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古典の花園3 第一章2


人買い船は沖を漕ぐ。
とても売らるる身を、ただ静かに漕げよ船頭さん。(「閑吟集」)

「とても」とは、「どうせ」の意味。鴎外の『山椒大夫』の中の、主人公たちが人買いに攫われる場面で、この人買い船が出ます。私が子供の頃見た東映アニメの『安寿と厨子王』でも印象的な場面でした。自分の運命を受け入れるしかなかった庶民の悲しみとあきらめが、この短い一節から伝わってきます。

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プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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