厚生労働省は9日、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた医療従事者9人が、重いアレルギー症状のアナフィラキシーとして報告されたと発表した。国内でこの症状の報告は計17人となった。厚労省は今後、専門家の意見を聞き、接種との因果関係を調べる。
厚労省によると、9人は20~50歳代の女性。8日に接種を受け、30分後までを中心に、かゆみ、息苦しさ、吐き気などの症状が出た。投薬を受けるなどして全員症状は改善したが、経過観察のため少なくとも5人が入院。うち40歳代の女性は、入院して症状が治まった後、再び発症した。医療機関からの報告では9人とも接種と「関連あり」とされた。
9日までに国内で接種を受けた人は計10万7558人。アナフィラキシーと報告された17人は全員が女性で、厚労省の有識者部会で部会長を務める森尾友宏・東京医科歯科大教授は「アナフィラキシーに該当するかも含めて評価が必要」とするコメントを発表した。