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homelyという概念のこと

散歩の間ずっと、頭の中を流れていた曲があって、たぶん1970年代のヒット曲だと思うのだが、たいして好きでもなく、題名も知らない曲である。ただ、その単調さ、平凡さが散歩の歩調に合っていたのだろう。
その脳内演奏を聞きながら、頭の中にhomelyという形容詞が浮かんだのだが、その意味も私は知らない。起きる前に寝床の中で「いい加減読み」していた、J・M・バリーの「天晴れクライトン(原題は「賞賛に値するクライトン」と訳せるか。)の英語原文の中に出て来た言葉で、たぶん、文脈から想像すると「地味な、冴えない」の意味ではないかと思う。つまり、「公の場」に対する「home」だろう。で、なぜこの言葉が頭に浮かんだのかというと、私の頭の中の曲が、そのhomelyな印象で、homely rock 、あるいはsoft rockという呼び名が適しているのではないか、と考えたのだと思う。つまり、保守的な家庭の中でも「まあ、この程度なら」と許容されるロックというわけだ。
そんなのは「ロックじゃねえ」というわけで、ハードロックやヘビィメタルなどが生まれ、さらにパンクロックが生まれたのだろうが、それがロックの「進化」とは私には思えない、というのはどうでもいい話である。今ではロックそのものが消滅しかかっているのではないか。まあ、私はもともとロック嫌いの人間だから、どうでもいい。

で、homelyの話に戻ると、私の住んでいる家の庭に餌を貰いにくる猫群の中に、白いチビ猫がおり、下手クソに作った猫のぬいぐるみのようで可愛い。胴体も足も尻尾も寸詰まりで、顔もまあ、ブスの部類だろう。雌雄は不明である。しかし、その可愛い印象にはhomelyという言葉が似あう気がする、というわけだ。美猫コンテストにはまったく出せないが、可愛いわけである。もちろん、チビだから可愛いというのがその可愛さの大きな要素だろうが、それだけでもなさそうだ。
念のためにhomelyを、今、英和辞書で調べてみる。だいたい、こんな意味のようだ。
「1:飾り気のない、質素な、素朴な、家庭的な、2:平凡な、日常的な、 3:不器量な、顔のまずい」
ということで、ほぼ私の予測どおりであった。では、それがなぜ可愛さにつながるのかと言えば、やはり「親近感を抱かせる」や「同情や共感を抱かせる」からではないか。清少納言の「小さいものはみな可愛い」である。
ちなみに、私はアニメなどでも、美人キャラよりは「平凡顔」キャラに親近感を持つほうだ。嫌いなのはハンサム顔で冷酷なタイプの男である。もちろん、美人キャラでも性格が良ければ好きになるし、場合によっては美人で冷酷なキャラも嫌いではない。「未来少年コナン」のモンスリーのように、冷酷で有能な美人(悲しい過去がある)の敵キャラが、心を入れ替えて頼もしい味方になる、という展開などは最高である。

まあ、散歩の途中の浮遊思考は、そのほかに、「猫じゃらし(スズメノヒエクサ)」の美しさの考察など、いろいろあったが、長くなるのでこの辺にしておく。


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