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燃料プールだって頑張っている

「阿修羅」から転載。

半ば崩壊した燃料プールの状態について、仏の物理学者、ジャン・ルイ・バデゥヴァン氏は「まるで精神力のみによって支えられているかのようにみる」と評する。

だそうである。
私の母は、「見ぬもの清し」という皮肉をよく言っていたが、今の日本国民の大半は福島原発に対しては、直視するのを避けて、日常の仕事や娯楽の中に精神逃避しているのではないだろうか。「(現実に)目を閉じさえすれば、生きるのも楽さ」というわけだ。
もちろん、10万人だか20万人だか集めた総理官邸前デモによっても何一つ変わらない現実を見れば、国民大衆が無力感に捉われるのも無理はないのだが、自分だけのためならともかく、自分の子どもや孫だけでなく、未来の子供や孫のためにも、このまま敗北主義に陥ってはならないだろう。
毎度毎度同じ言葉で申し訳ないが、「絶望の虚妄なること、希望に相同じい」であり、空想的な希望も馬鹿馬鹿しいが、絶望はそれ以上に馬鹿馬鹿しいのである。

「絶望之為虚妄、正与希望相同」*「為」は「たる(たり)」という助動詞、「与」は「と」という助詞。「絶望の虚妄たる、まさに希望と相同じ」が直訳。(魯迅「希望」より)


(以下引用)


「福島原発最悪の事故はこれから 日本は滅亡」仏誌 (とある原発の溶融貫通(メルトスルー)) 
http://www.asyura2.com/12/genpatu26/msg/883.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 9 月 02 日 19:57:59: igsppGRN/E9PQ

「福島原発最悪の事故はこれから 日本は滅亡」仏誌
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/6579431.html
2012年09月02日19:20 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)

■事故は収束していない むしろこれから
政府が安全宣言を出した福島第1原発について、フランスの有力誌「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」が「最悪の事故はこれから起きる」とする告発記事を掲載した。

■現代日本が滅亡する
「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」誌は独の「シュピーゲル」誌などと並び称される仏の有力誌。先月掲載した記事の中で、福島第1原発がいまだ抱える破滅的な危険性を暴露した。
同誌が問題視するのは、福島第1原発4号機。264トンの使用済み核燃料を貯蔵するプールが設置されているが、地上30mにあるプールには、屋根も壁もなく、ただ白い防水シートに覆われているだけだという。

新たな地震や台風などで倒壊、あるいは水漏れをおこし、燃料棒が直接空気に触れる事態になれば、チェルノブイリ事故の10倍、2011年3月の爆発で漏れた分の60倍にあたる膨大な量の放射性物質が飛び散ることになる。
京都大学原子炉実験所に所属する小出裕章氏は、少なく見積もっても広島に落とされた原爆5,000発分に相当すると試算する。
同誌は科学技術振興機構(JST)の元理事長、北澤宏一など、同施設のデータを分析した専門家を取材。北半球全体が長期にわたって深刻な汚染にさらされ、現代日本は滅亡する、と指摘する声を伝えた。

■日本より世界が心配する危機的状況
半ば崩壊した燃料プールの状態について、仏の物理学者、ジャン・ルイ・バデゥヴァン氏は「まるで精神力のみによって支えられているかのようにみる」と評する。
この事態の危険性を日本の政府やマスコミはいっさい伝えないが、欧米諸国では早くから危惧されてきた。米上院、エネルギー委員会の有力メンバーであるロン・ワイデン議員は昨年6月、ヒラリー・クリントン国務長官に深刻な状況を報告した。
「福島第1原発4号機の冷却用プールが崩壊すれば、放出された放射性物質が数日のうちに米西海岸に到達する可能性がある。米国にとっても安全上の大きな問題」というもの。
東電は4号機プールの床を補強して安全宣言を出したが、この声明には、どのくらいの震度までなら耐えられるのかなど、具体的な説明はいっさい含まれなかった。
その後、今年5月になって、レーザー測定器による耐震強度テストなどをおこない、「東日本大震災と同島の地震にも耐えうる」と東電は発表した。
この宣言について、もっとも慎重な専門家とされる放射線防護原子力安全研究所(IRSN)の安全課所長チエリ・シャルル氏は否定的な見解を示している。「Enviro2B」誌の取材に対して、「冷却用プールが耐えられるのは小さな揺れだけ」と語ったのだ。

■解決策は誰も知らない
こういった事態を打開するため、東電も模索を続けている。燃料棒を取り出し、安全な場所に保管するため、7月18日には試験的に燃料棒2本を取り出してみせた。
ただ、264トンもの燃料棒を取り出すには、まず高さ70mのクレーンを設置する必要があり、この建設完了は早くても来年末になる予定だ。
さらに取り出した燃料棒の行き先も決まっていない。地下に埋蔵するしかないのだが、ようやくその候補地を探し始めた段階で、決定には数年を要するとみられる。
解決策が判明して危機が去るまで、いったい何年かかるのかはまったく不明だ。その間、大きな台風や地震が来ないよう、ひたすら祈るしかない。

◆Le Nouvel Observateur
http://tempsreel.nouvelobs.com/

(税金と保険の情報サイト)
http://www.tax-hoken.com/news_ahjqkZ2maQ.html
================================================
こういう情報を見るとすぐに「煽り」だと片付けてしまう人がいますが,誰一人として解決策を知らない大問題が現在進行中だということは事実です。

もう少し心配したほうがよいと思います。
 
  拍手はせず、拍手一覧を見る


コメント
01. 2012年9月02日 20:30:45 : JlhOElFGlE
1~3号機のプールにもほぼ同じ量の燃料がある。
原子炉が錆びて崩壊するのは時間の問題で、そうなったらどうやっても燃料を取り出せないだろうな。

02. 2012年9月02日 20:33:28 : 5uvl0AM6Ng
>「福島第1原発4号機の冷却用プールが崩壊すれば、放出された放射性物質が数日のうちに米西海岸に到達する可能性がある。米国にとっても安全上の大きな問題」
4号機の冷却用プールが崩壊すれば、おそらく東電は3号機のときのように水で海に洗い落とす作戦に出るのではないか?
こうすれば、国内の大気に飛散する恐れは激減するだろうが、太平洋の汚染はさらに深刻化する。

03. 2012年9月02日 20:47:13 : NNtZLUTfac
3号機プールにあったのはみんな吹っ飛んでんるんでしょ。
燃料棒がそこらに散乱してるって。
その実態がいまだにわかってないのってどうなのよ。
4号機のこと言う前に3号機のことはっきりさせてもらいたいんだ。
あんなの飛び散っても局地的なとこ以外大したことないんじゃないの?

