「ライブドアニュース」で拾った記事である。
NHK朝ドラの「純と愛」は、雑用に紛れてうっかり見逃すことも多いのだが、面白いドラマであることは何度か書いてきた。NHKらしい朝ドラとは正反対の「人間の本性がどんどんあばかれていく」という、まさしく「女王の教室」「家政婦のミタ」で見せた遊川和彦ドラマであるので、正統的(うっかり「正当的」と書いて、気づかなかった。ワードのワープロ変換は怖いものだ。日本人なら「正当的」などという単語は最初から想定しない。毛唐がいい加減に作った単語集がワードの土台である)NHK朝ドラファンが嫌うのは当然である。
そりゃあ、朝から重いドラマ、ダークなドラマは見たくない、という気持ちは分かるし、私もその部分は同じ気持ちである。だが、この「純と愛」はコメディ的味付けでそのダークさやハードさが十分に和らげられているので、見た後味はけっして悪くない。遊川和彦を起用した時点で、そうした正統的朝ドラから逸脱することは作る側も覚悟の上だっただろう。幸いに、視聴率も安定してきたようだし、ファンも増えてきたようだ。
下記記事にあるテレビライター(脚本家のことか? それともテレビ評論家か? こういう意味不明の国産英語はやめてほしいものである。)田幸和歌子の表現は、なかなか的を射ている。(毎度言うが、的を得る、ではない。的を手に入れてどうする。)その一方、町山智浩の「NHK朝のアウトレイジ」(つまり「全員悪人」)という言葉はやや的外れだろう。登場人物には一人も悪人はいない。もしもこれが悪人に見えるとすれば、それは日本という国では偽善が社会の常識、空気となっているからだ。
遊川和彦の脚本が、常にそうした偽善や「常識」をひっくり返すドラマであったことを忘れてはいけない。「純と愛」の登場人物は全員、「普通の人間」なのである。ただ、そこに「思った通りにそのまま行動する」純と、「他人の考えや本性が見える」愛という二人の「異常な人間」が存在したらどうなるのか、という、言わばこれは「偽善的な人間社会に、その正体をさらけ出させる化学的触媒を投入してみる」という実験のドラマなのである。
なお、「純と愛」のあらすじをほとんど毎回まとめてくれているサイトもあるので、興味を持った人は今からでもそれを読んでみるのもいいだろう。そのまとめの後の短い感想も面白くて、楽しいサイトである。「NHKドラマ 純と愛あらすじ」というサイトだ。
(以下引用)
ダークなNHK朝ドラ「純と愛」の賛否…ネットで熱い議論
ZAKZAK(夕刊フジ)
2012年11月19日17時09分
世紀の傑作となるのか、それとも…。NHK大阪制作の連続テレビ小説「純と愛」が始まって1カ月半が過ぎた。「梅ちゃん先生」とは打って変わって濃密な人間関係のドロドロドラマが展開され、「好きvs嫌い」でアツい議論がわき起こっている。
夏菜(23)が演じる、理想のホテルを追い求めて奮闘するヒロイン・純と、風間俊介(29)扮する、人の本性が見える不思議な能力を持つ愛(いとし)を軸に展開するストーリー。今週は、ウエディング担当として働く純にストーカーが現れ、ピンチに追い込まれるというダークな展開だ。「家政婦のミタ」を手掛けた人気脚本家、遊川和彦氏(57)らしい刺激的なストーリーだ。
視聴率は好調だった「梅ちゃん先生」から受け継いだ直後、初回の10月1日が19・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。その後、20%を超えることはなく、11月3日土曜日は15・0%となったが、その後ジワジワと盛り返し、最近は17~18%台をキープしている。
ネットをみると「ヒロインの落ち着きの無さについていけない」「登場人物の腹黒さについていけない」といったダメ出しの書き込みが目につく。その一方で、「適材適所の配役がいい」「展開が読めないのが面白い」など、視聴率の数字だけでは計れない、熱心なファンもジワジワ増えている。
テレビライターの田幸和歌子さんは「遊川脚本らしく、極端でリアリティーが全くないストーリーと設定、大げさな演出。これについていけない人が続出しているが、ドラマにリアリティーを求める人たちを挑発しているようにすら見える」と分析。従来の朝ドラ視聴者層の批判を覚悟の上で、徹底的にエンターテインメントとして作っている、とみる。
さらに、映画評論家の町山智浩氏が自身のツイッターで「NHK朝のアウトレイジ」と書き込み、“登場人物全員悪人”をうたった北野武監督の映画「アウトレイジ」になぞらえると、ますますネット上の賛同者が増えている。
田幸さんも「とにかく風間が良く、時折見せる猟奇的な表情で本領発揮。ヒロインは夏菜より、(女性っぽい)風間なのではないかと思うぐらい。明るく、健やかなものを描くよりも、闇を描くほうが風間の輝きを放つ気がする」と、ダークな朝ドラを評価する。
「家政婦のミタ」も「女王の教室」も、後半になるにつれ視聴率は急上昇した。社会を挑発してきた遊川氏脚本のドラマはどこに行き着くか。
