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世界を救うのは日本人(か?)

市民図書館から借りる本は、いい加減に決めているというか、手に取って数秒で決めているが、大人向けのフィクションはあまり好みのものが無いので、最近は子供用の本棚から探している。その中では、ジブリ映画になった「思い出のマーニー」とか、アニメ「ロミオの青い空」の原作である「黒い兄弟」などは名作だった。大人が読むべき作品だろう。ただ、子供向けの小説は、なぜか主人公が嫌な性格であることが多い。もちろん、途中から性格が変わっていくのだが、最初のあたりでうんざりして読みやめたくなる。フィリッパ・ピアスの「トムは真夜中の庭で」などがその類である。まあ、女流作家が「男の子らしい男の子」を描こうとすると、我儘勝手な性格、必要以上に乱暴な性格を想定するのかもしれない。逆に言うと、女性作家は「悪役」を描かせると上手いようだ。それこそ、嫌な性格の人間の嫌らしさが実にリアルである。私など、そういう人間は想像するさえ耐えられないwww
で、ここから本題だが、そういう子供向けの本棚の中に、古典SFの名作と言われているが私には未読の「海竜目覚める」(ジョン・ウィンダム作)があったので、借りて読んでみた。ウィンダムは高校生のころ「トリフィドの日」を読んだきりで、特に好きな作家でもなかったので、それ以外は読んだことがないのである。何より、私は、ユーモアの無い小説はどんなジャンルであれ、読むのが苦痛なのである。破滅SF専門のようなウィンダムを好むわけがない。ネヴィル・シュートの「渚にて」は小説も映画も途中で挫折した。SF以外でも「ユーモア厳禁」のホラー小説など大嫌いである。
話が脱線したが、「海竜目覚める」は、なるほど評判どおりの名作である。淡々とした筆致で、人類の危機、ほとんど人類滅亡の危機の出来事を描いていくのだが、書き方が実に周到である。なるほど、人類はこうして滅亡するのか、という感じだ。ただし、「海竜」は話の中には出て来ない。これは、一番最初の題名が「The Kraken Wakes」だったのを翻訳者が「海竜目覚める」と訳してしまったらしい。クラーケンは海の怪物だが「竜」ではない。むしろ、島のようなものだと言うべきだろう。で、この題名は後に「Out of the deeps」と改題される。つまり「深海より」もしくは「深淵より」というわけで、後者のほうが終末的イメージがあって適訳だと私は思う。
海に潜む謎の知性体によって人類は何度も攻撃され、最後には極地の氷が溶かされて海面が上昇し、世界の各地が海中に沈むというわけで、まあ、「日本沈没」の元ネタだと思う。
で、その破滅に瀕した世界を救うのは、何と日本人の技術なのである。最後まで読んで、「ええっ、そうなの?」と思ってしまったwww

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酔生夢人
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仙人
趣味:
考えること
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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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