忍者ブログ

「首を切る」と「首になる」

市民図書館から借りた、北村薫の「街の灯」を読んでいるのだが、腕のいいアニメ監督にアニメ化してほしい作品である。まあ、推理小説としては、さほど感心はしないが、レトロ描写(たぶん昭和初期か)などの細部が面白いからアニメ向きだと思う。特に、主人公(話の語り手)のお付きの運転手のベッキー(別宮嬢)が魅力的だ。剣の達人で射撃の名手で、頭がいい。(つまり、「ベッキー・シャープ」ww 初登場時に語り手は「虚栄の市」に関心がある。)見かけは宝塚的な男装の美人。男ならスーパーヒーローである。
で、その「街の灯」は短編連作だが、その中に、「映画といえば、弁士さんが首を切られて、争議になったわね」というセリフがあって、寝床で読んでいてギョッとしたのだが、つまり、「首を切られて」を私は、本当に首切り殺人だと思ったわけだ。まあ、半分眠っている状態で読んだからだろうが、今の時代、「首になる」とは言うが、「首を切る」とはあまり言わないからでもあるだろう。もちろん、もともと「首を切る」でいいのである。「馘首」は、武家社会では斬首と同じ、という意味であったのだろうから。この一文の「首を切られて」の後の「争議になった」が、「葬儀になった」なら完璧に殺人事件だww まあ、この作品が推理小説だという意識がどこかにあったから「首を切られて」を本当の首切り殺人のことだと錯覚したのだろう。

拍手

PR

この記事にコメントする

Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

11 2024/12 01
S M T W T F S
25 26 27 28
29 30 31

カテゴリー

最新CM

プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

アクセス解析