04. 2012年9月02日 21:01:20 : FUI5AUpSOM
純然たるえ煽りじゃねえか。
さすが肥たご運び屋の赤かぶが持ってくる記事だけのことはある。
早速肥溜め村の半きち=知恵遅れどもが新肥にたかってくる。

05. 2012年9月02日 21:07:53 : yfiMxxDVyY
3000人が作業する福島原発。それにもかかわらず
漏れ伝えられる情報を冷静に分析しても、事態は何も改善せず単に水をかけ続けているだけのようだ。循環のパイプは仮設でしょっちゅう破れている。
遮水壁の建設も4号機の根本的な補強も全くなされていない。原発に関して日本の技術力も建設能力もこんなにみじめなものだったとは情けない限りだ。

06. 2012年9月02日 21:33:13 : iQinVlOl1c
あと4号機から50メートルも離れない位置にある共用燃料プールの6400本もお忘れなく。津波で冷却装置が故障したまま、水温や水位の変化を把握できなくなっている。

07. 2012年9月02日 21:41:55 : OdLN5rghh2
今すぐ原発を廃炉にして、今すぐ高線量地域の生殖可能年齢以下の人々を避難させて、健康に生き延びられる日本人を一人でも多く残すことが大事なことだと思う。


08. 2012年9月02日 21:51:05 : ZOMaASCDCo
フランスさん人事じゃないよ。
日本は、原発止めても影響ないが、事故で原発が止まるとフランスの方が影響が大きいよ。


09. 2012年9月02日 22:58:32 : 5ZvmVUcoHA
元記事
http://tempsreel.nouvelobs.com/l-enquete-de-l-obs/20120822.OBS0162/enquete-fukushima-et-si-le-pire-etait-a-venir.html


10. 2012年9月02日 23:52:24 : BPRAL8Ra7w

 だから 中国か ロシアか 朝鮮が 軍事侵攻して
 日本を占領し ただちに解決ないと
 世界は破滅するわけだ
 頭狂電力や 放射脳の キチガイ政府では
 どうにもならない

11. 2012年9月03日 00:05:35 : 5ZvmVUcoHA
>>10については、事故当日にアメリカ大使が官邸を訪ねた時に
菅が米国に宣戦布告し、ただちに降伏すれば日本はアメリカ占領下に入り
もっと優れた事故処理ができた可能性は指摘されている。

12. 恵也 2012年9月03日 00:15:05 : cdRlA.6W79UEw : pazXOqqUSs

>>05 原発に関して日本の技術力も建設能力もこんなにみじめなものだったとは情けない限りだ。
日本の原発技術力ってアメリカ技術のコピーに過ぎないよ。
優秀だというのは原発マフィアの自己満足だ。
世界が諦めた高速増殖炉もんじゅも、フランスに比べてもはるかに下。
再処理工場もいまだに動いてないでしょう。
たしか予定建設費の3倍くらい使って、10年くらい遅れてるのじゃないかね。
こいつらには自由競争もないし、殿様商売をやってる連中で技術力ゼロ。
俺は先進国では最低だと思ってる。
ーーーー引用開始ーーーー
主要先進国はすべて増殖炉開発に見切りをつけて中止しました。
http://www.geocities.jp/tobosaku/kouza/fbr3.html


13. 2012年9月03日 00:39:53 : aT9tG7aYrY
優れた情報収集能力と分析力を誇る財閥系企業グループは、もはや日本は滅亡すると踏んでいるのではないか。これまで、モノづくりを使命とするメーカーが、工場を海外に出しても企画、開発、設計業務は日本国内に残していた。それが、根本の頭脳といえる部分まで東南アジアや台湾に移転しつつある。具体名は書かないが、技術開発の根幹まで国外に移管している。日本国内の動揺を抑えるために、国内向けには別の言い訳を用意している。
これらのメーカーの技術者が、最近海外出張が多いと言っていた。メーカーが持てる技術の全てを移すみたい。一方で国内回帰を宣伝する企業もあるが、彼らは情報収集力や分析力が欠如している。決断一つで会社の運命が決まる。具体名は書きませんが、大体分かるでしょ。

14. 2012年9月03日 01:47:23 : pPJ5gJb78A
>>04
>純然たるえ煽りじゃねえか。
世界一の原発推進国フランスの有力誌が掲載した記事ですが、何か?
これから百万人単位で人が死んでいく。
農水産品のみならず工業製品まで汚染を嫌われて輸出できなくなる。
貿易国日本から輸出をなくしたら何が残るのか。
自給自足の江戸時代レベルに戻るしかあるまい。
しかも食糧はひどく汚染されているので、江戸時代よりはるかに惨めな状況になるだろう。
現代日本は滅亡するという指摘は正しい。

15. 2012年9月03日 02:19:27 : HDySYr7wos

20120525 報道ステーション・徹底検証:福島第一原発4号機
http://vimeo.com/42850195
「溶けるかどうかはわかりません・・・」
ハハハハハ。


16. 2012年9月03日 02:30:31 : Ghz6ukhshg
>>06
>あと4号機から50メートルも離れない位置にある共用燃料プールの6400本もお忘れなく。
まだ隠し玉があったのですか? 東電の隠蔽にはまったくあきれ果ててしまう。
国家存亡のときだ、国民の生命、財産を守るべき自衛隊の任務の範疇です。

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なぜ喫煙は迫害されるのか

「雇用問題と健康問題」あるいは「国内問題」や「日々の雑感」をこのブログでは扱おう、というのが大体の方針だが、私は方針を立てるのは好きだが守るのは嫌い、と言うより義務となると何でも嫌いなので、立てた方針もあまり意味が無い。
計画するのは大好きなのである。自分のことだけでなく、国家百年の大計、なんてのも考えるのは好きだ。まあ、「白昼夢」に耽るのが好きなのだろう。
そういう人間の夢想だから、私の文章に実証性や正確さを求めてもらっては困る。ただ、世間にはあまりに真面目すぎる人間が多すぎて息が詰まるので、私のようなルーズな人間もその毒消し効果くらいはあるだろう。真面目な人間の困ったところは、他人にまでその真面目さを強要するところで、それが日本の地獄化の一因だと私は思っている。
私は権威とか定説とか常識というものをほとんど信じていない。権威というのは他人を恐れ入らせるための芝居であるし、定説とは「現在有力な仮説」でしかないし、常識とはその地域でのみ有効な便宜的知識でしかない。進化論もビッグバン理論も私にとってはただの仮説だ。ところが、それが権威となり、社会的圧力になるから問題だ。
全世界的禁煙運動なども私が疑わしく思っているものの一つである。なぜ、これほど根拠の怪しげなものが、これほど全世界的な広がりを持って強制されているのか、と考えればここには何かの裏事情がある、と考えるのが私流の考え方だ。
それが何かは分からない。確かに喫煙は体に害はあるだろうが、「副流煙の被害」と言われると、それほどのものか、と思う。まあ、女性などが煙草の匂いがカーテンに付くのが嫌い、という気持ちは分かるが、煙草の精神的効用を考えれば、煙草呑みの権利は守るべきだと私は思っている。もっとも、煙草のもたらす鎮静効果はただの深呼吸の効果と煙草の匂いの効果なのかもしれない。煙草の匂いがいい匂いの一つだというのは確かだが、それも嫌な臭いと思う人もたくさんいるだろうから、強いて言い張る気はない。
煙草と肺癌の関係については、下の記事にあるように、(グラフのコピーができなかったが、喫煙人口がどんどん低下しているのに肺癌による死亡者数はどんどん上がってきているというグラフだ)どうも相関関係は無いようだが、まあ、肺の中にタールを付着させるのが体にいいはずはないだろう。大麻解禁になれば、煙草よりも健康的に瞑想的気分になれるかもしれないが、今のところは日本では大麻は吸えない。となれば、合法的に瞑想的気分になるには禅でもするのが一番だろうか。私の見る煙草の効用とは、「簡便に瞑想的気分を与えるもの」なのである。
昔から小説中の名探偵の多くがパイプ煙草などを嗜むのはその故である。



