忍者ブログ

古典の花園22 第三章4

4 
 二人行けど行き過ぎがたき秋山を、
 いかにか君が一人越ゆらむ。 (「万葉集」大来皇女)

 ここでも、大伯皇女は、「二人」ということをまず思うのです。このような一体感は、大津皇子の歌には見られないように思われます。このような一体感があったからこそ、その喪失感の大きさが耐えがたいものだったのでしょう。「いかにか」は疑問詞「いかに」と疑問助詞「か」の複合で、「いかに~か」(どのように~か)の意味です。訳は「二人で行っても行き過ぎにくい秋山を、どのようにしてあなたは一人で越えるのだろうか」。

拍手

PR

この記事にコメントする

Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

この記事へのトラックバック

トラックバックURL

カレンダー

03 2024/04 05
S M T W T F S
13
14 19
25 26 27
28 29 30

カテゴリー

最新CM

プロフィール

HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

ブログ内検索

アーカイブ

カウンター

アクセス解析