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超訳「踊るドワーフ」#61

彼女の肩に腕を回し、草が一杯に生えた野原に彼女を導き、一言も言わずに私は彼女を地面に横たえた。「あなたはあまりお喋りじゃないわね」微笑みながら彼女は言った。彼女は自分の靴を遠くに投げ、自分の腕を私の首に巻いた。私は彼女の唇にキスし、もう一度彼女の顔を見るために彼女から身を離した。彼女は夢のように美しかった。私は自分が彼女をこんなふうに腕に抱いていることがまだ信じられなかった。彼女は、もう一度キスされるのを待って目を閉じた。
その時、彼女の顔が変わり始めた。白い、生肉のようなものが彼女の鼻孔のひとつから這い出したそれは蛆だった。巨大な、私がかつて見たどんな蛆よりも巨大な蛆だった。そして、もうひとつ、もうひとつと蛆たちは彼女の二つの鼻孔から現れ、突然、死の悪臭が我々の周囲に立ち込めた。蛆たちは彼女の口から彼女の喉に落ち、彼女の目を横切って彼女の髪の中に隠れた。彼女の鼻の皮膚は滑り落ち、その下の肉は溶けて二つの黒い穴だけが残った。その間にも蛆たちは争いあうように現れてきて、その青白い体は周囲の腐肉を油のように汚した。



(訳者注:原作を読んでいないで、ここまでこの作品を読んできた人は、この成り行きにかなり驚いたのではないか。正月そうそう、何てものを!と思った人もいるだろう。しかし、私は村上春樹のいい読者ではないが、この短編小説は、構成といい話の進展といい、比喩や文章の巧みさといい、村上春樹のベストではないか、と思っている。だから、紹介の意味も含めて、英訳からの再日本語訳という妙なことをしているのである。)

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無知のヴェールと無私のヴェール

「バカ国民帝国日本の滅亡」記事の一節を考察ネタにしてみる。先に引用する。



ジョン・ロールズの『正義論』で論じられた…


 


「正義にかなう社会」とは、どういう原理に基づいて成り立つのか…


 


´は、1970年代以降、欧米では重要な学術的命題であった。


 


 


それを受けてのアヴァイシャリ・マルガリートの仕事が…


 


『品位ある社会<正義の理論>から<尊重の物語>へ』であった。




さて、問題は「正義とは何か」「品位とは何か」「品位は正義に代わる社会統一原理になるか」である。まあ、3番目の命題は、最初から無理だという気がするが、先に前2者を考察してみる。
ロールズの「正義論」は有名だが、私はもちろん未読である。しかし、その中の「無知のヴェール」については、面白い考えだと思ったことがある。それは、「正義かどうかを判定する基準」である。私は、「無私のヴェール」と言うほうが分かりやすいと思う。東洋人や仏教徒なら即座に分かる話だろう。

「けう」という、一般人の哲学オタク主婦の解説が分かりやすい。長いのでマルクス・ガブリエルとやらの説の部分は省略する。(けう氏のお気に入りらしいが)



無知のベールとは、思考実験です。


誰かが犠牲になっている社会の現状から、平等を話し合います。


どのような話し合いなのかを見ていきましょう。



ポイントは功利主義の弱点を克服するために出てきた思想
目次 

無知のベールとは

無知のベールとは、ジョン・ロールズ(1921~2002)によって唱えられた思考実験です
(これからの「正義」の話をしよう マイケル・サンデル 参照)


まず自分が誰かわからなくなる「無知のベール」を頭にかけます。


自分がどんな立場かわからなくなります。


性別も年齢もわかりません。


自分が教育を受けているのかも、身体が不自由かもわかりません。


その状態で、どのような社会原則を作ればいいのかをみんなで話し合います


「あなたならどんな原則を選びますか?」

無知のベールの具体例

話し合いが少人数でものを分ける場合だったら簡単です。


ケーキが一つあったとしたら、均一になるように分ければいいからです。


しかし、社会は複雑です。


社会ルールを立てると想像してみてください。


無知のベールをかぶっている人はみな、「自分は抑圧された少数派かもしれない」と考えるとロールズは言います。


もしかしたらホームレスかもしれない。


もしかしたら飢餓で苦しんでいるかもしれない。


「ならば底辺層を切り捨てるシステムは避けたほうが無難だ」と人は考えます。


決定した後で、無知のベールを取ります。



あ、私の立場だったらそっちのが良かった!

