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気の赴くままにつれづれと。
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確かに、絵や映像の持つ力は圧倒的なものがありますね。
「反対に、小説の文字による情報は理解するのに人に努力を強いる面がある。慣れていないと文字を見ただけでイヤになる。でも、文字による理解は、小説を読みながら人物像を自分の脳の中で自分が描き出す作業ができる。これは大変ぜいたくなことです。自分でキャスティングでき、演出も自分でできるから。これは非常にクリエーティブな作業ですよ」
自分の頭の中で、小説の中の登場人物の声や顔を想像し、創造していますよね。
「コミック作品をアニメ化した場合、登場人物の声をある声優が担当するでしょう。原作であるコミック作品を読んでいない人は初めから声優の声とキャラクターとを同一視しますが、すでにコミック原作を読んでいる人は、一度自分の脳内でそのキャラクターの声を創造していますから、アニメの声に違和感を抱く場合がある。つまり自分の内なる世界の声が、悪くいえば奪われたと思う。小説を読んで自分の世界をクリエートしていく面白さを知ってほしいです。読者が100人いたら、100通りの物語が描かれる、ということです」
うれしい、悲しいといっても、人によっていろいろな表現があるのに、映像表現の場合は、その演出家、監督の選んだものに限定、制約されてしまう。それにデジタル時代になって、刺激的な場面でもCGなどではっきりとわかるように映像が作れてしまう。
「醜いものがあって、別に映さなくても見る人が想像すればわかるようなものまで映像で見せないとお客さんが満足しないと思っている。ひと昔前の携帯電話がない頃、恋人と1カ月会わなくてもどうということはなかったのに、今はのべつ恋人と会っているのにメールのやり取りを頻繁にする。人情もそうなっている。濃い味付けじゃないと満足しないようになっていますね」
活字文化の将来はどうですか。
「すべて他人がかみ砕いて、全部わかりやすいように見せてくれることが今は多い。でも、活字を読めば自分の脳内で想像しながら自分の物語を創造できる、というクリエーティブな作業が可能になります。今の時代、近くの店に買い物に行くのにも、自分の足で歩かずに、ひょいと車で行ってしまう。歩くのがおっくうになっちゃうのは恐ろしいことです。健康のためには自分の足で歩きましょう、とよく言われているでしょう。ならば、健康のために脳を歩かせましょう。読書とは脳を歩かせることです」
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