(以下引用)



2012/9/1


「科学者テスト・・・自分は科学者になれるか?:武田邦彦氏」  その他

科学者テスト・・・自分は科学者になれるか?:武田邦彦氏

「tabacowosuutosinanaitdyno.226-(7:35).mp3」をダウンロード

最近、ある若手の技術者を対象にした教育をしたときに、おもしろいことがありました。それは「タバコと肺がん死のグラフを見て、どのようにデータを解釈するか」という出題です。





グラフは単純でここに示したもので、データは紛れがない単純なもので、このグラフに載せた「肺がん死の数」も「喫煙率」もよく知られたもので反論はありません。このグラフを見て、次のどのような反応をするかで、自分が科学者になれるかが分かると私は教育を通じて感じました。

1) ムカッとくる、
2)変なデータだと思う、
3)ウソだと思う、
4)点線のところなどが気になる、
5)寿命が延びているから、その影響があると思う、
6)喫煙率が下がると肺がん死が増えると理解する。
7)タバコを止めると肺がんになるのだなと思う。
教育をした私の感じとしては、1)から3)のように感じる人は自然科学を選ばない方が良い人、4)の人は技術者になっても成功しない人、5)は何とか技術者になれる人、そして6)と7)は技術者として成功する人のようです。

ムカッとくる、つまり1)番の人は科学者には不向きです。学問というのは「心」が入らないようにして、確実な事実と明快な論理で構成されるものですから、そこに「心」や「先入観」が入っては成功しません。

タバコに関しては多くの人がいろいろな「感情」を持っています。煙が嫌い、火事の心配、汚らしい、図々しい、かっこいい、大人の雰囲気・・・などです。でも、データを見るときに「頭」と「心」を分離できるのが科学者ですから、どうしても感情が入るという人は科学の道は止めた方が良いでしょう。

また、「ウソだと思う」という3番ですが、これも不適切です。つまり、データを見るときにはまずは信頼できるデータを見ることですが、喫煙率と肺がん死の関係はこのデータしか日本には無いのですから、「ウソ」であると言うことになると、他にデータが無ければならないことになります。

このような時「ウソ」という感じを持つのは、「自分の先入観と違う」という事です。先入観の方がデータより重要であると考える人は技術者にはならない方が良いでしょう。科学は常により真実に近く、より新しいデータを求めるものです。そして科学者の辛いことはこれまで10年間以上の信じてきたデータでもある時点からそれが間違っていることを認めなければならないことがあります。その時に「自分を捨ててデータを採る」という苦痛を克服しなければならないからです。

・・・・・・・・・

科学の経験が深く、謙虚な気持ちで観察をしたいと思っている場合、データに接したときに、それまでのすべての知識、先入観をいったん横に置いて事実を見ます。それは「学問は進歩する」、あるいは「今、正しいと思っていることでも覆ることがある」という確信です。だから、たとえ「タバコを吸うと肺がんで死ぬ」と考えていても新しいデータをまずは素直に見る習慣がついています。

さて、このグラフはあまりにも傾向がハッキリしていて、「喫煙率が下がるほど、肺がん死が増える」ということですから、もし他の原因がなければ「タバコを吸うと肺がん死が防止できる」、あるいは「タバコを止めると肺がん死になる」ということを意味しています。でも、そこまで一気に行くことができる人も少ないと思います。

・・・・・・・・・

ところで、厚労省の報告などを見ると、「タバコを吸うと何倍、肺がんにやりやすい」などという数字が多く出てきます。それはどこのデータでしょうか。たとえば1990年に肺がんで死んだ人が4万人います。この時の喫煙率は約60%ですから、肺がんで死んだ人の内、タバコを吸っていた人が60%なら、タバコを吸っていても吸っていなくても肺がんになる比率は同じということになります。

しかし喫煙してすぐ肺がんで死ぬわけではなく、肺がんで死ぬ人の多くは20年ほどタバコを吸っていて、70才で肺がんになるというようなケースですから、20年前の喫煙率というと、1970年ですからほぼ80%となります。だから肺がんで無くなった人の80%がタバコを吸っていたとすると、「タバコと肺がんは関係がない」ということになります。

つまり、ここに示したような「真逆」なデータが有る限り、ある少数のデータで「タバコを吸うと肺がんで死ぬ」という結論を出すためには、全体の傾向を否定するような強力な証拠が必要ですし、なによりそれが公開されていることです。厚労省のデータは生データ、整理の仕方、判定基準などなにも書いていないのです。特に厚労省の天下り団体で「健康促進団体系統」のパンフレットなどには、結論だけが書いてあってまったく科学の判断ができません。

ある国の委員会で委員の一人が素データを求めたところ、「禁煙に反対する人にはデータを見せない」と言われたという有名な事件があります。反対する人にこそデータをよく説明し、納得してもらうのが学問の手順ですが、それをしないということは政治であって学問ではないということを証明しています。

「喫煙を禁じる」というのは日本国憲法で定められた「基本的人権」に抵触するのですから、かなり精密なデータと整理が公表されることが必要です。日本国は科学技術立国で技術者が250万人もいるのですから、充分な説明をして国民的な合意をえることが国の義務でもあります。

(平成24年8月28日)

