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英語の謎語と黒人語

英語では、誤字や造語の意味が判別しにくい例として、「鏡の国のアリス」の中の詩「ジャバウォッキー」の第一連を転載する。この詩が理解できた人、あるいは日本語に訳できる人は凄い能力である。


Twas brillig ,and the slithy toves
  Did gyre and gimble in the wabe:
All mimsy were the borogoves,
  And the mome raths outgrabe.

まあ、意図的に謎化を目的とした詩だが、英語民族にはある程度の雰囲気や状況は漠然と伝わるとしても、他国人にはほとんど無理だろう。なぜ「漠然と伝わる」かと言うと、文章の骨格を作る単語は普通だからだ。その部分以外の「謎語」だけ赤字にしてみる。(辞書は引いていないので、私が謎語扱いしている語が普通の単語である可能性もあるが。)




Twas brillig ,and the slithy toves
  Did gyre and gimble in the wabe:
All mimsy were the borogoves,
  And the mome raths outgrabe.

つまり、謎語のほとんどは名詞であり、二語を圧縮した造語で、これを後で出てくるハンプティダンプティは「鞄語」と命名している。
なお、冒頭の単語がたぶん「It was」の鞄語だろうとは推測できるが、このような短縮形は英語では普通なので、鞄語と言うほどでもない。(形容詞も「これは形容詞のようだ」と推定できるようだ。slithy やmimsyは形容詞だろう。)
黒人語にもTwasのような非正規短縮形があるようで、ラングストン・ヒューズの短編小説の題名に、こういうのがある。

「Tain't so」

これを訳者は「そんなこたないす」と訳しているので、最初の単語は「That ain't 」の短縮形で、ain'tはisn't(is not)の黒人的表現だろうと推測できる。(「そんなこたないす」は、図書館からたまたま借りていた本にあったので、私が記憶から引き出してきたものではない。当たり前だ。私はパソコンではない。)

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