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才能のある下種の死

2月に死んでいた(「亡くなる」という言い方は相手を尊敬する場合にしか使えない印象なので、ここでは使わない。死者は誰でも尊敬すべきだという意見にも与しない。)ことはまったく知らなかった。ネットでほとんど話題にならなかったのが不思議である。まあ、政治的にはもはや無意味な存在だったから、私の見る政治サイトでは無視されていたのだろう。
だが、文学者としての初期作品は、小説世界に新しい地平を開いたという点ではたとえば三島由紀夫よりも大きな存在だったと私は思っている。(三島と親しかったドナルド・キーンの言葉だったと記憶しているが、三島は「文芸評論家としては一流、小説家としては二流」と評価していた。私も同感である。)ただし、その「新しい地平」が世間の道徳性に巨大な悪影響を与えたというのも事実だろう。まあ、政治家にまでなったのは悪い選択だったと思うが、「書くことが無くなったので政治家転身」という処世術だったのだろう。アメリカに「NOと言える日本」を主張していたはずが、アメリカの走狗になるという汚い生き方だった。
要するに「才能のある下種」である。長生きしすぎた人間だ。

(以下引用)


安倍氏「傍若無人に振る舞いながらも愛された」…石原慎太郎氏お別れの会


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読売新聞オンライン

石原慎太郎氏のお別れの会であいさつする安倍元首相(9日)








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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
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