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プーチン対EUの戦い

「反戦な家づくり」経由で知った記事である。ウクライナの置かれた状況とロシアの関係を分かりやすく書いてある。
ソチオリンピックでロシアが動けないことを利用して、EU(あるいはNATO)はまんまとウクライナにクーデターを起こしたわけだが、プーチンともあろう切れ者が、この可能性を読んでいなかったとは考えにくい。遅かれ早かれ、ウクライナでこうした事態が起こる可能性はある、と読んで、「後の先」(相手に先に攻撃させて、反撃する)の策を取ろうという意図だったのではないだろうか。世界のマスメディアを支配するのは西側だから、ロシアがウクライナを「保護」するための軍事行動を起こせば、「侵略」である、として世界的な批判が巻き起こることは明白である。今後の展開(マスコミ報道による歪曲は当然ある)が見ものだ。
さて、当事者国民の中には巻き添えで死傷した人も多数いるだろうから、野次馬的興味で眺めるのは良くないのだが、「騙されるのは騙される方に半分の責任はある」というのが私の主義なので、EUに思うがままに操られたウクライナ国民にあまり同情はしていない。中東における「偽装民主化革命」から何一つ学んでいないではないか。それよりも、プーチン対EUの頭脳戦の方が興味深いのである。もちろん、EUとは言っても、それを実質支配しているのはユダ金だろう。


(以下引用)



 今回の事態の進展から「ウクライナが東西に分かれるのではないか?」という観測が出ています。これは滑稽なシナリオではありません。なぜならウクライナはソ連時代に大量のロシア人がウクライナに強制移住させられた歴史があり、その関係でロシアに対して親近感を持つ国民も多いからです。

乱暴に言えば、ウクライナはキエフを中心として東と西に真っ二つに分かれており、言語的、文化的、宗教的に異なるエスニック・グループを形成しています。東ウクライナはロシア寄りで、西ウクライナは欧州寄りなのです。

両地域は経済的にも雲泥の差があります。東には大きな産業が集中しており、その中心であるドニエプロペトロフスクの一人当たりGDPは4,748ドルで、西ウクライナの中心都市リヴィヴの一人当たりGDPの2,312ドルを圧倒しています。

ウクライナが東西に分断される場合、キエフがどちらにつくのか(キエフの真ん中をドニエプル川が流れています)、そしてロシアの軍港のあるセバストポリの帰趨が当然、注目されるわけです。

昨日ウクライナ議会が決議したように繰り上げ総選挙が実施され、ウクライナがロシアの影響圏から離脱するというシナリオは、当然、ロシアには容認できない事態です。しかし今回、ロシアは鷹揚に構えて、全く動きを見せていません。

この第一の理由は言うまでも無く、今、ウクライナに近いソチで冬季オリンピックが開催されており、その最中にお祭り気分を害するようなことはしたくないという計算があると思います。

さらにロシアは反政府派のスタミナが切れるまで、じっくり時間をかけて相手を泳がせているという解釈もあります。 ロシアはヤヌコビッチ大統領に対しても、あたかも梯子を外したかのような、クールな態度を取っています。

これは必要であれば、後日、ロシアは幾らでもウクライナを締め付けることが出来ることによります。なぜならウクライナにはロシアの「ソユーズ」ならびに「兄弟」パイプラインが通っており、ロシアから西欧に輸出される天然ガスの80%が、ウクライナを通過するからです。

Major_russian_gas_pipelines_to_europe
(出典:ウィキペディア)

ウクライナはそのパイプラインにより天然ガスをロシアから供給されており、西欧諸国への売り渡し値段より安い価格を保証されています。EUの天然ガスの25%はロシアから提供されているのです。

したがって若しロシアがウクライナの扱い方を間違えると、単に衛星国のひとつを失うだけでなくロシア最大の外貨獲得企業であるガスプロムの経営をも根幹から揺るがしかねないことになるわけです。

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack







(追記)「ネットゲリラ」コメント欄に伊井暇幻氏のコメントがあり、面白いので紹介しておく。私はこの伊井暇幻氏の文章が好きなのだが、「ネットゲリラ」コメント欄は見落とすことが多いので、残念だ。彼自身がブログを書けばいいのに。(それとも、すでにあるのかもしれない。)



伊井暇幻 | 2014年3月 1日 21:38 | 返信

もう三十年ほど以前になるのか、MaxHeadroomなる番組があり、主人公のテレビ・レポーターが「いつから報道ニュースはエンタテイメントになったんだ」と上司に食って掛かると「初めからだよ」と切り返されていた。


現在日本に於いては、創価学会やら統一協会、交付の科学など怪しいカルト集団はあるし、在日やらワーキングプア、ニートなど、国家の和を紊す問題は数多い。しかし、まだしも国家を二分する程の、強烈かつ大規模な線引きは構築できないでいるようだ。何となく共存してしまうヤオヨロズ感覚の御蔭か。とはいえ官僚制と一心同体の商業メディアは、この国を一層の不安定に陥らせるべく、強固な分断線を発見すべく鋭意努力を続けているように見える。御先棒を担いでいるのが、西洋流の民族主義を掲げるアベッチなのであるが、上記の「ヤオヨロズ感覚」こそ日本民族の真骨頂であり、何処の安っぽい教科書を使ってるんだか、「西洋流の民族主義」を掲げざるを得ない時点で日本に於いて「民族主義」ではあり得ないというトンチンカン。教科書通りにしか出来ない過去脳が背後にいるのだろうが、教科書は選ばんとな。一神教的単純硬直/一筋縄でいかないのが、日本だ。二本というぐらいなんだから。


ウクライナの問題も、此処で多くの方々が暗に指摘するように、世界覇権の調整を試み以て国家グループ間の均衡を一時的にでも崩すことによって利益を追求する、例えば国際資本が、背後に控えているのは、間違いあるまい。
要するに国家を混乱させるためには内部に分断線を引くことが常道だが、元々民族・宗教対立を抱えていれば、楔を打ち込む場所が判り易い。地理上でも民族の状況などでも、ウクライナは美味しい場所だった。


と、此処迄は多くの日本人が気付くことだろう。が、中央商業メディアの報道ニュースは、飽くまで【対岸の火事】として伝えてくる。刺激的な現象面のみを華々しい映像により強調する。
火事と喧嘩は何とやら、他人の不幸は鴨の味。「いよっ大統領! 流石プーチン素早いねっ」「ヨッシャッ、第三次大戦勃発か」。現在のところ偶々遣り易かったからウクライナが焦点になっているだけであり、東亜も標的になっていることを忘れて、はしゃぐ、はしゃぐ。
実際に第三次大戦に突入すれば、日本とて「対岸の火事」とか嘯き安穏ではいられなくなるにも拘わらず。そういう御仁は、いきなり自分が師団長に任命され半島を蹂躙できると夢見てるんだろう。大言壮語を吐きながら、屠所に引かれる、陽気なドナドナ。笑うしかないか。









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