武田邦彦

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奨学金地獄

「村野瀬玲奈の秘書課広報室」から転載。(姓が「村野瀬」で名が「玲奈」らしい)
奨学金制度が貧困ビジネスの一つ、つまり貧乏人から金を巻き上げる営利事業になっている、という現状をレポートした記事の一部である。
まあ、資本主義とはすべてを金に換算する制度、とも定義できるわけで、慈善の意図で始まった制度もやがては金儲けの制度になっていくのは自然の流れだ。
そのうち親子関係も友人関係もビジネス化するかもしれない。いや、一部の親は子育てを、子供を育てて、その子供に自分の老後の面倒を見させようというビジネスとして捉えているかもしれない。子供の方もそう考えているとすれば、親子関係は、子供が物心つくと同時に破綻するのも当然だ。
友人関係も「ギブアンドテイク」のビジネスならば、相手に利用価値が無くなれば赤の他人になるのも当然である。
話が現代人間関係論になったが、すべてが金に換算されるというこの社会の根底を変えることは難しい。ボランティアという「無償の行為」さえも「政府や企業の経費節減」のために利用される有様だ。とにかく、金は魔物である。と言うよりは金は人間を魔物にする、と言うべきだろう。金自体には罪はないが、人間の過度な欲望や恐怖、不安が人間に金を神格化させる。
なぜ大学に行くか、と言えば、「職に就くため」である。高卒ではほとんど仕事が無いからだ。しかし金が無いと大学に行けないから金を借りる。つまり、「将来の金を得るために、今金を借りる。その借金の利息が膨らんで、将来の貧困生活が確定的になる」というのが奨学金地獄である。かと言って、高卒のまま社会に出れば、そこにも貧困生活が待っている。まさに「進むも地獄、止まるも地獄」だ。
こういう社会を作ってきたのは誰か。
あなたであり、私である。
国政選挙でのこれまでの無責任な投票行動が、今の日本を作ってきたのだ。
もちろん、奨学金地獄は、今の日本の「格差地獄」の一例にすぎない。金の有り余る連中にはまったく無縁の別世界の話である。まさに黒澤の「天国と地獄」だ。あの誘拐犯がスラム街から仰ぎ見た豪邸の姿が今の「99%対1%」の1%の象徴なのだ。
もちろん、正当な競争の結果、1%と99%に分かれたのだ、1%を羨望したり憎んだりするより、自分が努力しろ、と1%の連中は言うだろう。
はたしてそうか? 競争は正当に行われているか?
真面目に努力すれば望む大学に進め、望む会社に就職でき、望むように正社員になれ、望むように出世でき、望むように定年まで勤められ、望むように年金がもらえるか?
それが高度成長期末期までの黄金時代の話でしかないことを誰でも知っている。
日本人が稼いだ金は他国に吸収され、一部の人間に吸収され、日本人は働いても働いてもその大半は非正規社員として貧困が運命づけられている。そういう社会で公正な競争がありうるだろうか。当然ながら、わずかな果実は一部の人間によってあらかじめ独占されているはずだ。そのおこぼれをめぐって死闘を繰り返すのが貧民である。
だが、なぜそうなったのか。
なぜ高度成長期の日本、「一億総中流化」の日本は消えたのか。
それが意図的バブル崩壊と、国際金融家による日本資産収奪、日本から米国への恒常的貢納、小泉改革による格差社会の到来などに主な原因があることを専門的経済学者はほとんど語らない。連中は「制度」の一部なのである。与えられた枠組みを維持し、強化し、国民を眠りこませるという制度だ。まさに「ゼイ・リブ」の中に出るガイコツ顔の連中の一部だ。
奨学金制度の話が、この社会全体の「見えない制度」の話になってしまった。
長くなりすぎたので、ここまでにしよう。



(以下引用)


2.現状

 奨学金を受けている大学生(昼間部)の割合は、1998年には23・9%であったのが2010年には50.7%にまで上昇した。実数で見ると、98年の約50万人から2011年には127万人へと増加している。一方、2000年から2010年までの10年間に、学費は5万円増加したのに対して、生活費は28万円も減少し、10年前の3分の2の水準にまで低下した。これは、家計からの給付額が2000年の156万円(全収入の72.4%)から123万円(61.7%)へと激減したのが影響している。東京の自宅外通学者の場合、仕送り額は2000年の11万9300円から2010年には9万1600円に減少した。大学生の生活を支える親の経済力が、低下し続けているのである。その分、奨学金は18万円(8.5%)から40万円(20.3%)に増加し、働かなくては修学困難な学生が37.6%から40.7%に増加する反面、家計からの収入のみで修学可能な学生は39.9%から32.8%に減少した。

 このように今や学生の生活にとって必要不可欠な存在となった奨学金であるが、日本の奨学金の約9割に当たる奨学金事業費を運用している日本学生支援機構の奨学金はすべてが貸与制である。しかも政府はこの約10年、奨学金制度の改悪を続け、一般財源による無利子枠は拡大せずに有利子枠のみ約10倍に拡大させた結果、有利子枠の比率は75%を占めるまでに至っている。このため、無利子貸与の申請者の約8割が不採用になるという。有利子貸与は3万、5万、8万、10万、12万(大学院は15万円、法科大学院は22万円まで)からの選択制だが、仮に有利子奨学金を毎月12万円、4年間借りた場合、貸与金額は576万円で返済総額は775万円(金利3%で計算)となり、毎月3万2297円ずつ20年間かけて返済しなければならない。つまり、20代の平均年収の約3倍の借金を卒業時に背負うことになるのである。高校から大学院卒業まで借りたある相談者は、返済総額が2000万円、毎月の返済額が7万5000円に上り、「家賃より高い」と頭を抱えていたという。

 文科省はこれを「返済能力の範囲内」と位置づけているが、終身雇用・年功序列を柱とする日本型雇用が崩壊し、大卒の内定率も就職率も低下し、若者の失業が長期化するなかで、親も本人ももはやその負担を担い切れないのが現状である。奨学金返還者の中には、祖母の年金から返済している例もあるという。

 また、ある公立大学に入学してきた授業料や生活費を全く支払うことのない学生は、日本学生支援機構の有利子奨学金を月12万円ずつ借りているが、卒業後の返済が心配で鬱病になってしまったという。「なぜ学費が払えないのに入学したのか」とカウンセラーが聞くと、高卒では就職先がないのだという。実際、高卒者の求人数は1992年の168万件から2003年にはわずか20万件と87%も激減しているという。高校卒業後の就職先がないから大学に行かざるを得ない構造が生まれているのである。

 また、精神疾患で会社を辞めた相談者は、「医者から長時間の仕事は無理といわれ短時間のアルバイトで月5万円の収入で生活しています。現在、返済猶予を受けていますが、その5年の期限がまもなく終わります。食べていくだけでもやっとの生活なのに月2万円の奨学金の返済はできません。奨学金を借りたことでこれほどつらい思いをするとは思いませんでした」と語っている。

 返済が困難になった場合、返済を猶予する制度はあるものの、猶予期間は最大で5年間にすぎず、猶予を打ち切られ延滞者となると年利10%の延滞金が加算される。正規雇用に就けなかった場合は、「返したくても返せない」という返済困難に陥ることは容易に想像できるが、今や大学を卒業しても4割が正規採用されないという。近年の新自由主義的「構造改革」によって低賃金・不安定雇用が拡大し、年収200万円以下の労働者が1000万人を超えた。奨学金の延滞6カ月以上の者のうち「年収300万円未満」の者の割合は、過去3年で、84%から87.5%に上昇した。しかも、なんとか返済し続けている無延滞者にも低所得層が広がり、約半数が年収300万円以下という。

