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世界の未来予測

古い記事だが、世界の未来を洞察した文章であると思うので、転載しておく。筆者の白石隆は同姓同名の学者さんとは別人で、山口大学空手部OBの方のようだ。「奇兵隊」という山口大学OBの掲示板にかつてはよく投稿していたが、今はどうだろうか。
この白石隆氏は、その識見の高さは藤永茂老教授ばりの人物である。度胸もありそうな感じなので、日本の総理大臣にしてもいいくらいである。まあ、亀井静香氏が政治のプロだから、亀井静香総理が一番だろう。小沢一郎よりも総理向きのキャラクターである。小沢は党務を統括する役目が一番向いている。飯山一郎老人や崖っぷち社長は面白すぎて、公人にはあまり向いていそうもない。森ゆう子総理という手もある。田中真紀子も度胸はあるが、本来が庶民ではないから、真に国民目線で考えることはできないタイプだろう。


(以下引用)



世界の未来を予測する 投稿者:白石隆 投稿日:2002年06月26日 (水) 03時53分

私は性格上、日本の政治を語るにしても、現在の世界は一体のどのような大局的な流れにそってどこへ向かおうとしているのか、そしてこのまま放置しておけばどのような過程を辿り、行き着く先に何があるのかを、あらかじめ考えてしまう性向の人間なのです。これはどうも性分だから致し方がないようです。

科学の方法論として帰納法というのがありますが、私はここ200年ばかりの歴史上の多くの出来事とその変遷を見るにつけ、どうしても以下のような歴史的な流れがあるような結論に到達せざるを得ないのです。

これはあくまで私の仮説なのですが、

世界はこの200年間を通じて、既存の国民国家と新興の金融帝国とが熾烈な食うか食われるかの闘争を展開し、その結果、現在、金融帝国が地球上の3分の2を完全に制圧して支配下に置く段階に達しているが、近い将来、金融帝国が全世界を統一して支配する頂点の極みに達する。この時点で金融帝国は自ら内包する自己矛盾のために急激にシステム崩壊を起こし、人類は大混乱に陥る。

というものです。SFじみた非現実のたわごとのように聞こえることでしょうが、「金利」で回転している現行の金融資本主義のシステムの行き着く先はこのような道程を必然的にたどるように思えてならないのです。以下に19世紀以降の歴史の流れを俯瞰しながらその理由を説明してみます。

国民国家とは古くからある伝統的な国民を主体とした国家のことです。もちろん現在の日本もこれに含まれます。政体が資本主義であれ、社会主義であれ国民による統治がなされている限りは国民国家と考えます。したがって現在のロシアも中国も国民国家の範疇に含まれます。基本的には社会システムはピラミッド型の階級構造構成し、自然な権力闘争の歴史をへて国家形成された国を指します。

これに対して金融帝国ですが、これは19世紀後半にイギリスで歴史上初めて出現した、金融資本による国家支配の形態です。従来の国民国家に金融資本が寄生し、「金利」を武器として、国家の資産の全体に網の目のように食指を伸ばし、国家を借金ずけにしたあげく、国家を乗っ取り、その栄養を吸い取って完全に国家を支配してしまうといったシステム形態です。支配の道具はお金であり、金利が強力な武器となり、富を生みます。いい換えれば、不労所得による富の収奪を肯定し、その効率的な収奪を最上の美徳とする悪魔的魅力に富んだシステムです。これを金融資本主義と呼びます。要するにサラ金が国家をお客として金を貸し、徹底的に絞り取ることです。その目的は金融資本家の資産の増加の追求に尽きます。

イギリスでは19世紀初めにユダヤの金融資本であるロスチャイルド家がフランクフルトからロンドンに根を下ろし、19世紀末のビクトリア朝時代に完全にイギリスを手中に収めました。従来の支配階級であった王族、貴族、富裕階級は戦争やその他諸々の出費のためにロスチャイルドから資金を調達することで借金を重ね、遂にその金利の奴隷となり結果的に国家そのものがロスチャイルドの軍門に下(くだ)ることになったのです。表向きは民主主義が標榜され、議会があり、国民が国家を運営している体裁を整えていますが、その実態は国家運営の実権を担う全ての要職はロスチャイルドのエージェントによって占められ、ロスチャイルドの司令に従って、金融資本の富の増加を目的に国家運営が遂行されて行くシステムとなりました。この場合国民は富の増加を担う奴隷の役割をあてがわれます。また国家間で貸した金を取りたてる場合は兵隊の役もあてがわれます。そして民主主義や議会は国民の目をごまかす見せかけのハリコの虎に過ぎないのです。これが金融帝国です。帝国の主(あるじ)はもちろん金融資本家そのものです。この金融帝国は富の増加を目的としているため必然的に国家が膨張していく傾向があります。つまり寄生虫が繁殖するのために次の宿主を必要とするように、金融帝国も次に寄生する国民国家を必要とするわけです。一般に帝国主義とは国家の対外膨張のように言われますが、国家は好きで戦争をする訳ではなく、実はこの金融の必然的な膨張が背景にあってそうさせるのです。

