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プーチンの好む「定義上」という言葉のこと

「混沌堂主人雑記(旧題)」所載のプーチンインタビューの、些細な部分だが、プーチンがしばしば使う「定義上」という言葉が興味深い。これは彼の思考の、あるいは議論の大前提であるようだ。つまり、どんなに議論しようが、最初から問題事項へのお互いの「定義」が違っていたら、無意味だということだ。(落語の「蒟蒻問答」のようなものだ。)
実際、それで世間の大半の人間は延々と無意味な議論をし、お互いに相手を馬鹿だとして議論を打ち切るわけである。
プーチンの「定義上」という言葉は、いわば、理系的思考で、日本で言えば米山隆一などがそれに近い。多くの「社会学者」は案外と文系的(論理の土台無視。ただし法学系は除く)である。そもそも、理系の人間は最初から「議論」はしないことが多いと思う。それは、相手の議論の言葉が「定義」の上に立っていないからだろう。
もちろん、ロシア語でプーチンが使った言葉が誤訳で「定義上」となった可能性もあるが、プーチンがそれに似た言葉(たとえば「本質的に」など)をしばしば使うのは事実だろう。

追記しておく。カールソンのインタビュー内容自体は、櫻井ジャーナル氏が言うように、過去にプーチンが言ってきた事柄に加える特に新しい情報はない。要は、アメリカの有名ジャーナリストがプーチンという人間の思想や人間性、そしてウクライナ戦争の真実をアメリカ国民に伝えたということが歴史的な意義を持つということなのである。ネットでこれまでプーチン発言に触れてきた人間なら、誰でもそう思うだろう。既に、米国民の間ですらバイデンよりプーチンの方が人気があるとカールソンも言っていたはずで、ボケ老人バイデンとは比較にもならない。
なお、このインタビューでイスラエル問題(ガザ戦争)に触れていないから、プーチンもユダヤ陣営だ、という「逆張り」をするネット言論者がいるが、それはカールソンが聞かなかっただけであり、また聞かれても、まともに答えられない質問だろう。それほど「反ユダヤ主義=悪」という刷り込みは世界中を覆っているのである。

(「阿修羅」所載の櫻井ジャーナル記事冒頭)
タッカー・カールソンが2月6日に行ったウラジミル・プーチン露大統領とのインタビュー映像が公開された​。プーチンが過去に語ったことから逸脱する話はその中になく、「スクープ」があったとは思えない。それでもアメリカでは大騒動だ。


(以下引用)

今までは、ロシアの戦略的敗北、戦場での敗北を達成する必要がある、と騒いでいた。私の考えでは、それは定義上不可能であり、決して実現しない。西側諸国の権力を支配する者たちにも、そのことが理解されたのだと思う。しかし、もしそれが真実であり、実現したのであれば、次に何をすべきかを考えなければならない。私たちは対話の準備ができています。

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