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ネオコンというゾンビどもが日中戦争煽りのために再登場

「スロウ忍ブログ」から転載。
ネオコンなどという言葉を久し振りに聞いた気がする。ネオコンという存在自体がオワコンかと思っていたが、ゾンビのように生き続けているらしい。実際、安倍も石破もゾンビ顔ではある。特に石破の三白眼は、あれは生まれつき他人を恨んでいるような顔である。まあ、他人の顔の話などあまり品が良くないのだが、顔を見れば石原、橋下、前原などが下司中の下司であることは一目瞭然だのに、何で世間の人間がそれに気づかないのか、といつも歯がゆく思う次第だ。
人間の品性など、顔を見れば分かる! 
顔の話はともかく、この総裁選出馬メンバーを見れば、自民党自体がオワコンであることは明らかだ。(年配の方向けに説明すれば、「オワコン」とは「終わったコンテンツ」ということで、賞味期限切れの無価値な存在、ということだ。)
ネオコンとは「新自由主義の新しい潮流に乗り遅れた武闘派、戦争大好き人間」と定義すればいいだろう。要するに「東西冷戦」やら「資本主義対共産主義」といった古いコンテンツにいつまでもしがみついているために、世界支配層からも少々ウザったがられているわけだ。石破が軍事マニアであることはよく知られている。
しかし、まだまだ道具としての価値はあるから、日中戦争を誘導するためには安倍や石破という武闘派、戦争オタクの右翼を自民党総裁にしておこう、というわけだろう。そういう連中以外に誰も総裁選に名乗りを上げないことからも、それは明らかだ。しかも、谷垣は出身派閥のボスの古賀からも見捨てられているし、石原幹事長からもそっぽを向かれていることが、今朝のテレビニュースで流れていたのだから、明らかに谷垣はもはや粗大ゴミ扱いだ。
ん? とすると、自民党はオワコンではなく、ゴミの再生利用場か?
いやはや、民主党もクソだが、自民党はそれに輪をかけてクソである。まあ、ウジの湧いた肥溜めである。
汚い比喩でスマン。だが、汚いものには汚い比喩しかできない。




(以下引用)
 



2012年8月31日金曜日安倍晋三に続き、石破茂も自民党総裁選に出馬する意向。ネオコンだらけの自民党総裁選。
http://surouninja.blogspot.jp/2012/08/blog-post_31.html
今年9月(2012年9月)に行われる自民党総裁選にネオコン石破茂が立候補する意向を固めたとのことである。

同党の総裁選には、石破の他にも、“統一教会のプリンス”安倍晋三・元首相や町村信孝・元官房長官、林芳正・政調会長代理も出馬する意向を示しているとのことだが、候補者が典型的なネオコン(シオニスト勢力)の使いっ走りばかりで残念である。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120831-00000048-mai-pol

<自民総裁選>石破氏が出馬固める…谷垣氏も表明へ

毎日新聞 8月31日(金)15時0分配信

 自民党の石破茂前政調会長は9月の党総裁選に立候補する意向を固めた。9月8日の国会会期末前後に出馬表明する。再選を目指す谷垣禎一総裁も9月7日ごろに正式に出馬表明する考えを周辺に伝えた。安倍晋三元首相や町村信孝元官房長官、林芳正政調会長代理も出馬に意欲を示している。同党は次期衆院選で政権奪還を目指しており、「次の首相」選びになる可能性のある総裁選は候補乱立の様相を呈してきた。

 石破氏を支持する鴨下一郎元環境相ら十数人の同党議員が30日夜、東京都内で会合を開き、来週中に石破氏に出馬を要請する方針を確認。会合の出席者は「(立候補に必要な)20人の推薦人はクリアしている」と語った。石破氏は支持議員に「みんなから支援があれば出馬の決断をするしかない」と明言した。

 一方、谷垣氏は30日夜、側近の川崎二郎元厚生労働相や逢沢一郎総裁特別補佐らと東京都内で会談した。出席者によると、谷垣氏は「政権を奪還する思いで戦ってきたが、あと一歩。自分の手で成し遂げたい」と再選を目指す決意を伝えた。谷垣氏は野田佳彦首相との「近いうちに解散」の合意に基づいて今国会中の衆院解散・総選挙を求めており、周辺は「(出馬表明を急ぐと)解散はもういいんだということになる」と懸念。正式な出馬表明は解散がないことが確定する会期末をめどとする一方、30日からは総裁選での地方票獲得を狙って全国遊説を開始している。

 自民党は31日午前、党総裁選管理委員会を開き、9月14日告示、同26日投開票の日程で総裁選を行うことを正式に決定した。【佐藤丈一、念佛明奈】

2012年03月09日
首都直下地震を想定し、国民の管理・統制・搾取を企むネオコン石破茂。今後予想される“維新の会”への迎合。
http://surouninja.seesaa.net/article/256667384.html

一神教カルト信者の石破茂と言えば、橋下徹や小泉純一郎と同様、英語版のWikipediaでは“ネオコン”として認定されている政治家である。早い話が“シオニスト勢力のパシリ”だな(プ

http://surouninja.seesaa.net/article/227226548.html

Neoconservatives

The neoconservatives are a group of "younger" politicians, in their 40s and 50s. Notable neoconservatives often include:

Shinzo Abe(安倍晋三), former Prime Minister of Japan, the successor of Junichiro Koizumi, an anti-North Korea hardliner
Toru Hashimoto(橋下徹), governor of Osaka
Shigeru Ishiba(石破茂), Former Minister of State for Defense and major proponent of Japan's involvement in the US-initiated War in Iraq
Shintaro Ishihara(石原慎太郎), governor of Tokyo, and co-author of the controversial essay, "The Japan That Can Say No"
Seiji Maehara(前原誠司), a hardliner and former Minister for Foreign Affairs.
Shoichi Nakagawa(中川昭一), Chairman of the Policy Research Council of the Liberal Democratic Party (LDP)
Keizo Takemi(武見敬三), an LDP member and head of the "Young Lawmaker's Group"
Ichita Yamamoto(山本一太), head of the LDP team studying sanctions on North Korea
Junichiro Koizumi(小泉純一郎), a former prime minister, to precede Shinzo Abe is a conservative in the foreign policy arena, and receives support from the neoconservative legislators, but is not himself considered a neoconservative.
橋下徹の大阪維新の会(シオニスト勢力)に迎合する安倍晋三と同様、石破茂も又、間違いなく同会に擦り寄って行くだろうね。

此れでは、海外のシオニスト勢力や其の駒である国内の一神教カルト信者からの支持は得られるかも知れないが、流石に多くの日本国民の支持を得ることなど不可能だろう。まぁ官僚と米軍産複合体の傀儡であるカルト保守勢力にとっては、国民の支持など屁でもないのだろうけどな。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120831-00000052-reut-int

米大統領選、ロムニー候補とオバマ大統領の支持率逆転

ロイター 8月31日(金)9時50分配信

[タンパ(米フロリダ州) 30日 ロイター] ロイターとイプソスが実施した最新の世論調査によると、11月6日の米大統領選に向けた共和党の候補、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が支持率でオバマ大統領(民主党)を追い抜き、僅差ながらリードしている。今週フロリダ州タンパで開かれた共和党の全国大会が追い風となった。

