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保育園増設問題は簡単に解決する?

こういう、単純でありながら、誰も思いつかないことを考えるのは偉い。
で、こういう案を出すと、それでは子供(幼児)がかわいそうだ、とか言い出すやつが出てくるのだよな。今何が一番大事なのか、優先順位と、できることできないことの区別を考えろ、と言いたい。この解決策は、誰にも迷惑をかけず保育園を作る、最高の案だと思う。
騒音の問題以外にも、送り迎えの親のおしゃべりがうるさいのなら、それは大人のマナーの問題だ。車の出入りが危険なら、それは保育園を作る場所の選定の間違いだろう。



蔵建て男 @kuratateo 10分前

コストはかかるけれど、保育園は騒音などを考えると地下というか、少し周りより低いところに作るのが良いと思う。あとは、光をいかに取り入れられるか。





(夢人追記)「泉の波立ち」にこういう記事があったので、追記しておく。保育園問題には利権問題も絡んでいるわけだ。



2016年06月07日

◆ 杉並区の保育園騒動

 杉並区で「公園をつぶして保育園にする」という方針が上がった。地元住民は大反対したが、杉並区は強行突破の方針らしい。

 ──

 5月29日に周辺住民への説明会があり、そこで大反対が生じて、30日ごろに報道された。
  → 杉並区の保育所建設予定地が公園で住民大反発
  → 保育所より公園?公園に保育所をつくる案に、杉並区民が大反対!

 これに対しては、賛否両論が生じた。
  ・ 住民が反対するのは、もっともだ。公園は必要だ。
   かわりとなる土地を探して、そこに保育園を建てればいい。
  ・ 住民の反対はエゴだ。保育所建設こそ最重要だ。
   かわりとなる土地を探したら、時間がかかって、間に合わない。
   (数年がかりだと、子供が成長してしまう。)


 こういう意見は、はてなブックマーク などに賛否両論が見られる。

 ──

 このあと、例の不明男児の騒動に埋もれて、すっかり目立たなくなっていたが、状況はいくらか動いていた。特に、住民の反対を押しつぶして、保育所建設を強行することになりそうだ。
 田中良区長は3日、住民の代表者らと面談したが意見は平行線をたどった。両者の溝が埋まらないまま、建設計画は動き出そうとしている。
( → 毎日新聞 2016-06-04
 反対している住民と田中良区長が3日、話し合いを行ったが議論は平行線に終わった。
 杉並区は、待機児童問題への緊急対策として来年4月までに区内15か所に新たな保育所を設置する方針を決めていて、このうち4つが公園の敷地内に建設する計画。
 区長は、住民らに対し公園の代替地を探すとした上で、予定通り公園に保育所を建設する方針を伝えたという。
 田中区長「待機児童対策は最優先の課題なので、ご理解を何としてもお願いしたい。その上で子どもたちの遊ぶ空間を確保する」
 住民「私たちがいくら訴えても(建設の反対を)受け入れてくれないのは分かった。代替地があればそこに保育園を建てたらいかがか」
( → 日テレNEWS24

 常識的に言えば、「代替地に建設する」というのが合理的だろう。

 ところが、これに反対する人がいる。「不動産業界を調べても、代替地の物件は見つからない」という論拠。
  → 杉並区の保育園反対運動に関する、実務家からの考察
 保育園問題の論客である駒崎弘樹という人の見解。この見解によると、杉並区どころか、23区内にも物件は全然ないそうだ。だから「公園をつぶして保育園を建てるのは当然のことだ」という理屈。

 しかし、である。その理屈が正しければ、23区内のあらゆるところで、「公園をつぶして保育園を建てるのは当然のことだ」という理屈が成立するはずだ。そして、他の 22区でも、「公園をつぶして保育園を建てる」という方針が取られているはずだ。
 では、実際にそうか? いや、違う。「公園をつぶす」なんていう方針を取っているのは、杉並区ぐらいだ。杉並区以外の多くでは、公園をつぶすことなく、保育園を増やしているのだ。
 このことを調べるには、「××区 保育園 建設|計画 」という検索語でググれば、該当の区の計画状況がわかる(こともある)。たとえば、下記だ。
  → 世田谷区の私立認可保育園の整備