NHK朝ドラの「純と愛」は、雑用に紛れてうっかり見逃すことも多いのだが、面白いドラマであることは何度か書いてきた。NHKらしい朝ドラとは正反対の「人間の本性がどんどんあばかれていく」という、まさしく「女王の教室」「家政婦のミタ」で見せた遊川和彦ドラマであるので、正統的(うっかり「正当的」と書いて、気づかなかった。ワードのワープロ変換は怖いものだ。日本人なら「正当的」などという単語は最初から想定しない。毛唐がいい加減に作った単語集がワードの土台である)NHK朝ドラファンが嫌うのは当然である。
そりゃあ、朝から重いドラマ、ダークなドラマは見たくない、という気持ちは分かるし、私もその部分は同じ気持ちである。だが、この「純と愛」はコメディ的味付けでそのダークさやハードさが十分に和らげられているので、見た後味はけっして悪くない。遊川和彦を起用した時点で、そうした正統的朝ドラから逸脱することは作る側も覚悟の上だっただろう。幸いに、視聴率も安定してきたようだし、ファンも増えてきたようだ。
下記記事にあるテレビライター(脚本家のことか? それともテレビ評論家か? こういう意味不明の国産英語はやめてほしいものである。)田幸和歌子の表現は、なかなか的を射ている。(毎度言うが、的を得る、ではない。的を手に入れてどうする。)その一方、町山智浩の「NHK朝のアウトレイジ」(つまり「全員悪人」)という言葉はやや的外れだろう。登場人物には一人も悪人はいない。もしもこれが悪人に見えるとすれば、それは日本という国では偽善が社会の常識、空気となっているからだ。
遊川和彦の脚本が、常にそうした偽善や「常識」をひっくり返すドラマであったことを忘れてはいけない。「純と愛」の登場人物は全員、「普通の人間」なのである。ただ、そこに「思った通りにそのまま行動する」純と、「他人の考えや本性が見える」愛という二人の「異常な人間」が存在したらどうなるのか、という、言わばこれは「偽善的な人間社会に、その正体をさらけ出させる化学的触媒を投入してみる」という実験のドラマなのである。
なお、「純と愛」のあらすじをほとんど毎回まとめてくれているサイトもあるので、興味を持った人は今からでもそれを読んでみるのもいいだろう。そのまとめの後の短い感想も面白くて、楽しいサイトである。「NHKドラマ 純と愛あらすじ」というサイトだ。
(以下引用)
ダークなNHK朝ドラ「純と愛」の賛否…ネットで熱い議論
ZAKZAK(夕刊フジ)
2012年11月19日17時09分
世紀の傑作となるのか、それとも…。NHK大阪制作の連続テレビ小説「純と愛」が始まって1カ月半が過ぎた。「梅ちゃん先生」とは打って変わって濃密な人間関係のドロドロドラマが展開され、「好きvs嫌い」でアツい議論がわき起こっている。
夏菜(23)が演じる、理想のホテルを追い求めて奮闘するヒロイン・純と、風間俊介(29)扮する、人の本性が見える不思議な能力を持つ愛(いとし)を軸に展開するストーリー。今週は、ウエディング担当として働く純にストーカーが現れ、ピンチに追い込まれるというダークな展開だ。「家政婦のミタ」を手掛けた人気脚本家、遊川和彦氏(57)らしい刺激的なストーリーだ。
視聴率は好調だった「梅ちゃん先生」から受け継いだ直後、初回の10月1日が19・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。その後、20%を超えることはなく、11月3日土曜日は15・0%となったが、その後ジワジワと盛り返し、最近は17~18%台をキープしている。
ネットをみると「ヒロインの落ち着きの無さについていけない」「登場人物の腹黒さについていけない」といったダメ出しの書き込みが目につく。その一方で、「適材適所の配役がいい」「展開が読めないのが面白い」など、視聴率の数字だけでは計れない、熱心なファンもジワジワ増えている。
テレビライターの田幸和歌子さんは「遊川脚本らしく、極端でリアリティーが全くないストーリーと設定、大げさな演出。これについていけない人が続出しているが、ドラマにリアリティーを求める人たちを挑発しているようにすら見える」と分析。従来の朝ドラ視聴者層の批判を覚悟の上で、徹底的にエンターテインメントとして作っている、とみる。
さらに、映画評論家の町山智浩氏が自身のツイッターで「NHK朝のアウトレイジ」と書き込み、“登場人物全員悪人”をうたった北野武監督の映画「アウトレイジ」になぞらえると、ますますネット上の賛同者が増えている。
田幸さんも「とにかく風間が良く、時折見せる猟奇的な表情で本領発揮。ヒロインは夏菜より、(女性っぽい)風間なのではないかと思うぐらい。明るく、健やかなものを描くよりも、闇を描くほうが風間の輝きを放つ気がする」と、ダークな朝ドラを評価する。
「家政婦のミタ」も「女王の教室」も、後半になるにつれ視聴率は急上昇した。社会を挑発してきた遊川氏脚本のドラマはどこに行き着くか。
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