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雨の音が聞こえる

現在、深夜2時半過ぎだが、ここ(南海の某県の海浜地帯、気温は20度くらい)では雨が静かに降っている。目が覚めてまもなく雨の音が聞こえたので雨が降っていることに気が付いたのだ。
と同時に、雨の音を聞くといつものことだが八木重吉のあの詩を思い出す。正確には思いだすのは最初の2行だけだが、後半の2行もうっすらと内容はわかっていて、その後半の2行で前半の2行が(後半部分は目には見えないまま)支えられているというイメージだ。


 


雨の音がきこえる


雨が降っていたのだ


あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう


雨があがるようにしずかに死んでいこう





前半2行だけでも素晴らしい詩で、こんな単純な言葉で「我々はいつも、大事な何かに気づかないままに生きている」という人生の実相を、優れたイメージで描き出せるのが八木重吉という詩人だ。彼の一生の作品が仮に前半2行の「雨の音が聞こえる 雨が降っていたのだ」だけでも、永遠に文学史に残っていい詩人だろう。
さらにこの詩の最初の1行だけでも素晴らしいフレーズであり、これを自分の漫画のタイトルにしたのが、「漫画界の桂冠詩人」である大島弓子だが、その漫画のタイトルが八木重吉の詩だったことを私が知ったのは彼女の初期のその漫画を読んでからかなり長い時間が経ってからだった。



















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酔生夢人
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男性
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仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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