このようなことが起こらない原則を目指します。


その時に、3つの原理がでてくるとロールズは考えました。

  1. 基本的自由の原理
  2. 機会均等の原理
  3. 格差原理

具体的に見ていきます。

無知のベールの3原則

ロールズは社会正義のためには3つの原理を導き出せると考えました。(哲学用語図鑑 参照)

基本的自由の原則

良心、思想、言葉の自由は保障されなくてはならない


日本国憲法にもあります。

機会均等の原理

たとえ格差が生まれても競争の自由は保障されなくてはならない


競争を否定しません。


しかし、疑問がうまれます。


自分が恵まれない状況にいた場合、自由に競争に参加できるだろうか?と。


最も不遇な人々と裕福層の人々との差は、調整されるべきだとロールズは考えます。


そこから出てきた考えが3番目です。

格差原理

競争によって生まれた格差は最も不遇な人々の生活を改善することにつながるものでなければならない


この格差原理をさらに詳しくみていきます。


「これからの『正義』の話をしよう」(マイケル・サンデル 2010)から抜粋します。


格差原理とは、いわば個人に分配された天賦の才を全体の資産と見なし、それらの才能が生みだした利益を分かち合うことに関する同意だ。ー
天賦の才に恵まれたものは、才能があるという理由だけで利益を得てはならず、訓練や教育にかかったコストをまかない、自分よりも恵まれない人びとを助けるために才能を使うかぎりにおいて、みずからの才能から利益を得ることができる。ー
こうした偶然性が、最も不遇な立場にある人びとの利益になるような形で生かせる仕組みを社会のなかにつくればよいのだ。」


顔がいいから鼻眼鏡をかける。


足が速いから重りをつける。


頭がいいから騒がしいヘッドホンをかける。


そういうことではなく、能力や環境の差など人の多様性を認めます。


多様性によって所得格差がでるのは仕方がないことだ、と。


最も不利な立場にある人々の状況を改善するための所得格差を認めています。


自由もあって、競争もできて、生活に困らないという原則です。


なので、無知のベールをかぶっていれば受け入れたくなる3つの原理です。



無知のベールをかぶったからこそ出てきた原理なんだね

ロールズは無知のベールを政治から考えました。


政治家の役割の一つは、市民から得た税金を再配分することです


無知のベールの基本原理のように、福祉にも政治はお金を配分しています。

無知のベールの立場

無知のベールを唱えたロールズはリベラリズムと言われています。

リベラリズム⇒富の再分配などを通じて経済的な弱者を救済し、福祉国家的な政策を支持する立場。

リベラリズムは功利主義を批判する形ででてきました。

功利主義⇒社会全体の快楽の増大や苦痛の減少を基準にして、道徳や立法の判断をするべきだという考え方。
功利主義は、社会全体の幸せのために誰かが犠牲になっても仕方がないと考える立場でもあります。
それを批判する形で無知のベールという思考実験が唱えられました。
歴史を見ていくと、ある良い案がでてきたらその次にその欠点を埋める思想がでてきます。
では、リベラリズムの欠点は何でしょうか。

現代の哲学者マルクス・ガブリエルは言います。


「絶対的に見ると、下層にいる人の数がこれほど多くなったことは人類史上ありません。」


貧富の格差は広がっています。


政府が弱まり、企業が力を持ってきました。


つまり、今の社会に基づいて現実的な原則を打ち立てよう、という流れです。



抽象的すぎる思想を現実のものに、という観点からマルクス・ガブリエルの主張を見ていくよ!


