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敵は本能寺にあり

「ウォールストリートジャーナル」から転載。
こちらも「徽宗皇帝のブログ」向きの話題だが、何しろ重要な政治経済ネタが立て続けに出てきているので、呑気に風流めいた随筆を書く余裕が無い。
このイラン、あるいはシリアの発言は、実に「妙手」である。イランやシリアからアメリカやイギリスを攻撃するのは困難だが、イスラエルを攻撃するのは容易である。かつての中東戦争の頃とは違い、今ではイスラエル以外の国々も軍備が充実しているだろうから、イスラエルを焦土にする、という発言は実現可能性がある。
そして、何よりも重要なのは、すべての中東紛争の背後には欧米がおり、欧米の背後にはイスラエルがいる、という事実を、この発言が示していることだ。
すなわち、「敵は本能寺にあり」ということだ。これまで欧米による中東破壊工作に煮え湯を飲まされてきた中東諸国は、これほど簡単な解決方法があったのかと、目から鱗が落ちたのではないか。
私としてはもちろん、イランの言葉通り、イスラエルがこの世から消滅することを願っている。そうすれば、20世紀の政治を紛糾させてきた「イスラエル=アメリカ」連合体制は、少なくとも無くなり、世界政治の実像が世界の目に見えやすくなるだろう。それは世界が欧米の支配から脱する重要な一歩なのである。

なお、今日の「ROCKWAY EXPRESS」が非常に面白い内容だが、長くなるので管理人さんの要約解説部分だけ(引用2)として転載しておく。



(以下引用)*写真はコピーしていないが、そのキャプションが面白いので赤字にして掲載。



• 2013年 8月 29日 08:04 JST
イラン、シリアへ軍事介入すればイスラエルへ報復と脅し

• FARNAZ FASSIHI IN BEIRUT AND NICHOLAS WINNING IN LONDON
Reuters

自由シリア軍の兵士に伴われた国連の化学兵器調査団(28日、ダマスカス郊外)


 【ベイルート】シリアとイランは28日、米軍がシリアへ軍事攻撃を仕掛ければ、イスラエルへの報復措置など中東地域に大混乱が起こると警告、米国を強く非難した。
 両国の言葉による対決姿勢の強化は、英国がシリアへの軍事行動を承認する国連安全保障理事会決議を求める手続きを正式に開始する一方、理事会で否決された場合は他の手立てで軍事行動に出るための準備に入ったことを受けたものだ。
 シリアと最も近い関係にあるイランは、米国が主導してシリアへ軍事介入すればイスラエルへの報復を挑発することになると初めて公の場で発言した。イラン軍のハサン・フィルーザバディ幕僚長は「シリアへの攻撃によってイスラエルは焦土と化す」と語ったとイランのメディアが報じた。
 またシリアの国営通信によると、ハラキー首相は28日、西側のいかなる軍事介入も、「(介入してきた)侵略者の墓場をわが国に作るだけだ」と威嚇した。
シリアのジャファリ国連代表はニューヨークでイスラエルへの報復攻撃の可能性について質問を受け、「われわれは国連憲章の下で自衛権を保障されている」とだけ答えた。
 西側諸国はこの日、シリアが自国民に対し化学兵器を使ったことはほぼ確実との見方に立ち、対シリアの対抗措置について合意形成を加速させた。英国は国連安保理に、シリア国民を守る権限を承認するよう求める決議案を提出した。その決議は、国連憲章7章に基づく平和と安全保障を確保するために陸、海、空の軍事行動も含む「必要な全ての行動」の権限を求めるもので、軍事介入への道を開くものだ。
 ヘイグ英外相は、安保理が「過去2年半にわたり怠ってきたシリアに対する責任を負う」時が来た、と語った。


 軍事行動を承認する安保理決議を得る努力に対してはシリアのアサド大統領の盟友であり安保理常任理事国のロシアの激しい反対が予想される。英米仏中の他の4常任理事国は、安保理全体会議に提出する前に英国提案を話し合うため会合を開いた。ただ、ロシアの同意なしでは、15カ国からなる安保理全体での審理までこぎつけられるか不透明な情勢だ。
 実際、ロシアのウラジミール・チトフ第1外務次官は同国営通信に対し「シリア現地入りしている国連化学兵器調査団が何らかの報告をしてくる前に安保理決議案を審理することは時期尚早だ」と述べた。さらに、ロシアは今回の危機に対し外交的解決を引き続き求めていくと明らかにした。
 一方、ヘイグ英外相はまた、メディア向けの声明の中で安保理内での合意が得られなかったとしても、英国と同盟国は、同外相の言うところの戦争犯罪や人道犯罪に対し行動を起こす義務を負っているとした。同外相は21世紀に入ってから化学兵器が使用されたのは世界で初めてで、国際社会がそれに対して何もしなければ「将来もっと重大な戦争犯罪と対峙しなければならなくなる」と述べた。
 オバマ政権関係者は、化学兵器使用疑惑に対し早急に行動をとらなければ、シリア政府がまた大都市で使用する恐れがあるとみている。高官の1人はその都市の候補としてアレッポを挙げた。




(引用2)


プーチン大統領:欧米がシリアを攻撃すれば、サウジを攻撃する?

シリア攻撃あれば、サウジアラビアを攻撃する(?)というロシアのプーチン大統領

◆8月29日
 
 ジャッカル(サウジアラビア)が黒龍(ロシア)の逆鱗に触れた。サウジアラビアのバンダル王子はこともあろうに、ロシアのプーチンに脅しを掛けたようなのだ。シリアのアサド政権への支援を止めれば、儲けを山分けにしよう、しかしあくまでアサド政権を支援するならば、来年のソチでの冬季オリンピックにサウジアラビア子飼いのチェチェンのイスラム過激派テロリストを差し向けて、大会を大混乱に落し入れる、と脅したのだ。

 これに怒ったプーチンは、ロシア軍に対してサウジアラビア攻撃の準備を指令した、という。もしも欧米諸国がシリアを攻撃すれば、ロシアはサウジアラビアを攻撃する、というのだ。無茶な話かも知れないが、やってもいない化学兵器による攻撃をネタに欧米がシリアを攻撃するというならば、ソチ五輪に対する脅迫を理由にロシアがサウジを攻撃することもできるだろう。このプーチンの話は確認はされていない。しかし、ありえることだ。相手が角取りにきたのだから、こちらは飛車取りというわけだ。ロシアは西洋将棋の強い国だ。

 どこにも真実の根拠がないまま国際法を無視して戦争が行われるとすれば、後は力の論理がまかり通るしかない。欧米が国連安保理決議を無視するのだから、ロシアが同じく安保理を無視しても仕方ない。ヤクザ同士の出入りと同じだ。サウジというチンピラがロシアという大親分を脅したのだから、大親分が黙っているわけはない。 

 これで本当に戦争が始まれば、ロシアはサウジの油田地帯の施設を狙うであろう。これで、サウジアラビアは原始時代に逆戻りである。また天幕の生活をすればいいだけではあるが。しかし、ペルシャ湾が戦場になるから、日本などに向けたタンカーはホルムズ海峡を通過できなくなり、石油の価格は青天井になるかもしれない。

 このような事態を避けるためにも、欧米世界の各指導者が馬鹿な真似はやめて、シリアに介入することのないよう願うばかりである。さもないと、元も子もなくす、という事態になりかねない。生きている生命体の地球が、馬鹿な人類が目を覚ますよう、大暴れする予兆がある現代ではなおさらである。




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