英国のEU離脱意思決定は、英国が失った国家としての主権を取り戻す、ということだ。これは、日本で言えば、TPP問題に相当する。国家としての主権を他者(グローバル企業)に盗まれたいのかどうかという問題であり、それを望むのは当のグローバル企業と、その手下の政治家とマスコミだけである。
来る参院選で、野党あるいは野党連合が勝つための大義名分はたくさんある。それをきちんと国民に伝えるだけで、本来なら容易に勝てるはずである。残る問題は、ただ不正選挙をいかにして防ぐか、ということだけだ。
(以下引用)
英国のEU離脱を決定したのは英国の主権者である。
この問題の論議に際して、残留を主張していた中心は
資本家
である。
資本の利益を追求する者がEU残留を求めた。
しかし、英国の主権者はEUからの離脱を求めた。
EU離脱を求める理由として
「移民の増加」
が例示され、
「移民の増加を嫌うEU離脱派は外国人排斥派である」
とのレッテル貼りが横行した。
これは、グローバリズムを推進する強欲巨大資本による情報操作である。
EU離脱の根本精神には、
「自国のことは自国の主権者が決める」
という民族自決の原則の尊重がある。
第2次大戦後に世界中で広がった国家の独立は、
「自国のことは自国の主権者が決める」
というものだった。
この考え方が、正当に、そして当然の主張として、表面化しているに過ぎない。
EU離脱派が「他国人排斥者」であると決めつけるのはあまりにも短絡的である。
安倍政権が国民を欺いて参加しようとしているTPPは、
「日本のことを日本の主権者が決められなくなる条約」
である。
TPPがもたらすものは、
「日本のことを強欲巨大資本=多国籍企業が決める」
という多国籍企業主権体制
である。
日本の主権者が賢明であるなら、
こんな国家主権、国民主権を放棄する条約に加入するなどという選択はあり得ない。
欧州ではこれから、ギリシャのユーロ離脱、南欧諸国のユーロ離脱などの動きが活発化するだろう。
デンマークやオランダでも、自国の独立を重視する主張が勢いを増すことになる。
英国のEU離脱は、多国籍企業=強欲巨大資本による政界制覇戦略に対する、
主権者の反攻の開始を意味する極めて意義深い決定である。
世界は大資本のために存在しているのではない。
世界は、世界に生きる、それぞれの地域の、それぞれの人々のために存在する。
それぞれの地域の人々が、それぞれの地域のことを、自分たちで決めようとするのは当然のことだ。
多国籍企業が世界を支配する正当性など、どこにも存在しない。
独立国同士が話し合って、契約、条約を決めることはあるだろうし、肯定もされる。
しかし、独立国が主権を放棄して巨大資本の支配下に入ることほど、馬鹿げたことはない。
しかし、馬鹿げた政府が存在すると、それぞれの国の主権者に害を与える、
馬鹿げた条約に加盟してしまうことが起こり得る。
安倍政権は2012年12月の選挙で、
「TPP断固反対」
のポスターを貼り巡らせて戦った。
それにもかかわらず、選挙から3ヵ月も経たない2013年3月15日に
TPP交渉参加を勝手に決めて、2016年2月には最終文書に署名してしまった。
このような売国行為を主権者は許してはならないのである。