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老女と若者の恋

思索倉庫としている別ブログに書いたものだが、このアイデアはなかなかだと思うので、多少はPV数の多いこちらのブログにも転載しておく。映画プロデューサーや映画関係者の目に留まった場合、アイデア使用は自由である。そのアイデア自体、昔の何かのバリエーションにすぎないのだから。


(以下自己引用)

江戸川乱歩の「心理試験」を読んでいて、ストーリーとはあまり関係の無い部分から、ひとつの脚本構想を思い付いたのだが、要するに「未亡人下宿」という昔のエロ映画の定番と、「少年は虹を渡る」のミックスである。

親に言われるままに、政略的事情から愛のない結婚をして、資産的には恵まれたが不幸な結婚生活をしてきた初老の女性が夫の死後の一人暮らしに刺激を求めて自宅で下宿を始めるが、その下宿人(複数いることにして「めぞん一刻」風のドタバタを入れてもよし。)の若い学生に恋をする、という話。
学生は最初、その女性の好意を単に母親的なものだと考えて好感を持つが、やがてそれが自分への恋だと知って戸惑い、悩む。(学生には学生仲間である恋人もいる。)だが、その女性の知性と優しさを深く知るうちに、自分も本気でその女性を愛しているのではないか、と思い始めるが、今度は、「財産目当てで老女を騙している」と周囲から見られないかと悩み始める。
すったもんだの末、二人は結ばれる、という話。

私自身ではうまく書けるとは思わないが、山田太一くらいの脚本家なら面白い脚本が書けるのではないか。カンヌ映画祭などに出したら受けそうな話だと思う。あちらは女性、特に年配の女性への敬意が高いし、恋愛至上主義文化だから、老女と若者の恋というのは高く評価されると思う。
なお、「少年は虹を渡る」はファンタジー色の強い美しい主題曲(「雨に濡れた朝」)と、老女と少年の性行為まで描いた(直接描写ではないが、「事後」の姿を見せる。)こと、老女の自殺という救いの無い結末が水と油で、見た人の心に割り切れないものが残る映画だった。

原田知世が60歳くらいになったら、彼女の主演で作るといいのではないか。題は、とりあえず「虹の彼方に」でいいと思う。これは、虹の両端が若さと老いを象徴し、虹を渡ることの困難さが、老女と若者の恋の実現の困難さを象徴する。主題曲はもちろん「オーバー・ザ・レインボウ」だが、著作権が問題なら久石譲あたりに作曲してもらいたい。
監督は是枝何とか氏(下の名は失念)でどうか。恋愛映画よりはドキュメンタリー風のリアリズム映画が得意な人で、「海街diary」などは、残念ながら期待した出来ではなかったが、もう少し風景描写を詩的にしたら、いい映画の撮れる人だと思う。あるいは、山田洋次の最後の監督作品でどうか。そうすると、老女役は倍賞千恵子か。まあ、それでもいい。あるいは、酒井和歌子なども、そういう役にふさわしい年齢ではないか。要するに、昔の清純派美少女に似合う役だと思う。

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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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