無知のベールと「モラリティの資本主義」まとめ

無知のベールとは思考実験です


自分が何者かわからない状態で、社会の原則3つを導き出しました。

  1. 基本的自由の原理
  2. 機会均等の原理
  3. 格差原理

世界に制度がない当時、人々の全体の幸福度をあげればよいという功利主義が生まれました。


しかし、それは誰かの犠牲の上になりたっていました。


その犠牲をなくすのがリベラリズムによる「無知のベール」での話し合いです。


人々の自由や競争といった多様性は認めます


そして、その結果として生じた格差を補うことが前提になっています


ロールズは無知のベールを政治の視点から語りました。


しかし、貧富の格差は広がっています。


なので、マルクス・ガブリエルは無知のベールに倫理の視点で取り入れました。


モラリティの資本主義です


人々の「非人間化」や「無知」を防ぎます。



時代に合わせてよりよい社会を考えているんだね

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「頭の良さ」の諸相

今さらの議論だが、名選手は頭がいいのがほとんどなのである。学校のお勉強とは「使う頭脳が違う」だけだ。私のように記憶力そのものが悪いと、勉強でも運動でもダメダメだが。
ただ、好きなことは無理しなくても覚えられるというのはある。で、記憶力よりも、咄嗟の判断力や、その「無意識」の判断に身体が反応する運動神経が、スポーツマンには重要であるわけだ。学校の「お勉強」などが好きな人間はほとんどいないのだから、スポーツマンで学校の成績がいいのが少ないのは当然の話だ。そして、お勉強に特化した頭脳は、なぜか身体能力の発達(身体の「頭の良さ」)を阻害するようである。東大や京大から名選手がほとんど出ないのは、やはり「お勉強」の頭脳と「身体の頭の良さ」が違うということだろう。
なお、身体の働きは普通は「言語化」できないので、名選手は名コーチにはなれないことが多い。
一流の芸人の「頭の良さ」もお勉強での頭の良さとは異なる。これも一種の「反射神経」が大事で、これを「頭の回転が速い(quickness:機敏さ)」とも言う。あえて「馬鹿なことを言う」のも頭の良さである。最近よく言われる「地頭が良い」というのは少し違うだろう。汎用性がある頭の良さではないからだ。地頭が良いなら「お勉強」でも通用しただろう。ただし、芸人が務まるなら政治家になるのは容易なはずで、演技も喋りも「人を騙す」のもお得意だからだ。要するに、モラルやまっとうな政治信念があるかないかが政治家としての最大の要件である。


(以下引用)




       
       
       
       
       
yli
1: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:37:47.69 ID:tW5dRmwa0
どっちが正しいんや
6: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:39:36.08 ID:LEmghTd4d
野球脳のことじゃね?
4: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:38:41.63 ID:AIff4dJ10
球界基準か一般人基準かの違い
14: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:44:16.90 ID:Tjf+Av7z0
糸井「」
36: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:52:43.91 ID:DaRYoIQs0
>>14
古田のチャンネルでバットの話してたけどめちゃくちゃこだわってたぞ
50: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:58:35.49 ID:ESPxxX+H0
>>36
糸井は意外と理論派やったな
逆に坂口は変態すぎて理解不能なこと言うとったし
15: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:44:27.11 ID:aohWfFEzd
頭良い奴ほど速球ゴリ押しやろ
16: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:45:28.38 ID:HQaq1klx0
誠也がメジャー行ってもデータあんま見ずに感覚でやってんのにそこそこ通用して草なんよ
17: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:45:43.26 ID:SddPU0/80
学校の成績と頭の良さはイコールではない
もちろん高偏差値高学歴ほど頭のいい傾向はあるやろけど、絶対ではない

