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日本という国における天皇の存在の意味

何度か引用した山本七平他の「日本教の社会学」の小室直樹と山本の対談が非常に面白く、啓蒙されるところが多い。その中で明治維新について論じた部分の一部を転載する。
これと同じ趣旨のことを司馬遼太郎も言っていたと思う。
この「天皇の威力」あるいは「権威」というものの力を現代の日本人は軽視しすぎているのではないか。面白いのは、江戸時代末期には天皇には何の「権力」も無かったという事実である。
下の出来事は、世界史の上でも唯一無二の奇跡だろう。
江戸末期の天皇は、いるかいないかも分からないような存在だったはずである。それが、いざという時に、これほどの力を持っているというところに日本という国、日本人の特殊性もあると思う。

(以下引用)

山本「明治維新というのは、革命としては、まさに他に例をみないほど、徹底したものだったんですね。」
小室「そうですよ。当時、そのありさまをみた英国公使パークスは飛び上がらんばかりに驚いた。一片の天皇の命令だけで、近代国家が一夜にしてでき上がる。天皇はまさに神である。ヨーロッパでこんな革命を遂行しようと思ったら、何千回も戦争をして流血の惨事を繰り返しても困難だろう、とね。」

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