地球の記録 - アース・カタストロフ・レビューさんのサイトより
https://earthreview.net/houseplants-enrich-and-home-microbiota/
<転載開始>



フィンランドの報道で、


「屋内に観葉植物を置くだけで、家庭内の微生物相の多様性が豊かになる」


という報道がなされていました。


なぜ、フィンランドの報道などを見ていたのかといいますと、フィンランド政府が、「食料価格の記録的な上昇を警告した」というロシアの報道を見まして、それで、フィンランドの大手メディア Yle の報道の見出しを見ていましたら、その記事を見たのでした。


そしてどうして、こんな記事に興味を持ったのかといいますと、


「コロナ以来の過剰消毒で、家庭内の微生物相がメチャクチャになっている場合が多そう」


と私は思っているからです。



2020年から In Deep などでは、ずっと「過剰な消毒は良くない」と書くことがありました。


[記事] 過剰な消毒と殺菌が「人間の肺を破壊するメカニズム」がわかった
 In Deep 2020年5月25日


[記事] 過剰な消毒がどのように小さな子たちを殺していくか
 In Deep 2021年10月21日


[記事] カナダの微生物学者たちが「パンデミックでの過剰衛生や社会的距離が特に子どもたちの腸内細菌環境に影響を与えており、長期間の重大な健康上の影響を残す」とした警告を発表
 In Deep 2021年2月4日


 


とにかく「消毒は良くない」のです。


私は、パンデミックが始まった2年くらい前に、あらゆる店舗や施設の入口に「消毒剤のボトル」が置かれ始めた頃に逆上しまして、ひとつの決意を持ちました。それは、


 


「もうこれから殺菌や消毒は一切しない」


 


という決意でした。


実際、それから2年間、一度も石鹸や消毒剤、殺菌剤は使ったことがありません。


もっといえば、手もほぼ洗いません(きたねーなオイ)。


そのお陰で健やかに暮らせているのは、パンデミックのお陰だと思いますが、しかし過剰な消毒に攻撃されているのは人間だけではなく、


「環境中の微生物全部」


なんです。


 


そして、人間は、環境中の微生物……というより「バイ菌」ですね、それらと空間を共有して生きてきたわけで、それが「人間の生活」というものでした。


それが崩壊すると、あらゆる健康上の不都合が生まれると思われます。


花粉症がこんなに増えたのも、アレルギーや自己免疫疾患がこんなに増えたのも、基本的には、「過剰な衛生観念」だと気づいたのは数年前でした。


[記事] 人類が花粉症やアレルギーから解放される唯一の手段… : 私たちは、誤った衛生観念を捨てる時に来ていると語るピューリッツァー賞受賞の記者が主張する「人類のこれまでとこれから」
 In Deep 2019年4月4日


 


暴言だと承知の上で書けば、


「汚くさえしていれば、特に子どもたちは健康かつ幸せでいられる」


とさえ思います。


 


それで、まあ、植物を置くだけで、少しでも微生物環境が良くなるなら、それはいいことかもしれないなと。


なお、いくつかの観葉植物が、シックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物(VOC)を除去することについては、6年前のアメリカの研究でわかっています。


どんな観葉植物が、シックハウス症候群の原因物質を取り除くかについては、以下の記事に具体的に書いています。


[記事] シックハウス症候群の原因となる有害な揮発性有機化合物(VOC)に対しての最良の大気汚染除去方法がアメリカ化学会の研究で判明・・・それは「ただ植物を置くこと」
 In Deep 2016年8月26日


日本名で、ドラセナ、カクタスツリー、ブロメリア(グズマニア)、オリヅルラン、カネノナルキなどですが、これらの植物を「置くだけで最大で90%以上の揮発性有機化合物を除去する」ことが判明しています。


というわけで、フィンランドの Yle の報道からです。



観葉植物は家庭の微生物相の多様性を豊かにする - 研究者たちはすでにいくつかの植物が変化をもたらすことを発見している

Huonekasvit rikastuttavat kodin mikrobiston monimuotoisuutta – tutkijat havaitsivat, että jo muutama kasvi saa aikaan muutoksia
Yle 2022/03/30


最近の研究によると、観葉植物は快適さを増すだけでなく、家庭の微生物相の多様性も拡大することがわかった。


フィンランド厚生省は、ベルギーの家庭から研究資料が収集された国際調査に参加した。その結果、観葉植物が多ければ多いほど、屋内の微生物相の多様性が増したと、 フィンランド厚生省の主任研究者は述べている。


それほど多くない観葉植物でも、家に植物がまったくない場合と比較して、細菌や真菌の種の多様性に影響を及ぼした。


主任研究者は「驚きました。このような明確な結果が出ることは期待していませんでした」と言う。


 


観葉植物は喘息やアレルギーと戦うのに役立つのだろうか


過去に観葉植物が家庭の微生物相に及ぼす影響についての研究はほとんどないが、主任研究者は、今回の調査により、それは非常に有望であると感じていると言う。


これが健康に影響を与えるかどうかを調べるために研究を続けたいと考えている。


将来的には、特に観葉植物がアレルギーや喘息に対する保護を強化する健康上の利点を家庭で簡単に提供できるかどうかについて、より多くの情報が必要になるだろうと言う。これは特に、幼児期に特に重要だ。


都市化で、ヒトの健康を促進する天然微生物への人間の曝露が減少した。


以前の研究では、特に小児期の家の内部にある自然起源の微生物の多様性が、後年の喘息やアレルギーから保護できることが示されている。


 




ここまでです。


ただ、ひとつだけ付け加えておきますと、植物自体の影響もあるでしょうが、「土」の影響が強いと思います。


土の中にはもうさまざまな微生物がいます。植物用の殺虫剤とか使わない限り、土の中の微生物やバイ菌たちが私たちの健康を補助してくれるはずです。