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言葉の空洞化と社会責任の空洞化

コンセプトそのものがおかしい。


茅野市民館は2005年10月にオープンした。キーワードは「交流」で、外からも見えるし、内からも外が見える。そうすることで異分野の人々の出会いを意識した。


なぜ、図書館の中身が「外からも見える」必要があるのか。単に外壁をガラス張りにしたらお洒落に見えるだろうという「デザイン先行」の発想を、無理やり「交流」というキーワードで正当化しただけだと思う。で、こうした事故の責任は誰が取るのか。
付け加えれば、「外からも内が見え、内からも外が見える」ことでなぜ「異分野の人々の出会い」が生まれるのか。異分野であるかどうかは話さないと分からないはずなのに、なぜお互いに「見た」だけで分かるのか。さらに言えば、図書館がなぜ異分野の人々の交流の場である必要があるのか。図書館でうるさく「交流(会話)」をされてはむしろ困るはずだ。
まあ、いい加減な仕事をして、それに対する弁解の言葉もいい加減だということだ。これは、現代社会のあちこちに見られる現象である。熱海の地滑りだって似たような原因だろう。新コロへの対応も新コロワクチンもすべて「言葉、言葉、言葉」である。その狂言(まさに狂人の言語に似た馬鹿芝居)の裏で利益だけを得て大笑いをしている連中がいる。

(以下引用)

図書館の本が真っ青 開放的過ぎた?「本に申し訳ない」

依光隆明
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 長野県のJR茅野駅に隣接する茅野市民館図書室が最近、ネットで熱い話題となっている。ずらりと並ぶ本の背表紙が退色してしまい、青っぽくなっているのだ。原因は紫外線とみられ、「本の悲鳴が聞こえる」「意匠重視の設計者の自己満足」などなど、ネット上では厳しい意見があふれるが……。市民館側には公共空間としての狙いと高所にあるがゆえの悩み、ジレンマがあった。


 茅野市民館は2005年10月にオープンした。キーワードは「交流」で、外からも見えるし、内からも外が見える。そうすることで異分野の人々の出会いを意識した。


 図書室は最も駅に近い空間に細長く作られている。長辺は両側とも高さ5メートルを超える全面ガラス。蔵書は約1万点で、片側の全面ガラスから茅野駅の列車やホームが見え、片側には八ケ岳の山々が映る。開放感とロケーション、日当たりは申し分ないのだが……。


 ネットの指摘通り、図書室に並ぶ本の多くは背表紙が青く変色している。


 「簡単に言うと色飛びです。日焼けで色が抜け落ちていく現象です」。話すのは茅野市民館ディレクターの辻野隆之さん(65)。辻野さんは国内外の芸術関係施設に関わってきた。


 「美術館が日照を計算するのは当たり前ですが、書籍も同じ。意匠も含めてきちんとしているのが書籍の価値なので、書籍に申し訳ない。なんとかしなきゃいけないと思っています」


 ジレンマという言葉を使いながら悩みを明かす。


 「15年前、オープン型図書室という新しい考え方でスタートしました。だから外に向かって本を見せているのですが、そうすると直射日光の影響を受ける。標高が高いので紫外線が特に強いんです。自然の力に影響を受けています」


 市民館の標高は約800メートルで、標高ゼロの平地よりも1割近く紫外線が強いといわれている。しかも全面ガラスは北東と南西を向いており、特に午後の日差しが強烈に差し込んでくる。対策としてガラスにはUVカットのものを使用、南西面にはロールスクリーンもつけたが、日差しの強さは予想以上だった。


 施設のデザインと図書館機能が相反した象徴的な事例だけに、ネットの反響も大きくなっている。最初のツイートから3日で「いいね」は7万を超え、リツイート(転載)は2万5千に達した。


 辻野さんは「自然の中にある開かれた空間というのが最大の特徴。設計思想をつぶすと持ち味もつぶすので、それは違う」と悩みを明かす。「なんとかしたいという思いは強いのですが……。答えが見つからないのが現状です」(依光隆明)



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