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正解とは何か

「ドラえもん」についての軽い評論だが、この部分にはなかなか考えさせられるところがある。

ロボ子の発想のことである。

「(先生が或る答えを間違いだとするなら)先生向きの答えを書いておきましょう」という言葉は素晴らしい。

つまり、「正しい答え」と「間違った答え」があるのではなく、採点者(その答えを評価する人)に合う答えと合わない答えがあるだけの話だ、という発想だ。
実は、これは大学受験や高校受験の国語の問題などでも言えることで、作問者が何を正解と考えるかがポイントなのであって解答者が自分の答えをいくら正しいと思おうが、その答えがいくら合理的であろうが、作問者の意向に反した答えならば「間違い」扱いされるのである。そういう意味では、「誤答することが本当は正解」という問題もあったりする。(要するに、作問者がアホである場合だ。)
で、これは学校の試験などに限った話ではなく、「評価者の気に入るような答えが正解」というのは、実人生でよく見る話である。
たとえば、女性から相談を受けた時に、「合理的な解決策」を提示してもまったく喜ばれない、ということはよく聞く。相手は、「自分の気に入る答え」を提示してくれることを望んでいるのであって、答えの合理性や論理性など望んではいない、というわけで、場合によってはただ話(愚痴)を聞いてくれることを望んでいただけだ、ということもある。まあ、そういう女性蔑視的な(見方を変えれば、頭の固い男性を蔑視したような)話はともかく、会社の会議などでも、さんざん意見が出尽くした後で、社長や幹部が気に入ったというだけで愚にもつかない意見が採用される、ということもあるだろう。アホな相手にはアホな答えこそが正解なのだ。もちろん、そういう組織はいずれ倒れる。旧日本軍とかね。

なお、別の話になるが、この「ロボ子」の話におけるしずかちゃんがサイテーの女だということには私も同意する。女性の正体などそんなもので、ロボ子のような存在こそが最高だ、と考えるような男が増えたら、男は三次元の女性への興味を失い、独身こそ至高だと考えることになるだろう。そして、実際そうなりかかっている。





(以下引用)

ロボ子が愛してる

ガビン 次は問題作ですね。


 あー、ロボ子。


ガビン あらすじは、女の子に冷たくあしらわれたのび太に対してドラえもんが「ロボ子さん」という美少女ロボットを紹介してくれる。このロボ子が、のび太をすごく褒めてくれるという。そしてのび太もポーっとなっちゃう。


これは、人のカタチをしているので、遠い未来のひみつ道具に見えるんだけど、形を変えてもうすでに実現されているところもあるように思いました。自分のこと褒めてくれる恋人的な存在という意味では、恋愛シミュレーション、乙女ゲームとか。


このマンガでは、ロボ子に好意を抱くのび太を滑稽に描いてるけれど、2次元に夢中になったり、実際に現実世界の自分の状況を忘れさせているという意味では、そうしたゲームなどがロボ子の役割をすでに担っているとも言えそうです。


 そうですね。ただ、このロボ子は嫉妬するんですよね。それって自我か何かを持ってるってことでしょうね。そこがなかなかおもしろかった。


あと、問題解決の方法。例えば宿題を見るシーンがありますよね。間違いだらけなんだけど、とにかく一回褒めますよね。「すてき!! こういう個性的などくそう的なまちがいはだれにもやれるもんじゃないわ」とか言って。



ガビン そこも現代的なアプローチですよね。


 その褒められたことに対してのび太が「先生はおこるんだ」というと、「じゃ、先生向きの答えを書いておきましょうね」と手伝ってくれる。この切り返しの、知性の高さというか。


じゃあ正しい答えを書きましょう、じゃなくて、先生むきの答えを書いておきましょうね、というのがなかなか優秀なロボットだと思ったんですよね


ガビン コミュニケーションが高度っすよね。非常によくできた話。


でも、僕この話ですごく気になるのはロボ子のことじゃなくて、しずちゃんのことなんですよね。しずちゃんが本当にクズだなと思って……。


 ははは。


ガビン 僕は『ドラえもん』を読み始めたばかりの素人で、まだ2巻なのでこの先しずちゃんが、どういう素晴らしい女性になるのかは知らないんですけど、とりあえず、1〜2巻を読んだ限りでは、この子を好きになる要素がとにかくゼロなんですよ。見た目がちょっとかわいいってことですか?


のび太が、ピーナッツを放り投げて食べるっていうのを見て、しずちゃんは「うちにきて見せてよ!」って言うんですよね。
それでのび太がしずちゃんちを訪ねたら「本気だったの?」って驚くんですよ……。
それで友達を電話で呼ぶんだけど、その時のセリフが「じょうだんのつもりだったのよ」ですよ。



ガビン これ、日本語に訳すと「キモオタが冗談を真に受けやがったんだけど」ってことでしょう。「本気にしやがって」っていう表情で……。


 そうですね。


ガビン さらにですよ。そこにスネ夫が「新しいゲーム買ったんだ」って言ったら、一瞬でのび太さんを置いてついていく。どんだけビッチなんだって話でしょう。


なのにね、のび太さんは誰もいなくなった部屋でピーナッツを投げて食べ続けるんですよ。そして、ひとりで家に帰ってきてね、ピーナッツでのどが渇いたからといって、水を飲むんですよ……この表情どうですか。



 これはつらいですよね。ひとりで水のんでて……。


ガビン この表情、ほんとにいいんですよね。それを後ろから見ているドラえもんが、ぼそりとつぶやく


さりげなくわらってはいるが…、


きみの気もちがどんなにきずついたか、ぼくにはよくわかる。



ガビン このシーン、なんども見ちゃうんですよね。のび太さんって、ほんといいやつなんじゃないかな。


 なんとなく、のび太に感情移入してましたね。気持ちがわかるっていうのは自分を投影してるっていうか。そうやって読んじゃってましたね。しずちゃん側では見ないですよね。


ガビン アメリカ映画とかで、チアリーダーとナードみたいな関係を見てるような気分になるんですよ。「なんであんな女のことが…」みたいな。


しずちゃんは……ちょっと僕は許せないですね。しずちゃんとか親しげに呼びたくない。しずかと呼び捨てにしたい、というか、名字で呼びたいですね。源って名字で呼びたい。


 そういった意味ではジャイアンの暴力みたいにわかりやすくないだけに、質が悪いのかもしれませんね。


ガビン いやあ……このシーンは堕ちるなあ……マジでクズですよミナモト…。


 クズ……。


ガビン 次いきましょうか……。


(次ページに続きます)


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空を眺め、雲が往くのを眺め、風が吹くのを感じれば、
それだけで人生は生きるに値します。

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