まあ、それほど驚くような内容ではないが、真実というのはだいたい平凡なものだろう。
私自身は基本的には岸田総理を好きだが、それはその前の安倍や菅や、あるいは総理候補だった河野太郎や高市早苗や小泉進次郎などより百倍はマシだ、という考えである。だが、その政治的判断のすべてに賛成するわけではないのは当然だ。特に、「憲法改正(いや、改悪)」については真向から反対だ。
私は戦後日本の発展は「軍事費にカネを使わなかったこと」「戦争をしなかったこと」に一番の原因があると思っており、日本の衰退は「冷戦が終わって米国が日本からの収奪を露骨化し始めたこと」によると思っている。まあ、小泉・安倍・竹中による新自由主義の拡大はその一部である。
アメリカそのものも産業の空洞化によって、詐欺的金融と情報産業独占による「実体経済から遊離したバブル経済」で何とか生き延びてきたわけで、憲法改正(改悪)などしたらこれまで以上に日本は米国に利用されるだけだろう。なぜ改正(改悪)したいかと言えば、このままでは日本を利用する連中(DS)にとっての操作性が主に9条によって不便だからだろう。逆に言えば、それこそ9条の存在が日本にとってどれだけ価値があったか、ということだ。(それ以外でも自民党の「改正案」は基本的に「人権制限」の方向がある。つまり、政府の意思で国民をどのようにでも支配できるようにする、ということだ。これは自衛隊の国軍化の意図と並行しているかと思う。さらに言えば、米国的な「戦争の産業化」に日本も加わるということだ。)
(以下引用)
岸田首相が憲法改正に熱心な3つの理由―中国人専門家
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中国現代国際関係研究院日本研究所副研究員の霍建崗氏はこのほど、中国共産党系の環球時報への寄稿で、岸田文雄首相が憲法改正に熱心な3つの理由について論じた。
中国現代国際関係研究院日本研究所副研究員の霍建崗(フオ・ジエンガン)氏はこのほど、中国共産党系の環球時報への寄稿で、岸田文雄首相が憲法改正に熱心な3つの理由について論じた。
岸田首相は13日の自民党大会演説で、重要な課題として憲法改正を挙げた。記事は、ハト派とされる岸田氏のこの動きに対し、「安倍晋三元首相と同様に憲法改正に熱心なのか」「日本の政策に大きな変化が生じたことを意味するのではないか」などと外部から驚きいぶかる声も聞かれるとした。
その上で、岸田首相が憲法改正に熱心な理由として、まず「次の参院選」を挙げ、「岸田氏にとって、今夏の参院選は、自民党総裁の任期3年を全うするための唯一のハードルだ。このハードルを越えれば、衆議院を解散しない限り、今後3年間は国政選挙が行われない。参院選の結果は今後の執政に極めて重要で、自民党のコアな支持層が求める憲法改正を声高に叫ぶのは、有権者の歓心を買うためだ」とした。
次に「安倍氏との関係の維持」を挙げ、「安倍氏と岸田氏は微妙な関係にある。自らの道を進みたい岸田氏に対し、安倍氏は『安倍路線』継承を望み、岸田氏の動向を警戒している。安倍氏は、岸田氏の『新しい資本主義』には賛同していないが憲法改正の主張には満足している。岸田氏の動きは、安倍氏に恩を売って関係を維持するためのものだ」とした。
さらに「憲法改正熱の保持」を挙げ、「安倍氏も岸田氏も現時点で憲法改正の可能性が低いことは分かっているが、それを大々的に宣伝することで『民衆を教育』し、憲法改正を支持する民衆の割合を高め、将来的な国民投票に向けて不足を補おうとしている」とした。(翻訳・編集/柳川)