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ラジオが「生活」の中にあった時代

「この世界の片隅に」のテレビシリーズを作るなら、ぜひやってほしいことが、当時の流行歌を幾つかのシーンの中に入れることである。
歌は生活の重要なアクセントであり、特に、ラジオ以外には社会につながる「毎日の娯楽」というものがほとんど無かった時代には、ラジオから流れる音楽やヒット曲は、庶民の毎日の生活を彩る存在であったはずだ。
戦時の生活を描く映画やテレビドラマで当時の歌を使うとなると軍歌ばかりになりがちではないかと思うが、軍歌ではない流行歌もたくさんあり、それらは当時の人々の心を潤していたはずである。それはけっして無視できるような小さなものではない。
映画「この世界の片隅に」では、残念ながら当時の歌は「隣組」だけしか使われていないが、その頃の流行歌を多用することで、すずさんやその家族の生活がもっと生き生きとした形で観客に伝わったのではないか、と、まあ、「隴を得て蜀を望む」ような希望を書いてみた。(「隴」の字がこれだったかはあやふやだ。何しろ「ボウショクの嘆」という故事成語がワードでは出て来ない、というか、このパソコンの漢字変換機能では出て来ないのだから。)


(以下引用)赤字にしたものは、映画のいいアクセントになりそうな歌だと私が思うもの。(私が好きなものが大半だが、私はそれほど好きではないが、当時の世相に一番ふさわしいものも入れてある。)このほかにも「戦時歌謡」の中で使えそうなものはあるはずだが、題名を失念した、というか、特に意識して覚えてようともしていなかったのが少々残念である。たとえば「おみやげはな~に~籠のオウム」というフレーズが印象的な、隣の村にお嫁入りする娘さんを歌った歌など、すずさんのお嫁入りに実にぴったりだと思う。そして、私が一番好きな「エーライシャン」や「蘇州夜曲」などが、下のリストには漏れている。浅草オペラのヒット曲なども漏れている。
なお、戦争のかなり前の曲も赤字にしてあるのは、当時の流行歌の生命は今よりはるかに長かったからである。何しろ、20世紀初頭の「美しき天然」を、今の私(21世紀の住人だww)はまだ好きなのだから。そして、そういう人は私だけではないと思う。

00年代

  • 1901年:箱根八里、美しき天然
  • 1902年:陸奥の吹雪、嗚呼玉杯に花受けて、ワシントン
  • 1903年:春風
  • 1904年:日本陸軍
  • 1905年:白虎隊、戦友、美しき天然
  • 1906年:紅萌ゆる岡の花
  • 1907年:デカンショ節、旅愁
  • 1908年人を恋うる歌
  • 1909年野中の薔薇ローレライ

10年代[ページの先頭へ]

  • 1910年真白き富士の嶺、水師営の会見、鎌倉
  • 1911年:鳩、桃太郎
  • 1912年都ぞ弥生
  • 1913年早春賦、城ヶ島の雨
  • 1914年カチューシャの唄朧月夜故郷、マックロ節
  • 1915年ゴンドラの唄
  • 1916年:電車
  • 1917年コロッケの唄
  • 1918年浜辺の歌、新金色夜叉、宵待草
  • 1919年:東京節

20年代[ページの先頭へ]

30年代[ページの先頭へ]

  • 1930年:祇園小唄、すみれの花咲く頃
  • 1931年:酒は涙か溜息か、丘を越えて
  • 1932年:影を慕いて
  • 1933年:東京音頭
  • 1934年:赤城の子守唄、国境の町
  • 1935年:平城山、野崎小唄、明治一代女
  • 1936年:忘れちゃいやよ、東京ラプソディー、ああそれなのに、うちの女房にゃ髭がある
  • 1937年:人生の並木道、あわが戦友、別れのブルース、若しも月給が上がったら、露営の歌
  • 1938年:旅の夜風、人生劇場、支那の夜麦と兵隊
  • 1939年:父よあなたは強かった、兵隊さんよありがとう、一杯のコーヒーから

40年代[ページの先頭へ]

  • 1940年:紀元二千六百年、東京の花売娘、目ン無い千鳥
  • 1941年:暁に祈る
  • 1942年朝だ元気で、明日はお立ちか、婦系図の歌
  • 1943年:若鷲の歌
  • 1944年:ラバウル海軍航空隊
  • 1945年同期の桜ラバウル小唄
  • 1946年リンゴの唄
  • 1947年:啼くな小鳩よ、とんがり帽、星の流れに
  • 1948年:東京ブギウギ、異国の丘、憧れのハワイ航路
  • 1949年:青い山脈、銀座カンカン娘、夏の思い出長崎の鐘、悲しき口笛


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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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