驚きの法改正ですが、そこには若者のボディイメージと健康に関する根深い問題がありました。詳細は以下から。


ノルウェー議会は7月、フォトショップでモデルの人物を「お化粧」した画像について加工した事実を明記することを義務付ける法改正案を72対15の賛成多数で可決しました。

対象となるのはインフルエンサーや企業が広告やその他の商業目的で用いる画像で、ツイッターやFacebook、TikTokにInstagramなどの全てのSNSに掲載されるもの。
今後は身体のサイズや形態、または肌の色つやなどに加工を加えた場合、所轄官庁の発行するラベルで各々の加工を明示することが必要になります。違反すると罰金刑となり、極端な場合は禁固刑もあり得るとしています。
またデジタル処理に限らず、物理的に変形させるような場合にも同様のラベリングが必要とされます。

理由としては、実際の人体としてはあり得ないような完璧すぎる美の基準が子供や若者に「ボディプレッシャー」として影響を与えてきた経緯があります。
自分が美の基準から外れていることがこうした若年層の自己肯定感を低下させたりいじめの原因となる他、無茶なダイエットなどで健康を損なうケースが問題とされてきました。

同国のInstagramのインフルエンサー、Madeleine Pedersenさんはインタビューに「今が変わるべき時だ。法改正で若い人が非現実のイメージと自分自身を比較することの歯止めになってほしい。あまりに多くの人が自分の顔や体に自信を無くしている」と答えています。
現実と区別がつかないほどに発展したデジタル画像加工技術の、レベルの高さゆえの危険性が法改正にまでつながった形です。

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