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金融経済の仕組み

増田俊男の「時事直言」というホームページから転載。直接的にはつむじ風氏のブログで知った。増田俊男は株の指南屋で、胡散臭い人間だが、リアルな目で世界経済を見ており、その発言の中には参考になることもしばしばある。下記の記事は金融経済の本質を示す優れた寓話かと思われるので、ふだんのこのブログで扱う種類とは違うが、掲載しておく。
もちろん、ここで「対象領域の外部から投入された100ドル」が金融緩和に相当するのであり、経済が回復したらその「100ドル」は回収してよいのである。そして再び「A→B→C→A」という借金のサイクルをしていくことでこの金融経済社会は動いていく。
逆の言い方をすれば、このサイクルの中で一部の人間がその金を貯めこんで使わなければ、このサイクルは破綻してしまうのである。資本主義社会=金融経済の中では貯蓄や資本の内部留保は悪徳だということになる。


(以下引用)




金融緩和という経済刺激策の本質を分かり易く述べるので私の楽観論への理解を深めてもらいたい。

ある日、中国人の旅行者がNYにあるDebt(借金)という名のホテルにやってきた。手の切れるようなピン札100ドルをカウンターに置いてオーナー・マネージャーに、今夜100ドルで泊まりたいので階上の部屋を見せてくれと言った。そこでマネージャーは係に最上階5階の部屋5室を時間を掛けて丁寧に見せるように言いつけ、自分は裏口から向かい通りの肉屋に飛び込み3カ月も滞納していた肉代金100ドルを払った。肉屋は即座に自転車に乗って数ブロック先の精肉会社に長い間借りていた100ドルを返しに行った。精肉会社の社長は広告会社に電話して滞納している100ドルの広告代を取りに来させた。広告会社の社長は自家用車でDebtホテルに駆けつけ催促されていたアーケードのディスプレー広告スペース代100ドルを払った。
そこへ中国人の客が5階から下りてきて、どの部屋も気に入らないと言ってマネージャーに預けていた100ドルを受け取りグッド・バイと言って帰って行った。泊まらず仕舞いの中国人客がホテルの受付カウンターに100ドルを置いてから同じ100ドルを持って帰る間にホテルと肉屋と精肉会社と広告会社に何が起きたのだろうか。その通り!全員借金が無くなったのである。
私が名付けた「オバマ・マジック」(経済刺激策)の「種明かし」である。

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