒否すると、医師は筆談で「呼吸器止めてみますか」と尋ねました。木野さんが「止めてみろ」と返答すると、医師は「ほな止めましょ」と応答し、人工呼吸器をおよそ2分間止めたのです。 木野さんは呼吸の状態が悪化しましたが、呼吸器の再開後に回復しました。 病院の報告書では、「故意に苦痛を与える行為であり違法行為に該当しうる。重大な倫理違反がある」とし、病院は医師を戒告の懲戒処分にしました。 鎮静剤を打たれたことなどで入院当時の記憶があいまいだった木野さん。事案発生から1年9カ月がたった去年12月、関係者から匿名で病院の報告書が届き初めて入院当時の詳しい状況を知りました。 【木野正人さん】 「(病院は)どうしても隠ぺい体質になってしまいますから。(情報公開の)基準をきちっと国が決めないと、同じことが何度も起こると思う」 木野さんは、傷害の疑いなどでの捜査を求め、警察に被害届を提出しています。 大阪府の吉村知事は「隠すような話ではない。病院はしっかりと事実関係を明らかにしていくべき」との考えを示しています。

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