ガリ勉だけどバカとか結構いるやろ
不良だけど異様に頭の回転が速いのだってまれにいる
25: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:48:59.26 ID:T9CL/CeR0
>>17
この理屈分かるけどそれなら野球が上手い事と頭が良い事の方がかなりズレてる気がする
まだ勉強が出来る方が野球が出来るより頭がええ可能性が高い気がするわ
21: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:47:29.58 ID:ocOWcoQu0
頭悪くても、いい指導者に出会って愚直に努力したら花開くパターンもあるやろ
24: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:48:59.00 ID:R2+T/LRv0
勉強ができる頭の良さと瞬時の判断の頭の良さと冷静に状況を見る頭の良さと色々あるからな
26: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:48:59.31 ID:tubmfduQM
外野手はフィジカルエリートなら馬鹿でも構わない
31: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:50:38.65 ID:9XcFhcye0
勉強出来る頭と野球脳の高さは別やな
高学歴投手が脳筋ストガイになる不思議
34: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:51:45.47 ID:2O6LOCgcM
>>31
そら科学的に鍛えて答えが返ってくるのは筋肉やし
変化球とか指先の感覚やから理屈分かっても再現できんわ
35: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:52:13.87 ID:Chdn3ieu0
スポーツで求められる頭の良さは瞬時の判断とかやし勉強とは違うやろ
37: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:52:47.21 ID:aohWfFEzd
谷繁は記憶力悪い説と良い説両方あるな
45: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:54:57.67 ID:ecfURdOv0
勉強ダメでも野手の頭あれば良いやん
逆に勉強出来ても野球脳なければ野球下手
46: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 00:55:13.96 ID:aohWfFEzd
反復でやったこと体が覚えてるやつとかは強い
56: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:02:29.81 ID:c4NjPlfha
野球脳定期
61: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:04:46.95 ID:Zz1b7hxp0
糸井も野球に関しては賢いし理論持ってたね
63: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:06:02.59 ID:uMKnacMd0
>>61
谷繁なんて自分の名前書けない疑惑あるのに
捕手としては一応野球脳あると言われてるしね
65: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:06:29.03 ID:TSbHd6xD0
「野球は頭がよくないと上手にならない」
ただしここでいう頭のよさとは学校の勉強などではなく野球が上手いことを指す
つまりノムさんは「野球は野球が上手くないと上手にならない」と言ってるんやで
71: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:08:20.84 ID:wpr1YnoCa
糸井の高校ってあのエリアでめっちゃ名門なんやってな
72: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:08:21.84 ID:X3lyNwaC0
動作IQが高ければ有利とかあんのかな
74: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:08:35.78 ID:bKf5SITA0
野球脳って間違いなくあるやろ
谷繁とか野球脳ギッシリやで
77: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:09:16.01 ID:IGMjfrnG0
誠也は打撃の言語化がやたら上手いし頭は良さそうに見えるが
84: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:10:40.86 ID:AbeONj6m0
リーグのレベル高くなると頭脳って重要になるの今年分かったやん
87: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:12:01.06 ID:36a9dCj30
配球意味ないは絶対にないわ
133: それでも動く名無し 2023/03/31(金) 01:29:25.66 ID:6kH6uh2x0
頭がいいと勉強ができるは違うぞ
そこを理解してないと社会に出て辛い思いをする

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超訳「踊るドワーフ」#60


私たちはダンスホールを離れ、川に沿って歩いた。私は車を持っていなかったのでただひたすら歩き続けた。すぐに道は丘に向かう上り坂にさしかかった。空気は夜に開く白い花の芳香に満たされてきた。私は振り返って、下に広がる工場の黒い姿を眺めた。ダンスホールから、その周辺に、黄色い光が無数の花粉のようにこぼれ、オーケストラは跳ねるような音を奏でていた。風は柔らかで、月の光は彼女の髪を浸しているようだった。
私たちは二人とも黙っていた。あんなダンスの後では、何かを言う必要は無かった。彼女は誰かに手を引かれて道を歩む盲人のように私の腕にすがりついていた。
丘の頂上に来ると、道は松の林に囲まれた野原に続いていた。その広がりは静かな湖のように見えた。どこも等しく腰くらいの高さの草に覆われ、野原は夜風の中で踊っているようだった。あちらこちらに、輝く花が月の光の中に頭を突き上げ、虫たちを呼んでいた。

