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雨上がりの朝

ここのところ、沖縄では雨がほとんど降らず、ダムの貯水率が40%を切ったと新聞では騒いでいたが、昨日今日(今朝)と、小雨で、少し貯水量も回復したのではないか。ちょうどいい時に降ったという感じである。今年の沖縄はラッキーなのかもしれない。

で、早朝のというか、毎度の未明の散歩の時に、空を見ると西に近い空の、雲の切れ間に月が出ていた。ほぼ半月である。(旧暦だと1月25日の月だ。)で、なぜことさらに月のことを言うかというと、私は「雨月」を見たのはおそらく生まれて初めてだったからである。
言うまでもなく「雨月物語」は上田秋成の名作短編集で、私の最愛の作品のひとつだが、その題名の「雨月」そのものを見たのは、私は初めてだったのである。まあ、夜中に外を歩いていると不審者(犯罪者予備軍)扱いされる現代では、空の月を見ることすら稀だろう。況や雨月をや、だ。
これも早朝の散歩の功徳である。

で、それとまったく関係の無い話だが、歌い手(デュオ、つまり二人組だった気がする)の名前は忘れたが、「結婚するって本当ですか」という昔の歌がある。フォークソングブームの頃の歌だ。
その歌が別に好きでも何でもなかったのだが、(何しろ、女性の失恋の話だから、男には共感や同情ができるはずがない。)よく頭の中に浮かんでくる歌なのである。特に、今朝のように小雨(後で上がった)の日は連想も働くのだろう。何しろ、その出だしが「雨あがりの朝~♪」なのだから。
この「雨あがりの朝~」の歌詞と曲が、まさに「雨上がりの空(あるいは朝)」とぴったりのイメージなのである。これほど、曲と歌詞の内容が一致した歌を私はほかに知らない。もちろん、名曲や名歌詞は無数にあるが、曲と歌詞の一致性の話をしているのである。
他の部分の歌詞も、曲によく合っていて「ポストの前には~赤いコスモス 揺れていた~♪」と聴くと、まさにその風に揺れる赤いコスモス(なぜか、ポストの前というのがぴったり)を連想するのである。(ちなみに、私はコスモスがどういう花か、明確には知らない。)
私はこの歌を真面目に注意深く聞いたこともないので、私の覚えている歌詞が実際と一致するかどうか、非常に怪しいが、こんな歌詞だったと思う。「机の写真は笑ってるだけ」というフレーズも実に見事だ。時の経過、出来事の推移、好きなまま別れた相手の笑顔の写真を見るその切ない感情が、この短い一節ではっきりわかる。


雨上がりの朝 
届いた短い手紙
ポストの前には
赤いコスモス揺れていた

結婚するって本当ですか
机の写真は笑ってるだけ
ほんの小さな出来事で
別れて半年経ったけれど
優しい言葉を待っていた
待っていた






















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HN:
酔生夢人
性別:
男性
職業:
仙人
趣味:
考えること
自己紹介:
空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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