調査は27─30日の4日間にかけて、登録有権者1481人を対象にオンラインで実施。その結果、支持率はロムニー候補が44%、オバマ大統領が42%で、ロムニー氏がわずかながらリードに転じた。

投票予定有権者を対象にした週初のロイター/イプソス調査では、オバマ大統領が46%で、42%だったロムニー氏を4ポイント差でリードしていた。

イプソスの調査担当者、ジュリア・クラーク氏はロムニー候補が3日にわたった共和党大会で追い風を受けたことが示されたと指摘。「党大会は彼(ロムニー候補)にとって非常に順調に進んだ」としている。

いわゆる「党大会効果(convention bounce)」は大抵は長続きせず、オバマ大統領が来週ノースカロライナ州シャーロットで開かれる民主党の全国大会で同党の大統領候補への指名を受諾すれば、今度は同氏の支持率がアップすることも予想される。

ただ、今回の調査結果は、民主・共和両陣営が党内の盛り上げと選挙の行方を左右する可能性がある激戦州の無党派層へのアピールに努めるなか、オバマ、ロムニー両氏の支持率が拮抗(きっこう)していることをあらためて示している。

シオニスト勢力の駒であるミット・ロムニー(米共和党)が今年(2012年11月6日)の米大統領選で勝利し、日本国内ではネオコン総裁率いる自民党(と公明党)が政権を奪取するなどという、11年前(2001年1月20日のジョージ・W・ブッシュ政権成立と同年4月26日の第一次小泉内閣成立)に見た様な最悪な顛末が脳裏を過(よぎ)るわけだが、こういう連中を何時迄も日本の政界に野放しにして同じ過ちを何度も繰り返すほど、今の日本国民の多くは愚かではないと信じたい処である。

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表層的現象に一喜一憂するネット言論

「人力でGO」というブログの今日の記事が面白いので転載する。
韓国大統領の「天皇侮辱発言」は、文字通り日本人の「逆鱗に触れた」というところがあり、ネット論者の大半が冷静さを失っている感じはあった。(龍は大人しい生き物だが、喉の下の逆鱗に触れると狂暴になる、というのが「逆鱗に触れる」である。天皇とは日本人の逆鱗的存在なのだ。まさしく昔なら「神聖ニシテ冒スベカラズ」だったのだが、その天皇神聖視のDNAは今の人の精神にも伝わっているようだ。左翼的傾向の強い人間である私でさえ、あの発言にはかっとなった。赤の他人から自分の親を侮辱されたような気分である、などと言うと、まさしく戦時中の「国民は天皇の赤子」みたいな言葉になるが、まあ、そんな気分だ。)
しかし、そういう風に日本中が狂っている時に、こういう冷静な言葉を読むと、感心してしまう。「人力でGO」というブログは時々右寄りの記事が散見された記憶があるのだが、案外右にも左にもぶれない、中庸的姿勢があるのかもしれない。
まあ、私は経済面だけで政治的判断をするのが正しいとも思わないし、「誇りよりも金が大事」とも思わないし、「いくら侮辱されても喧嘩をしない」ことが正しいとも思わないが、一般国民が戦争で得をすることはまったく無い、とは思っている。そういう意味では「悪しき平和は良き戦争に優る」主義に近いので、韓国大統領のヒステリー発言に冷静な大人の態度で接するのが、とりあえずはいいとは思う。
ただし、韓国と日本という米国の「属国同士」の喧嘩を米国が処理し損なえば、米国のボロが出て面白いかもしれない、という意地悪な期待感もあったのである。だが、戦争はいかなる場合でも最悪の選択だろう。こういう場合に「うまく喧嘩をする」のが外交というものなのだが、はたして日本はこの問題をうまく着地させられるだろうか。
尖閣問題では中国政府は事態の鎮静化を図っているようで、ここでは日中動乱による漁夫の利という米国の狙いは失敗しつつあるようだが。


(以下引用)



■ 日本もアメリカも民主主義は機能していない ■

消費税増税は確かに財務省のシナリオでしょう。

民主党単独では、法案が成立しないので、
民自公の三党協力で、法案が可決しました。

国民がこれだけ反対しているのに、
敵対する政党が協力して法案を通すなど
アメリカでは考えられません。

アメリカはリーマンショックの銀行救済の決定時でも
表向きは「政治対決」を演出しています。
母親の葬儀に出席していた議員を飛行機で呼び戻して、
最後の一票を投票させて、金融機関を救済する事を決めました。
これなど、メチャクチャ茶番で、
金融機関救済は共和党と民主党の裏の協議で合意されていたはずで、
さらには、票数を調整して、最後の一票を演出しています。

しかし、アメリカ人は、民主主義に誇りを持っていますから、
この茶番を見て、「民主主義の原則は守られた」として
銀行救済を良しとするのです。

日本とアメリカのどちらも出来レースで茶番ですが、
日本人は「お上が決めた事」と批判しながらも諦め、
アメリカ人は「民主主義の選らんだ結果」として満足します。

本質的には、民主主義が「絵に描いた餅」である事は変わりありませんが・・・。
対立政党が、表にせよ、裏にせよ、結託してしまえば
民主主義はその時点で機能を失います。

■ 低支持率を武器とする日本型政治 ■

最近の日本の政治を見ると、「低支持率」を巧みに利用しています。

ほぼ全ての国民が反対する消費税の増税は、
一党だけで成立させると、その政党は国民の支持を失います。
ですから、主要3党が等しく責任を負う形で、非難を分散化します。

その過程で3党協力の必要性を演出する為に
小沢一郎以下が、民主党の党議に造反したから、
3党協力が必要だったという演出をします。

さらには、「消費税増税に反対した」という勢力を温存し、
次の選挙の芽を上手に残しています。


TPP問題についても、
当初、野田首相が独断専行した様に報道されますが、
野田首相や内閣の支持率が下がれば、
TPPの推進には、大きくブレーキが掛かります。

アメリカが野田首相をけし掛けても、
これ以上が政権維持が難しいと言って、逃げる事が出来ます。

当然、アメリカは次の首相を選ぶ訳ですが、
これも、マスコミと国民に叩かれて、
「決められない首相」になって行きます。

■ 国民不在の政治の反映が、「イヤ」しか言わない国民 ■

結局、国民が何を言おうと、日本は官僚達によって、
まあまあ、どうにか運営されています。

だから、国民はとりあえず「イヤ」とだけ言っていれば良い。
何か、都合が悪い事が起きても、「俺は反対したんだけどね」と逃げられます。

だから、ネットの言論は、「イヤ」で埋め尽くされます。

そうして「肯定的意見」は、
「お前が責任取れるのか」という非難で潰されてゆきます。

■ 高校の生徒会レベルの言論 ■

ネット言論の多くが、かつての高校の生徒会レベルです。

校則反対、制服反対と主張した所で、
実際の学校運営は大人達が粛々と進めて行きます。

生徒会は生徒のガス抜きにはなりますが、
それによって、高校の本質は何も変わりません。

■ 大量の無責任にかき消される、少数の意見 ■

個人のブログでも立派な主張のブログが沢山ある事も事実です。

しかし、今回の竹島問題や尖閣問題では、
多くの良識的なブログも、韓国、中国に対して強硬な意見を展開しています。

それだけ、韓国大統領の天皇発言は、日本人の心を逆撫でした発言です。

一方で政府は、通貨スワップの継続など、現実的な対応をしています。
財務官僚達は、韓国経済が破綻した時のシナリオを綿密に計算して、
経済的負担の少ない方を選択したとも言えます。