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超訳「踊るドワーフ」#59

これは、製象工場なんかで働いているよりよっぽど楽しいだろう? ドワーフは言った。
私は何も答えなかった。私の口はとても乾いていたので、答える気があってもできなかっただろう。
私たちは何時間も踊り続けた。私がリードし、彼女がフォローした。時は「永遠」にその場を譲ったかのようだった。とうとう彼女は踊りをやめた。完全に消耗しているように見えた。彼女は私の腕を取り、私も、ーーあるいはドワーフは、と言うべきかーー踊りをやめた。ダンスフロアのちょうど中央で我々はお互いの目の中を覗きこんだ。彼女はハイヒールを脱ぐために体をかがめ、それを手にぶら下げて、再び私を見た。

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cycophant民族www

ツィート内容は耳タコに属するが、「事大主義」を英語でsycophancyと言うというのは初耳なので転載した。ちなみに、「事大主義」の「事」は「事(つか)える」意味。「仕える」と同じである。「大きい物に事(つか)える・従う」わけで、寄らば大樹の陰、長い物には巻かれろ、泣く子と地頭には勝てぬという、日本人に根強い習性だ。だから、デモなど滅多に起こらないし、起こる場合は背後に怪しい存在がいるのが普通だ。そもそも、日本人は「妥協性」を悪とは見ていない。だから上の人間には支配しやすい民族である。
「主題化しない」は、普通に言えば「問題視しない」だろう。内田樹のこういう言葉の使い方が私は嫌いなので、あまり彼の文章は私には「読む快感」が無いのである。
一応、cycophancyを英和辞書で調べると、「へつらい、おべっか」の意味で、「~主義」とはなっていないようだ。まあ、そういう「主義」が英語圏にはあまり見られないのだろう。つまり、「自我が強い人種」とはなじみにくい概念なのかもしれない。cycophantが名詞形で「へつらい屋、おべっか使い」で、古典喜劇の端役ではよく出る存在だが、当然、嘲笑の対象だ。日本ではそれが「普通の存在だ」というのは、やはり問題ではあるだろう。
ただし、やたらと自我の強い人種には私は嫌悪感を感じるので、どっちもどっちか。強欲な人間(自我の強い人間)こそが社会を変革し、歴史を動かすことが多いのだから、日本社会の停滞(私は停滞も悪いことだとは思っていない。「進歩」「改革」のほうが危険である。小泉政治を振り返れば明らかだろう。)は民族性(妥協主義)の当然の帰結なのではないか。戦国時代の武将など、日本全体を手に入れたいという、最大に強欲な人間(非日本人的な人間)だったのであるwww まあ、江戸時代の儒教道徳で去勢された日本人がいいか、それとも日本が戦国時代のままが良かったか、どちらとも言えない。
ちなみに「妥協」は政治の最大の要点である。妥協を拒否したら戦争(闘争)しかない。
今思いついたが、「大政奉還」と「版籍奉還(廃藩置県)」は日本史上(いや、世界史上)最大の妥協だろう。どちらも徹底抗戦していたら日本中が火の海になったのである。もちろん、幕府や各藩大名の超ファインプレーだ。その反対の事例(妥協の拒否)がウクライナ戦争である。ウクライナ国民はその結果どうなった?

言うまでもないと思うが、以上の考察は引用したツィートの論旨を否定するものではまったくない。妥協はお互いの対立内容への思索と論議の積み重ねの上で為すものであり、相手の言うことや既成のスキーム(体制)を無批判に受け入れるものではない。そうした態度は奴隷のものだ。

(以下引用)
内田樹
@levinassien
日本の政治で「現実的」というのは、対米従属スキームの「中で」政治をするということです。スキームそのものを決して主題化しない態度のことをわが国では因習的に「リアリズム」と呼んでいるだけです。それはただの「事大主義」(sycophancy)です。
引用ツイート
山崎 雅弘
@mas__yamazaki
まったく同感です。「現状」つまり「現行の権力秩序」に抗わずに同調するのが「現実的」で「大人の態度」だという、常に権力を持つ側を利する誤謬は、日本社会では(他国にもありますが)昔から根強くはびこっていますが、野党第一党の最高顧問がそれを言うのが今の日本です。twitter.com/103tosan/statu

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日本の再生医療を邪魔しているのは山中ipsグループか?

