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2018年、世界初の孤独担当大臣を置いた英国。どのような取り組みが行われているのだろうか。英国の孤独対策に詳しく『孤独は社会問題』(光文社新書)を出版したジャーナリストの多賀幹子さんがレポートする。AERA 2022年3月7日号から。
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英国の孤独対策は、慈善団体などが多くを担う。「メンズ・シェッド(男たちの小屋)」は、定年後の男性の居場所づくりだ。定年を迎えた男性はとかく孤独に陥りがち。彼らを引っ張り出して仲間とDIYに取り組んでもらう。こしらえたベンチを公園に寄付したり、出来上がった遊具を校庭に設置したりする。これまであまりなじみがなかったコミュニティーの人たちからお礼を言われ、子どもたちから感謝の手紙が届く。男性たちからは思わず笑顔がこぼれ、さっそく次の製作に取り掛かるという。
英国最大手のコーヒーチェーン、コスタ・コーヒーが乳児を持つ母親から「大人と話したい」と頼まれて始めたのが、おしゃべりテーブルだ。店内の一つのテーブルをおしゃべり専用と決め、そこでは客同士が自由に話す。当初は全国に25店用意したが、反応が良いと300店に広げた。話題は、天気についてがトップ。「雨がよく降りますね」「まったくです」から会話が弾む。
高齢者のためのNPOは、坂道を高齢者が下る試みを行った。緩やかな坂にビニールを敷き、その上に厚手のクッションを重ね、坂下りをしてもらう。あまりに大胆な企画に高齢者がけがをするのではないか、怖くて尻込みするだろうとの声が上がった。しかし、実際は坂下りを1度でやめる人はなく、2度、3度と滑りたがった。ボランティアが何度も試して、これなら大丈夫というところまで改良を重ねた努力が実った。
高齢者の夢をかなえようとする団体もある。スーパーマーケットが設置した箱に夢を書き入れてもらい、店内につるす。104歳女性の「逮捕されてみたい」との希望に目をとめたのは地元警察だった。老人ホームに赴き彼女に手錠をかけ、「これまで善良に生きてきたのが容疑です」と告げてパトカーに乗せ赤いランプをつけて周囲を走った。彼女は、「なんてエキサイティングだったでしょう」と大喜び。英国の孤独対策にお金はいらない。アイデアを出し合い、草の根の活動で孤独撲滅に立ち向かう。コミュニティーから「孤独な人」を出さない。そんな信念が伝わってくる。
※AERA 2022年3月7日号
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