世の中、何が起こっても不思議ではない。
歴史は、それを示している…
…、だが、過去がそうだから、未来もそうなるとは必ずしも言えない。
陰謀論では、ドル崩壊のショックドクトリンが計画されているといった話が広められている。
そういうものが語られるには、それなりの根拠があって、一概に否定することはできず、”陰謀論”のひとことで片づける態度は間違っているだろう。
その”都市伝説”を完全に葬り去れる根拠をもっているのでもないかぎり、決めつけるのは損である。
ただ、”ドル崩壊”伝説は、まあなんというか…ずっと議論されていることである。
「ドル崩壊」「アメリカ崩壊」などと噂されながら、いまだにしっかりドルもアメリカも存在している。
したがって、今後も、これらは”噂”に留まるであろう…そう考えても、おかしなことではない。
ただし、単に「何も起こらない」「危機は回避される」と、ノーテンキに構えると”痛い目”にあうだろう。
まず第一に、危機は回避するような努力が行われるものである。
たとえば、「金本位制」から自由相場に移ったのは、具体的な「ドル危機」回避策である。
もちろん、ただじゃすまない、世界に激震が走った…のであるが、さて…
では、聞くが「金本位制」停止でだれが大きな被害を受けて、それを記憶にとどめたであろうか?
そんなこと、経済や歴史の勉強でもしなければ、「だれも知らない」ことである。
だから、”ドル崩壊”が現実になったとしても、だれもそのことを「”ドル崩壊”によるこの世の終わり」などとは受け止めないかもしれない。
原発事故で、とんでもないことになっているにも関わらず、大半は「ふつう」に暮らしている。
まあ…そっちの”事実”の方がわたくし的には「よっぽど”怖い”し、「日本の終わり」だとも思うが…
「ふつう」の日本人にとっては、「ふつう」の毎日があるだけであり、「ふつう」に生き、「ふつう」に死んでいくだけのことでしかない。
それは、これから放射線障害で多くの人間が死んだり、病気になったりすることがあったとしても、「ふつう」に病気になり、「ふつう」に死んでいくだけであって、「放射能」がどうこうなんて、知っていようが知っていまいが関係ないことなのである。
多くの日本人にとって、それこそが「ふつう」のことなのだ.
仮にいま、危機を回避して「命が助かった」と喜んだとしても…
「人はいつか必ず死ぬ」という宿命は、なにも変わってはいない。
そのときまでは生き、そのときがきたら逝く…ただ、それだけのことなのである。
だから、案外「大したこと」じゃないのだ。
チェルノブイリを上回るような事態が生じていても「大したことない」のだから…
それから第二に、”ドル崩壊”なんて とっくにしてますよ。この上何か?…ってな話…
『やまはFX』さんのブログに、おもしろいチャートを見つけた⇒ダウゴールドレシオチャート
クリックして、そのチャートをみていただきたい。
金何オンスでダウが一単位買えるかというチャートである。
ダウチャートを検索してチャートを見れば、一本調子で力強く上昇しているようにみえる。
どう考えてもアメリカ経済は空洞化し、ボロボロ。なんで”株高”が続くのかと不思議であろう。
だが、金を基準に考えれば、ダウの価格は2000年をピークに一貫して下落を続け、いまや日本がバブルだったころの19990年当時の水準にまで落ちこんでいるのである。
2000年から金価格は上昇し、2012年でいったんピークをつけて今に至るが、だれも「金が値上がり」という視点でみているだけで、金を基準にして「自分たちの資産が下落している」とは考えなかった。
…まあ、こんなものである。
金融や経済について無知であるということは、とんでもないことだが、本人にとっては「大したこと」ではない。
それで1000万単位の資産を失ったとしても、(絶対そうだと気づきなんかしないからw)ドロボーや罰金やギャンブルで失った10万円の方が「おおごと」なのである。
だから、今後もこのように、いつのまにか”崩壊”しているのに、だれもそれに気づかないで「平和な」日々を送り続けるってことになるのではないか?
私としては、こっちのシナリオの方が実現確率が高いと思う。