韓国が破綻したら、IMFを通じて、日本は莫大な負担をせざるを得ません。

通貨スワップの継続は、「国家間の喧嘩」に対して弱腰とネットは非難します。
だから韓国や中国が付け上がるのだと・・・。

しかし、私は隣国を経済破綻させる事が、国家として正しいとは思いません。

むしろ、日本はアジアの平和と安定を願っていると主張する事の方が、
今は大事な事である様に感じます。

東南アジア諸国は、韓国と違い親日的です。
それらの国家は、韓国の問題点も良く理解しています。
ですから、日本と韓国が子供の喧嘩の様なレベルで争う必要は無いのです。
大人としての喧嘩のやり方があるはずです。

例えば、通貨スワップ継続を表面的には発表しながらも、
裏では、「テメー、これ以上騒ぐと、通貨スワップしてやんないぞ」と脅すとか・・・。
まあ、アメリカが良く使う手ですね。

尤も通貨スワップ継続は、通貨マフィアからの指示だと思います。
通貨の情勢が不安定な時期に、いらぬ騒ぎを起すなという圧力が当然あるはずです。

さらに韓国の格付けを1ランク引き揚げて、後方支援も怠りません。

日韓のイガミ合いも、結局は誰かの掌の上だという何だかトホホな状態であるという事に、
連日、勇ましい事を書きたてるネトウヨの皆さんは、どれだけ気付いているのでしょう?

「イヤ」と言って責任から目を背けている限りは、見えないものが沢山あります。



<追記>

韓国は史上最高の経常黒字を計上し、
それを受けて、格付けが1ランク上がっています。

しかし、経常黒字を押し上げたのは、
国内不況による輸入の減少という、不況型の経常黒字である事に注意が必要です。

ただ、経常黒字が拡大したからという理由で
格付けを引き揚げる、格付け会社って、いったい何なのでしょうね?

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初心者や新人、新規参入者に冷たい社会

西の京に帰ってきて、すぐにネット接続はできたのだが、NTTからの料金催促状が、ほとんどひと月留守にしていたのに7000円も請求されるという馬鹿な請求額が来ているので、電話契約もネット契約も打ち切ろうかと思案中である。
電話もネットも無ければ無いで私は生きていけるが、それをやめると家族から文句を言われそうなので、とりあえず格安のネット契約でも無いか、探すつもりだ。
まあ、こんな個人的な話などどうでもいいが、人によってはそういう話の方が面白いとか、参考になる、ということもあるかもしれない。
さて、ネット上での話題は相変わらず低調である。今の日本はTPPやACTAや人権救済法案やら何やらで危機的状況にあるが、あまりにそういう状態が長く続いているのでみんな徒労感や倦怠感に捉われているような感じだ。本当は原発事故による放射能汚染もまだ継続中であるのだが、もはや騒いでも無駄、という感じで日本国民は汚染食品を大人しく購入して食べて放射能を体内に蓄積している。乳酸菌やら何やらが放射能に効く、と言われてもイワシの頭を信心するような気にしかなれない。放射能へのあきらめは、日本国の政治的経済的崩壊へのあきらめにもつながり、ある種のニヒリズムが日本社会全体を覆っている気がする。
山科恭介(有名人なので敬称略)がブログをやめるとか言っていて、それも寂しい限りである。沢山のファンのためにも、やはり続けてほしいものだ。ブログなんて、架空の相手とのお喋りなのだから、書いたものに責任など感じなくてもいい、というのが私のスタンスだ。日常のお喋りにいちいち責任を持って発言する奴はいない。そういう気軽なものなのだから、書きたくなければやめればいいし、書きたくなったらまた書けばいい。

実は、下記の文章は昨日書いたものだが、わざわざブログに載せるような文章でもないなあ、と思って没にしかかっていた。しかし、「わざわざブログに載せるほどの文章」など、べつにこれまで書いてもいなかったのだから、書いた時間を無駄にしないために掲載することにする。

私は「考えること」自体が趣味だから、そういう「思考素材」を与えてくれるのなら、世界政治だろうが身近な出来事だろうが、題材としては何でもいいのである。
今日はネット上には面白い話題も無いので、少し足を延ばして、普段はあまり訪問しないブログを訪ねてみた。

「レジデント初期研修用資料」という妙な名前のブログから転載。
研修医のためのアドバイスや感想などを書いたブログで、普通の人が読んでも面白い。筆者は非常に合理的な頭を持っているので、問題の切り口がユニークであることが多く、世の中に罷り通る不合理に慣れ切った人間には新鮮な感じがあるかと思う。
この「オーダー」とは、つまり医者から看護師への「注文」「指示書」だと思うが、その書き方も教えないで「オーダー」を突き返す、というのは、昔の職人世界ではよくあったやり方で、職人世界よりは一見知的レベルが高そうに見える医療の世界でも同じようなものだったんだな、と思う。
そういう不合理、かつ、いじめに近いような行為はどの世界でもあるのだろう。そして、そうした職人世界的やり方をむしろ擁護し、称賛するのが世の常である。案外知られていないことだが、学校の生徒の間では「いじめ容認」の意見が実は多いのである。

学校の部活などでの「先輩への絶対服従」も似たような問題だ。「自分はそうやってきたから、後の者にも同じやり方をさせる」わけである。なぜ、自分はそれで酷い目に遭ってきたから後輩にはそれをやらせたくない、という気持ちになれないのだろうか。

元記事について一言だけ書いておけば、最初に出てきた「オーダー」については、「オーダー用紙」に必要事項を最初から印刷し、研修医が事項ごとに空欄に書き込めば、それで済む話だ。何が必要事項なのかを教えもせずに、それをいちいち突き返すというのは単なる初心者いじめであり、看護師たちのストレス解消手段の一つだったのではないだろうか。それを黙認したままで、改善しようともしない病院上層部の人間的レベルも想像がつく。


(以下引用)

