死にたいと思っても、自力で死ぬ勇気が無い、という気持ちは分かる。体が不自由なので自分では死ねない、という状況もありうるだろう。
前々から書いているように、「安楽死」「尊厳死」が可能なように法制化するべきだと思う。それどころか、国立の「自殺幇助施設」を作るべきだと私は考えている。
なぜ、自殺や自殺幇助が悪だと考える人が多いのか、そっちのほうが私には理解できない。世の中には死にたい人はたくさんいるし、生きることで死ぬ以上の苦しみを味わっている人も多いだろう。そういう人々に死ぬ便宜を与えることのほうがむしろ慈悲ではないか。戦争となれば平気で何万人もの人を死に追い込むくせに、なぜ自殺を認めない(悪とする)人々がいるのか。
そんなのは、「人間は神の被造物だから自ら死ぬ権利は無いし、従って自殺は罪である」というユダヤ・キリスト教思想(一神教思想)にすぎないのではないか。
(以下引用)
評論家の西部邁さんが、ことし1月、東京の多摩川で自殺した際に手助けをしたとして、警視庁は西部さんが出演していたテレビ番組を担当していたディレクターら2人を、自殺ほう助の疑いで逮捕しました。
ことし1月東京 大田区の多摩川で評論家の西部邁さんが、意識不明の状態で見つかりその後死亡しました。現場に遺書が残されていたことなどから警視庁は自殺とみています。
その後の調べで、西部さんは手が不自由だったにもかかわらず体と近くの木がロープで結ばれているなどの不審な点があったことから、警視庁は何者かが自殺を手助けをした疑いがあるとして捜査していました。
その結果、西部さんが出演していた東京メトロポリタンテレビジョン=TOKYO MXの番組を担当していた子会社のディレクターの窪田哲学容疑者(45)と、西部さんの知人で会社員の青山忠司容疑者(54)が手助けしたとして自殺ほう助の疑いで逮捕しました。
警視庁によりますといずれも容疑を認め、窪田容疑者は「西部先生の死生観を尊重して力になりたいと思った」などと供述しているということです。
警視庁は今後、当時の詳しいいきさつなどを調べることにしています。
著書で「死」の記述
西部さんは、晩年に出版した著書の中で死に対する持論を繰り返し展開していました。去年刊行した著書では4年前に妻を亡くし、みずからの死を強く意識するようになったとしたうえで、「おのれの生の最期を他人に命令されたり弄り回されたくない」と自分の死に対する考え方を記していました。
死後となることし2月に刊行された「保守の遺言」という著書では、これまで自殺の準備に3度、取り組み頓挫したことなどを明らかにし、あとがきで家族などに対して「僕流の『生き方としての死に方』に同意はおろか理解もしてもらえないとわきまえつつも、このあとがきの場を借りてグッドバイそしてグッドラックといわせていただきたい」と締めくくっていました。

PR