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「空中の美少女」1,2,3

別ブログに置いてあったものだが、今読むとわりと面白いので、ここにも載せておく。既成キャラを使う二次創作は楽しい。
今どきアドバルーンがあるか、という批判は無視する。これは昭和30年代あたりが舞台の「贋作名探偵コナン」である。

シナリオというよりは、漫画のネームを文章で書いたようなものになると思うが、橋本五郎の「空中踊子」を「名探偵コナン」のアニメ脚本にしてみる。骨組みだけである。



S1 米華デパート屋上の遊園地

コナンと「少年探偵団」メンバーが遊びに来ている。
コナン(独り言)「なんで俺がデパートの遊園地なんかに来なきゃならねーんだよ」
あゆみ「ねえ、コナン君、あれ乗ろうよ」(メリーゴーラウンドを指す)
コナン「いやだよ。子供っぽい」
あゆみ「あら、私たち子供じゃない」
玄太「何だ何だ。コナンだけ一緒かよ」
光彦「みんなで乗りましょうよ」
仕方なく、コナンも一緒に回転木馬に乗る。
大喜びのあゆみ。楽しげな玄太、光彦。やれやれという顔のコナン。
ふと遠くを見るコナン。
その目の先に、デパートの屋上端から上がっているアドバルーンが見える。
コナン「あれは……」


屋上と気球のちょうど中間くらいに、気球からロープで吊り下げられた物が見える。
風でその物の方向が変わり、それが何か分かる。

スポーティな身なりをした若い女性である。そして、それは死んでいる。

「それ」に気づいた他の客が悲鳴を上げる。


S2 米華デパート屋上

警察が屋上に出動してきている。
 目暮警部「死因は後頭部の打撲ですな。鈍器で頭を殴られて殺され、この気球に吊り下げられたらしい。コナン君より先に気づいていた人もいたようだが、その人たちはみんな人形だと思っていたようだ」
阿笠博士「しかし、何のために気球に吊り下げたんでしょう」
 目暮警部「世間を騒がすため、いわゆる愉快犯でしょうな」

近くで聞いている少年探偵団。
玄太「誘拐犯だって。誘拐犯じゃなく殺人犯だよなあ」
光彦「誘拐犯じゃなく、愉快犯です」
玄太「愉快犯? 愉快な犯人か? ピエロみたいな?」
光彦「世間を騒がして喜ぶという、精神の異常な犯罪者を愉快犯と言うんですよ」
玄太「へえ、そんな奴いるんだ」
あゆみ「こわいわ。そんな人がいるなんて。ねえ、コナン君」
コナンは難しい顔をしてコンクリートの上の死体を見ている。
コナン「この人、見たことあるよ」
目暮警部「ほう、そりゃあ助かる。身元の分かるものが死体には無かったからなあ」
コナン「ここに来る途中の米華劇場のポスターで見た顔だと思う」

S3 毛利探偵事務所

小五郎「あのフランシーヌ絢子ちゃんが殺されるとはなあ」
蘭「幻影マジックショーのアシスタントさんでしょう?」
小五郎「幻影マジックショーはマジックより、絢子ちゃんで持っていたようなもんだ。美人薄命とはよくいったもんだ」
蘭「私も気をつけなくちゃあ」
小五郎「お前は大丈夫だ。長生きするよ」
コナン、にやにやしながら聞いている。
蘭「で、お父さんがなぜ捜査に加わるの?」
小五郎「米華デパート社長からの依頼でな。デパートに悪い噂が立つ前に事件を解決してほしいそうだ」
コナン「ねえ、あのデパートの屋上は、夜は入れるの?」
小五郎「一応、鍵はかかるが、トイレの窓から出て屋上に入ることはできるようだ。特に盗まれるものは無いから、まあ飛び降り自殺志望者の侵入を阻止するだけが鍵の目的だったようだな」
蘭「お父さんは、何か事件解決の目当てはあるの?」
小五郎「まあ、ライバルデパートの社長なんか調べてみようかな、と思っているんだが」
コナン「幻影マジックショーの人は調べた?」
小五郎「特に絢子ちゃんの死に関係のありそうな人間はいない……って、何でお前が首を突っ込むんだよ」
コナンの頭をげんこつでなぐる。
コナン(頭をかかえながら呟く)「マジックショーに関係ないって本当かなあ」


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プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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