イギリスで発生した金融帝国の次の寄生のターゲットは巨大な資源と市場のもつアメリカに必然的に向かいました。アメリカはもともとイギリスの植民地から出発していたため、支配階級がイギリスのそれとダブっており縁戚関係にありました。いわゆる初期のアメリカの支配階級である東部エスタブリシュメントはWASP(英系プロテスタント白人)で構成され、英国の支配階級に繋がる連中だったのです。イギリス本国のロスチャイルドはこの東部エスタブリシュメントを金融的に支配するためにアメリカにモルガンを代理人(エージェント)として送りました。これがウオール街を支配したモルガン金融財閥です。モルガンは実物経済のパートナーとしてロックフェラーを育て、これをアメリカの産業資本の雄に育て上げ産業界を支配させました。つまりモルガンもロックフェラーもロスチャイルドに紐付きで育てられた連中だったのです。こうしてアメリカは金融資本に寄生され、徐々に侵食され、現在ではその巨体から、金融資本の寄生のメイン宿主となっています。この寄生化は同様に現在英連邦であるカナダ、オーストラリア、それにヨーロッパのオランダなどに広がり、国際的にネットワークで結ばれた金融資本のシンジケートを形作しています。これが国際金融資本(財閥)と呼ばれるものです。アメリカこそはその図体の大きさから国際金融資本の寄生した現代の金融帝国と呼ぶべき存在です。

金融資本に乗っ取られて金融帝国となった国は自国の資産を食い尽くすと、自然と他の普通の国民国家を食い物にしなければ生きて行けません。ここで国家間の戦争が起こります。20世紀に入って勃発した第一次世界大戦、それに続く第二次世界大戦は簡単に言えば、この国際金融資本と伝統的な国民国家の産業資本家との存亡を賭けた戦いであったわけです。たとえば第二次世界大戦における連合国と枢軸国の戦いは、連合国は国際金融資本、枢軸国は各国の産業資本をバックとした文字通りの国を上げての総力戦となりました。

たとえば欧州戦線におけるイギリスとドイツの戦いは、実質的にはロスチャイルド金融財閥とドイツの土着の産業資本クルップ=ジーメンス・グループとの生き残りを賭けた壮絶な死闘であった訳です。チャーチルはロスチャイルドの、そしてヒットラーはクルップの戦争代理人でした。ヒットラーは実に有能な政治家でマルクの魔術師シャハト博士を起用してワイマール時代にどん底に落ち込んでいた経済を公共事業と軍需産業の活性化に力を注ぐことで短期間に回復させました。当時のドイツ国民がヒットラーを救国の英雄として讃えたのもそれなりの理由があったのです。歴史というものはいつも勝ったものに都合の良いように改ざんされる運命にあります。勝てば官軍です。勝った方は正義、負けた方を悪として決め付けられてしまいます。戦後ヒットラーやムッソリーニは最悪の戦争犯罪人として日本でも語り伝えられていますが、事実は二人とも国民国家を代表する優秀な国家指導者であったのです。

第二次大戦が国際金融資本側の勝利に終わると、敗戦国となった日本、ドイツ、イタリアの枢軸国は連合国によって国家的な解体を施され、それぞれの国の上層部の指導者達は国際金融資本側に完全に取り込まれ、その傀儡と化し、国際金融資本の意向を受けて各国の国民を管理する役割に当たることになりました。こうして枢軸国と呼ばれた国の国民は、連合国とよばれた国の国民と同様に、民族としての自覚を失い、マスコミによる情報操作と偏向教育によって国家意識の希薄な盲目のロボットに改造され、3S政策(スポーツ、スクリーン、セックス)で痴呆と化し、東先輩ご指摘の通りの「ただ楽しくてカッコ良く生きれば良いジャン。強盗が来たって金を出せばなんとかなるさ、それで駄目なら逃げるよ。オラなんにも責任はないかんね」という男や、世界中で男のケツを追っ掛け回してるようなメスザルを大量に飼育し、かつての国民国家の基盤は完全に崩壊しました。特に日本ではこの傾向が顕著でした。1990年には金融帝国の揺さ振りによって社会主義国ソビエトも崩壊し、金融帝国の美味しい餌食とされました。そして日本のバブル経済も意図的に崩壊に導かれ日本国民資産の多くが知らぬ間に掠め盗られることになりました。

2000年に入っても金融帝国と国民国家との闘争はさらに激化して行き、このまま進めばが中国などの残るいくつかの共産主義国はアメリカの軍事力を行使することなくソビエト型崩壊に追い込まれ金融帝国の軍門に下ることでしょう。さらに2001年のアメリカにおける911事件を切っ掛けに、金融帝国と「金利」を否定するイスラム諸国との闘争が激化し、国民国家の最後の砦としてイスラム国家群がその教義に従って頑強な抵抗を続けることになります。そしていづれ金融帝国とイスラム国家群とは最終戦争の段階に突入することになるでしょう。イスラム教の利子を取らない教義は金融資本主義と真っ向から対立するからです。ここで最終決戦が行われ、軍事力の圧倒的に優位な金融帝国が勝利することになるでしょう。

こうして最終的に金融帝国による世界統一政府が全地球を支配することになります。ところで金融帝国がイスラム国家群に勝利し、世界帝国となった段階で、皮肉にも世界統一帝国は自滅の道を必然的に歩むことになります。金融帝国とはいわば寄生虫です。地球上の既存の国民国家に寄生して宿主を増やして行くことで繁殖を続けて来ました。しかし世界統一帝国が完成された暁には、もうこの地球上には新しく取り付く宿主がなくなります。つまり新しく利益を生むカモがいなくなってしまい、金利の支払が不能に陥ります。ここである日、全世界が一瞬にして大恐慌に突入し、国家がシステム的に大崩壊することになります。人類は大混乱に陥るでしょう。こうなれば人類は金利という概念を地球上から抹殺する以外に方法がなくなります。

一応18世紀後半から現代にいたる歴史の流れをたどり、近未来にいたる流れをは以上のようになるのではないかと予測しています。

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