 つまり、駒崎弘樹という人の見解は、ほとんど成立しないことになる。
( ※ 実を言うと、杉並区以外にも、公園をつぶそうとしてる区はある。荒川区がそうだ。→ 該当ページ

 では、駒崎弘樹という人の見解は、どこがおかしいか? 土地を探すには、流通中の物件だけを見ていることがおかしい。保育園を建設したければ、流通している物件以外に、自分で代替地を探すべきだろう。それには、Google マップを見ればいい。

 たとえば、今回の事例では、この公園をつぶそうとしている。
  → Google マップ(公園)
 見ればわかるように、すぐ西側に、空いている空地がある。だから、ここに保育園を建設することは可能だ。この土地の所有者に、売却を依頼すればいい。

 あるいは、ここ以外でも、もっと別の土地を求めてもいい。実は、この近辺には、すでに別の保育園がいくつもある。
  → Google マップの転載画像
 中央下側にある「久我山東原公園」の右にも左にも保育園がある。こんなところに、新たに保育園を建設する緊急性は薄い。もっと別のところ(保育園が近所にないところ)に、保育園を建設するべきだろう。特に、土地の取得のしやすいところを選べばいい。

 ──

 とはいえ、売りに出ていない物件を購入するとなると、交渉に手間がかかるし、時間がかかる。これでは「待ちきれない」と思う住民も出てくるだろう。では、どうする? 
 方法は、三つある。

 第1に、「定期借地権」を利用することだ。土地を売ってくれそうにない地主が相手のときには、50年ぐらいの長期借地権を設定して、将来の返却を確約すればいいだろう。別に、購入する必要はないのだ。

 第2に、建設しやすい「小規模保育所」を導入すればいい。これだったら、民間のビルの一室に作ることもできるし、住宅地の空き家に作ることもできる。
 実際、SUUMO で検索すると、物件は6万件以上も見つかる。
  → 【SUUMO】東京都杉並区の物件情報(広い順)
 ちなみに、例の駒崎という人もまた、「小規模保育所」を経営している。自分もそうしているんだから、そっちを提案すればいいのにね。
 また、土地だって、小規模であれば、杉並区内に 440件も見つかる。
  → 【SUUMO】 「杉並区」 宅地・分譲地の購入情報(広い順)
 先に駒崎という人が「物件はない」と言ったが、それは、600平方メートル以上の広さの物件だから。そうではなく、小規模の土地でもよければ、440件も見つかるのだ。( 600平方メートル以上が2件。400~500平方メートルが3件)
 これだけあれば、保育園を五つ建設できる。公園を4個もつぶすよりは、既存の物件を買う方がいいだろう。

 第3に、既存の保育園を利用しながら、保育士を増やすことで、利用率を高めればいい。というのは、保育士不足で、十分に利用率が上がっていない保育園が多いからだ。

 ──

 以上のうち、どれが有効か? 実は、三番目が最も有効らしい。つまり、現状では、ボトルネックは、建物の不足よりは、保育士の不足にある。このように保育士が不足したまま、どれほど建物を増やしても、保育園不足は解決しない。建物ができても、保育士がいないのでは、保育できないからだ。
 逆に、保育園の量はそのままでも、保育士給与を引き上げることで、保育士の数を増やせるから、収容できる児童の数は軍と増やすことができる。(上限はあるが。しかし現状では、その上限に達していない。)

 実例は、読売新聞・朝刊 の記事に記してあった。
 待機児童を大きく減らした自治体もある。昨春の397人から今年は待機児童を解消した熊本市。保育現場で働く補助スタッフが保育士資格を取る際、受講料の半額を支援するほか、比較的短い期間で開設できる小規模保育所の整備も進めた。
( → 読売新聞・朝刊 2016-06-06
 熊本市は 26日、認可保育所などへの待機児童数が、政令市移行後初めてゼロ(4月1日時点、前年同期比 397人減)になったと発表した。ただ希望通りに入所できず、認可外保育所に通ったり、全く保育所に通っていなかったりする「保留児童」として数えられる子どもは 450人に上っている。大西一史市長は記者会見で「実質的な待機児童ゼロに取り組みたい」と話した。保留児童は昨年同期比 351人減だった。
( → 熊本市の待機児童「ゼロ」に [熊本県] - 西日本新聞 2016年05月27日