「混沌堂主人雑記(旧題)」で知った「シャンティフーラ」記事(怪し気なサイトだと私は思っているが、たまに珍しい情報があるようだ。)である。まあ、記事内容が本当か嘘か、福島と山中のどちらに正義があるか素人には分からないが、山中は新コロワクチン問題で政府の旗持ちをした犯罪者だから、たぶん福島氏のほうがまともだろう。
記事の最後の駄洒落のセンスはひどい。なぜ突然「コンドーム」という言葉が出て来るのか。私も駄洒落が多いので他人のことは言えないし、下ネタも時々出すが、これは話の価値を下げる下品な親父ギャグである。

(以下引用)


京都大学の福島雅典名誉教授の爆弾発言「再生医療も…日本が世界に先駆けて承認まで持ってきました。だから鼓膜が空いたって、もうチョチョイのチョイで外来で治る。…だけどそういうのを社会実装しない。iPSの連中が邪魔してるんですよ。iPSなんか、一銭もやる必要ない。」

竹下雅敏氏からの情報です。
 3月29日の記事で紹介した動画に、キノシタ薬局さんが字幕を入れていました。
 5分20秒~6分5秒で、京都大学の福島雅典名誉教授は、“もう製薬会社を遥かに超えるだけの発明が皆さんの手元に届いてるんですよ。再生医療も先程言ったように、日本が世界に先駆けて承認まで持ってきました。だから鼓膜が空いたって、もうチョチョイのチョイで外来で治る。手術いらないね。角膜が濁っちゃっても、もう外来の手術でやれる。元の通りになる。神経が再生、脊髄損傷になったって、もう寝たきりになる事はありません。脳卒中になったって、寝たきりになる事はない。だけどそういうのを社会実装しない。iPSの連中が邪魔してるんですよ。iPSなんか、一銭もやる必要ない。その事を決めたらさ、すっぱ抜かれて、それでもうそのiPSを抑える事ができなくなった。滅茶苦茶だよ”と言っています。
 戦術核兵器レベルの爆弾発言ですね。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は、「ワクチンで将来何か起こる、不妊になる、という心配があるかもしれないが、根拠のないデマです。(ワクチンで)ウイルスは体に侵入できなくなる。(副反応は)数日で必ず治る。社会を以前の状態に近付けるためには、国民の80%以上のワクチン接種が必要。」と言っていました。
 この発言に対し、「このコロナワクチン関連の会見で姿を拝見した時の姿を見て人間が変わったと感じた印象を受けました。」「目がおかしい。ホントに目がイってる。」「でも彼の言説を信じてワクチン接種してる医院があるんですよ。罪深いです。」「補助金が入らなくなりますからね。仕方ないです」と言った意見がありました。
 ワクチン接種以前ならいざ知らず、先の山中伸弥教授の「根拠のないデマ」発言以降は、“補助金をゴッソリ減らしていいんじゃないかな?”と思う人が増えたかもしれません。
 そこに福島雅典名誉教授のトドメの「iPSの連中が邪魔してるんですよ。iPSなんか、一銭もやる必要ない。」が飛び出したわけです。「その事を決めたらさ、すっぱ抜かれて、それでもうそのiPSを抑える事ができなくなった。滅茶苦茶だよ」というのは、あのコネクティングルームの和泉洋人首相補佐官(当時)と大坪寛子厚労省大臣官房審議官(当時)のお二人のことですよね。
 2020年2月14日の編集長の記事で、「和泉首相補佐官の権力を笠に着て大坪氏が国会予算を自分の思うままに配分しているのではないか…なにしろ、ノーベル賞受賞者である山中教授のプロジェクトへの予算カットを独断で打ち出しただけでなく、実用性に疑義も呈されているような自分の担当プロジェクトに巨額の予算をつけようとしたのだ」というLITERAの記事の一部を引用しています。
 福島雅典名誉教授の言葉が正しければ、公私混同夢(公私コンドーム)のお二人が正しかったという驚天動地の真相ということになります。
(竹下雅敏)

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