「外国から見て日本の自動車所有にかかる費用の異常な高さは、まるで「自動車を持つな」と言われるのと同じである。上の記事でも、マンションの月額駐車場代は2万円もかかるとか。休みの日に自動車に乗って買い物に行ったりしても、行った先々で駐車料金を取られる。高速道路を走れば通行料金を取られるし、燃料費や保険料、税金など含めれば、日本など世界屈指のボッタクリ国家である。」
というコメントに問題の根本原因が示されている。
つまり、日本国民貧民化に対する庶民の生活防衛がどんどん進行しているということである。もともとマンションという存在そのものが割りに合わないものだと私は思うが、狭小な日本の国土、特に都会では仕方がない住居様式だった。だが、それに車や駐車場の維持費まで加わるとなると、車を持つことを止めたほうが現在は賢い暮らし方だと言える。都会では公共交通機関がほぼ万全に整備されているから、不便は無い。どうしても車での移動が必要な時はレンタカーを使えばいい。つまり、日本の自動車産業は、内需はこれからはどんどん低下していく、と見るべきだろう。これも安倍経済政策(円安政策・格差拡大政策)の当然の帰結である。経団連の中心企業である自動車産業は、安倍政権を後押しして、自分たちの首を絞めたわけである。では、外国に市場を求めるか。まあ、お手並み拝見だ。
それはともかく、「一家に一台」あるいは「一家に数台」が当たり前だったことが異常だったとも言える。自動車のような高額商品は富豪だけに許された贅沢であった昔に戻るだけのことだ。もっとも、数十万円程度の格安自動車が普及し、ガソリン代が低下し、保険や車検費用なども時代に合わせて低下していけば、話は別。案外、そういう中から新しい自動車文化も出てくるのではないか。そもそも、毎日の通勤程度なら、軽自動車どころかカートで十分である。見栄を張るためだけの大型高級自動車など、むしろ公共スペースの無駄使いであり、迷惑な存在だ。
(以下引用)
都心マンションで深刻化 駐車場ガラガラで住民負担アップ(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/14/hasan89/msg/829.html
写真はイメージ/(C)日刊ゲンダイ
都心マンションで深刻化 駐車場ガラガラで住民負担アップ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/152696
2014年8月20日 日刊ゲンダイ
今、都心のマンションを中心に深刻な事態が進行している。「値崩れが激しい」とか「入居者がいない」という話ではない。若者はもとよりシニア層のクルマ離れが進み、駐車場がガラガラ。見込んでいた駐車場収入が激減しているのだ。これは「修繕積立金」や「管理費」会計の収入減に直結する。このままでは…。
まずは大田区内のマンションで管理組合の理事をしているKさんの話を聞いてみよう。
「ウチのマンションは現在50台分の駐車場が空いています。80年代に建てられたマンションで入居は約300戸。もともとは100台分の駐車場しかなかったのですが、バブル期に拡張したんです。マイカーは一家に1台が当たり前の時代で、<100台じゃ少ない>ということになって駐車場を立体式にして、300台分に建て替えたんです。ところが、10年ほど前から徐々にクルマを持つ人が減り始め、いまや50台分がガラガラの状況です」
Kさんのマンションの駐車場料金は月額2万円。収入は「管理費」に入る規約になっていて、初めから予算に組み込まれている。50台分の収入が減ると、それだけで月に100万円、年間1200万円の減収。10年だと1億2000万円。いずれは大規模修繕が必要になったとき、住民負担などの形で影響が出るのは避けられない。
Kさんのマンションはまだマシな方だ。港区や中央区など都心になればなるほど、マンション駐車場の“空き率”は高くなっている。
「都内の移動なら地下鉄で十分ですし、たまの遠出も今やレンタカーもあるしカーシェアという方法だってある。わざわざバカ高い駐車料金や税金を負担する必要はない。そう考える高齢者や若い夫婦は多いですよ」(Kさん)
■売るに売れずスラム化
こんな事態になったのは物件を売り出したディベロッパー側にも責任はあるという意見も出てきた。管理組合経験者のM氏が言う。
「もともとマンションには『積立金』と『管理費』という2つの財布があり、本来なら駐車場料金は“臨時収入”として積立金に入れるべきなのです。ところが、毎月の管理費を少しでも安く見せたいディベロッパーは駐車料金も当然入るものとして『管理費』に計上してしまう場合がある。これが諸悪の根源です」
管理費の収入が減るとKさんのマンションのように“管理費アップ”の可能性が出てくる。積立金勘定にしても将来の備えが貯まらないわけで、大規模修繕などに住民の負担が増えるのは目に見えているのだ。
「駐車場を利用している住民とクルマを手放してしまった人の間で感情のシコリができてトラブルが発生しています。収入が減った分、補填として<マンション外の人に貸そう>という意見も出ている。しかし、これも問題で<見知らぬ人の出入りは嫌><営業車だった場合、出入りがウルサい>などと言って侃々諤々。このままいくと『駐車場ガラガラマンション』は売るにも売れずスラム化する危険があります」(前出のM氏)
打つ手はあるのか。
「自転車置き場やトランクルームにする手もありますが、収入はタカが知れてます。平置き駐車場の場合は何かの足しにはなりますが、問題は立体の機械式駐車場。金は入らないにもかかわらず、ベラボーな保守点検費用がかかる。残念ながら『廃止』を考えるしかないでしょうね」(マンション管理士の松本洋氏)
それはそれで、金銭的負担は大きそう。不安は増すばかりだ。
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