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「団体行動」と「チームプレイ」

米原万里の「打ちのめされるようなすごい本」の解説に井上ひさしが、この本の中での米原万里の言葉として書いているが、これは非常に面白い指摘だな、と思ったので引用しておく。

「日本人は団体行動は得意だが、実はチーム・プレイは苦手である」

何となく、この指摘は正しいようでもあり、間違っているようでもある。
正しいと感じる理由は、サッカー、間違っていると感じる理由はかつての東京オリンピックの女子バレーボールだが、サッカーも東京オリンピックでは好成績を挙げたのだから、これは、世界の中でのサッカーやバレーボールがまだ市民権を得ていない時期だったからかもしれない。それ以降で集団競技で日本が活躍した事例はせいぜいWBC(ワールドベースボールクラシック)での日本の優勝くらいか。ただ、これも野球が普及している国の数が少ないことが大きな原因だろう。それに野球は「個人プレーの集合」というスポーツであり、チームプレーが主体ではない。
で、米原万里の指摘が正しいと仮定して、その原因を考えてみると、

「団体行動は『上からの命令に従順に従うこと』であり、チームプレーは『各人が自分の為すべき仕事を熱意と誠意をもって実行する』ことだから」と言えるように思う。

しかし、そうだとすると、日本以外の外国の人も同じ(チームプレーなどしない)なのではないか、という気もしてくる。特に、仕事をやる際の真面目さは、日本人のほうが世界的にも上位だと思われる。ならば、この「チームプレーの定義」は間違っていると思われる。では、「チームプレー」に必須の要素は何か。
それは、「全体の目的を最優先する」姿勢なのではないか、と今考えたのだが、どうだろうか。つまり、目先の功利ではなく、「最終的な目的のために自分は今、何をすべきか」を考える姿勢だ。これは組織の指導者も同じことである。日本の場合、何か「やっているふりはする」が、それが何のための仕事なのか、ということがいつの間にか見えなくなって、スローガンだけで動いていることが多いのではないか。
最終的な目的のために役立つかどうかではなく、自分のポジションでの評価だけが問題というのは日本人だけでなく世界的にそうなのだろうか。
かなり不満足な考察なので、いずれまた考えてみたい。少なくとも「団体行動」はロボット(自分で考えない機械的存在)がもっとも得意とするもので、日本人もそれが得意なのは分かる。




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