 つまり、保育士の増加と、「小規模保育所」の開設で、待機児童ゼロを実現できたのだ。
 ここでは、「公園をつぶす」なんていう乱暴なことはしていないのだ。



 [ 付記1 ]
 「保育園建設のために公園をつぶす」という乱暴な方針については、批判もある。
 公園はかなり特別な意味を持つ場所だと思う。私自身の子育てを振り返っても、公園は必要欠くべからざるものだった。なにしろ首都圏で暮らしていると庭と言えるものが持てない。子どもを太陽の下で走り回らせるのに、公園は必須だ。父親たちは公園がないと子どもたちとどこで触れ合えばいいか途方にくれるだろう。母親たちは公園を通じていわゆるママ友と出会い、コミュニティを形成する。あるいは、公園ではお年寄りと子どもが時にふれあい、優しく声をかけてもらう。世代を越えた交流が時に引き起こされるのも、公園の特長だ。
 公園は子育てに必要であるばかりか、その地域の人びとが自然と集まりゆるやかなコミュニティを形成する、非常に大事な場所だというのが私の実感だ。
( → 杉並区の保育園問題。公園転用への反対は住民のエゴではない。

 空地や空き家を保育園にすることに反対するのであれば、「住民のエゴ」と言えなくもない。しかし、公園を保育園にするのは、話が違う。それは、「地域のコミュニティの基点をつぶしてしまう」ということだ。弊害があまりにも大きすぎる。
 それはいわば、「学校や警察や消防署をつぶす」というのと同様の、公益的機能の喪失なのである。代償は、あまりにも大きい。

 [ 付記2 ]
 公園というものは、幼稚園児~小学校低学年にとっては、ものすごく重要なものだ。私自身、公園を利用していた時期のことを思い出して、すごく重要であったことを理解した。
   人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ
 という本があるくらいだ。この「砂場」というのを、「公園」と置き換えてもいい。
 とにかく、公園というのは、すごく重要だ。それを利用できない幼児は、将来的には、コミュ障になりかねない。
 こういう公園を取りつぶそうという方針は、子供の世代の将来を破壊するのも同然だろう。

 [ 付記3 ]
 公園をつぶすことの弊害は大きい。だから、たいていの自治体では、公園をつぶそうとはしない。
 ではなぜ、杉並区ではやたらと公園をつぶそうとするのか?
 それについては、「公園をつぶすことのメリット」を考えるといい。通常、公園をつぶすことには、何もメリットはないと思える。しかし、たった一つ、巨大なメリットが生じる。それは、業者の利権だ。
 公園という公的な財産を、保育所に転用するならば、「公的目的」という理由で、格安で譲渡されることが予想される。となると、譲渡してもらった業者は、莫大な差益を得ることができる。そこには利権が生じる。
 といっても、そういう利権が入るとやばいことは、すぐにわかる。だから、たいていの自治体では、そんなやばいことをしない。
 しかし、杉並区だけは違う。この自治体は、利権まみれの自治体なのだ。すでに前例がある。
  → 田中ゆうたろう杉並区議の親族経営保育園の土地について
  → 田中杉並区議親族経営の保育園に補助金1・6億円、うち4700万円は身内別法人への「地代前払い金」と判明 ?

 杉並区というのは、こういう腐った自治体なのだ。だからこそ、公園という公共財産を、特定の一業者に格安で払い下げようとする。それこそが、「公園を保育所に」という方針に、杉並区だけがことさらこだわる理由なのである。

 冒頭でも述べたが、田中良区長は、何が何でも公園を払い下げたがっている。彼の目的は、保育所建設ではなく、公園の払い下げなのだ。保育所を建設するのであれば、他にも方法はいくらでもある。しかし彼にとっての最終目的は、公園の払い下げだからこそ、何が何でも公園をつぶそうとしているのである。

( ※ 「田中良」と「田中ゆうたろう」は、同姓なので、縁戚関係にでもあるのかと思ったが、そうでもないようだ。田中角栄と同程度の他人であるようだ。田中という姓は多い。)
 


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