歩きかたと登りかた

研修医だった大昔、患者さんが病棟に上がってきても、オーダーを出すのが大変だった。
ある病名を背負った人に何を行うべきなのか、知識としては一応持っていたのだけれど、それをどうすれば「オーダー」という記法に落とし込めるのか、思うところを書いても、病棟からは「これでは指示を受けられません」なんて突き返されたり、「ふつうに点滴をつないでおいてくれればいいから」と言われた患者さんがいて、じゃあ「ふつう」とは何なのか、ラクテックなのか、ソリタT3なのか、まずはそこから分からなかった。生まれて初めて処方した「ふつうの」輸液製剤は10% EL 3号で、それを書いたら「どうしてEL なの?」なんて、先輩の研修医から怒られた。
駆け出しの本当に最初のこの頃、けっこう長い期間途方に暮れて、たまたま集中治療室の患者さんを受け持つ機会があって、婦長からはじめて、「オーダーの書きかた」を教えてもらった。オーダー用紙には「病名、重症度、安静度、検温の回数、尿測とモニター、酸素の有無、食事、点滴、内服」を、この順番で書く。それだけのことを教わることで、各病棟から突き返された研修医の落書きは、ようやく「オーダー」として通じるようになった。

当たり前のことは難しい

今の研修病院なら、こうした「オーダーの書きかた」みたいなものを教えない施設はさすがにないだろうけれど、昔はこうした「当たり前」の知識については、研修医が各自で発見するものだと考えられていた。研修医が学ぶべきはもっと高度な知識であるべきで、当たり前のことは、わざわざ教えるまでもないからと。
知識の序列は立場が変わると異なってくる。慣れた人なら重要さが順番の要になるけれど、研修医は切実さで序列を付ける。もっとも切実な知識、オーダーの書きかたや「ふつうの点滴」の出しかたは、先輩の序列では「重要でない」ものだから教えてもらえなかったし、教科書に「ふつう」を求めて、答えを探すのは大変だった。
知っていることと、オーダーできることとの差異は本当にわずかなのだけれど、一度知った人間にとっては意識するまでもないことが、研修医には絶望的な壁に思える。一度聞いたら自分も壁の向こう側にいけるのに、どれだけ勉強しても、知識を「オーダー」へと落としこむその最後の半歩が超えられず、けっこう長い期間惨めな思いをする研修医はたぶんそれなりにいるのではないかと思う。

見えるものはずいぶん違う

カルテの書きかたには決まりがあって、最初の方に「主訴」が、患者さんの訴えを記載する欄がある。研修医はたいてい、主訴の欄に病名を書いて、「病名を自分でしゃべる患者さんがいるわけないだろう」なんて、上の先生から怒られる。
立場が異なると、風景はずいぶん変わる。外来を受け持つ上の先生にとっては、例えば肺炎の患者さんは咳や発熱、呼吸困難を訴えて病院に来る人だけれど、研修医にとっての肺炎は、上司から「肺炎みたいな患者さんを病棟にあげるから、先生見ておいて」と紹介される病気して認識される。病棟に来た段階で、患者さんの多くは自分の病名を聞いているし、「どうしましたか?」なんて今さら尋ねても、「外来で肺炎だから入院が必要だと言われました」なんて答えが返って、それをそのままカルテに書くと、あとからまた怒られる。
肺炎に関する知識なら、上司はたぶん、問診や聴診における肺炎の特徴や、肺炎に対して使われる抗生剤の理論的な背景を大切だと考える。研修医はたいてい、「肺炎」という病名が付けられた患者さんにどんな検査を予約すればいいのか、どんな食事を出せばいいのか、安静度をどうすれば怒られないのか、酸素はどうなったら使うべきなのか、そんな知識を切実だと考える。
教科書には大切な知識が沢山記載されているのだけれど、切実な何かが書かれていなかったり、そうした知識を探すのがやけに難しかったりする。

歩きかたと登りかた

山に登るのに必要なのは「歩くこと」であって、「登山とは何か」みたいな深いテーマを学ぶのは、歩き出してからのほうがいい。
成功するための哲学を教えてくれる人は多い。それが重要なことなのだろうし、教える側にも「教えがい」がある。「その業界でスタートするための方法」を教えてくれる人はあまりいない。事務手続きやお金の話みたいな、成功哲学に比べればあまり大切に見えない話が多いし、どうにも高級に遠いから、話す側も面倒だからなのだと思う。
そうした傾向が真実であったとして、結果としてたぶん、「成功できる知識があるのにスタートできない」新人が、世の中には増えていく。
そこで成功するために必要な知識と、そこで食べていく上で切実な知識とは大いに異なる。前者のほうが面白くて大切だけれど、最初に後者を習得しないと、スタートするための障壁がどんどん重たくなっていく。成功するための知識が増えていくほどに、スタートするための知識の欠落が相対的に大きくなって、結局その人は動けなくなる。
山に登ることは、実はそこまでものすごい知識が必要なわけではないのに、「頂上を目指すことの素晴らしさ」を熱心に説いた結果として、登山客を減らしている「山が好きな人」が、社会のいろんな場所にいるのではないかと思う。
スタートするためには何が必要なのか。それにはどんな手続きが必要で、たとえばどれだけのお金がかかるのか。困ったときには何が役に立つのか。誰に援助を求めればいいのか。オーダー用紙や契約書の文面の文面は、どんな型に従って書くのが無難なのか。若い人を教える機会なんてもうないんだけれど、そういうのをまとめてみたかった、あるいはそういうのがあれば、研修医の時の苦労は少しでも減らせただろうなと思う。

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私も台風も左巻きか

私は、言葉の誤用には割とうるさい方だが、知識そのものの正誤にはルーズだ。もともと、何かを事実であると判断すること自体が当人の主観なのだから、その主観を幾ら突き合わせても純粋な客観にはならない。昔は天動説が真理だったのだろうが、今は地動説が真理とされている。だが、シャーロック・ホームズの言葉を借りれば、それがどっちだろうが「そんなことは僕や僕らのやっていることに対して、なんらの相違も起こさせやしない」のである。
というわけで、私はそれが常識かどうかなど、まったく気にしていない。むしろ非常識な思想にこそ惹かれる方である。
しかし、そういう風に「世間の知識」を軽視していると、馬鹿な発言をして世間からは相手にされなくなるわけで、私もこのブログで何度も馬鹿な発言をしている。
昨日一昨日書いた台風の話の中で、「台風は北半球では時計回りだ」と書いたが、これは逆のようだ。調べもしないで物を書くからこういう馬鹿な間違いをする。
私の書く文章なんてその程度のものである。読む人はそういうつもりで読んでいただきたい。まあ、私が注意しなくても大丈夫だろうが。
台風が反時計回りだとすると、その進路についての私の理屈も成り立たなくなり、台風の進路は台風の渦の回転のためではなく、上空のジェット気流によるものだ、ということになるのだろう。しかし、ジェット気流は南西から北東方向に吹いている以上、台風の進路も原則的にそれに同調して進むはずである。実際、昔はそう進んでいたのだ。ならば、現在の台風の奇妙な進路は、やはり不自然であり、人為性が疑われる、という結論に変わりはない。
まあ、今日は記述の間違いのお詫びと言い訳と開き直りという、謙虚なのか傲慢なのか分からない文章であるが、とにかく「台風は反時計回り」のようだ。

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酔生夢人
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男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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